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株式の併合

ドキュメント内 会社法の検証 (1) (ページ 98-111)

1 総説   

株式の併合とは、すでに発行されている株式を複数個合わせ、そ   れよりも少ない株式にすることである。例えば、2株を1株するこ   とである。これに対して、10株券5枚を50株券1枚にするのは株券   の併合であって、株式の併合ではない。珠式の併合の場合には株式   数が減少するのに対して、株券の併合の場合には、株券が減少する   だけで、発行株式数は変わらない。   

平成13年の商法改正前までは、資本減少(旧商377)、合併、会   社分割、株式の交換又は移転、1株の純資産額が5万円未満の会社   が5万円以上に引き上げる場合(旧商214Ⅰ)等以外には、株式の   併合ができなかった。しかし、平成13年の改正により、株式併合は  

自由にできることになった(会180Ⅰ)。  

2 併合の手続とその効果  

(1)併合の手続   

株式併合をしようとする場合には、その都度、株主総会で、(》併   合の割合②株式の併合が効力を発生する日 ③種類株式を発行して   いる場合には、併合する株式の種類等を決議しなければならない  

(会183Ⅲ)。   

取締役は、株主総会において、株式の併合を必要とする理由を説   明しなければならない(会183Ⅲ)。また、株式会社は、株式併合  

の効力発生日の2週間前までに、株主及び登録株式質権者に対し   て、併合割合、効力発生日、併合する株式の種類等を通知しなけれ  

ばならない(会181Ⅰ)。この通知は、公告をもってかえることが  

できる(会181Ⅱ)。   

会社は、株式併合する旨、一定の期間(1ケ月前)に株券を会社   に提出すべき旨、株主と株主名簿に記載又は記録ある質権者に対し   それぞれ通知しなければならない(会219Ⅰ(参)。   

さらに、株券の提出ができない者がいる場合には、会社はその者   の請求により、利害関係人に対して、一定の期間(3ケ月以内)に   異議を申し出るべきことを公告でき、その異議の申し出がなければ   新株券を交付できる(会220)。  

(2)併合の効果(効力発生)   

株主は、株式併合が効力を生ずる日に、その日の前日に有する株   式の数に併合割合を乗じて得た数の株式の株主となる(会182)。  

第6章 株式の消却   1 総説   

株式消却とは、会社が取得した自己の株式その他特定の株式を消   滅させる行為をいう。広義では、自己株式の取得の方法だけでなく   会社本体の消滅や対価の源泉等を理由とした、株式の絶対的消滅で   ある会社の解散の場合における株式消却と、相対的消滅である端株   の株式処分(会234)、所在不明株主の株式処分(会197)の場合に   おける株式消却(処分)も含まれる。しかし、狭義の株式消却と  

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は、会社の特定の株式だけを消却する場合を言う。  

2 株式消却の類型  

(1)定款に基づく株式消却(会178Ⅰ)【任意消却】   

平成13年の商法改正で、株主総会の定時総会の決議により自己株   式の買い受けが認められた(旧商210Ⅰ)ことに対応したものであ   る。消却する場合、原則として定款に消却すべき株式の種類及び数   を規定しなければならない(会178Ⅰ)。ただし、取締役会設置会   社においては、取締役会の決議で、消却すべき株式の種類及び数を   決めればよい(会178Ⅱ)。   

旧法の償還株式はここに該当する。つまり、定款の規定に基づ  

き、株主へ配当すべき利益で償却する場合(旧商213Ⅰ)。  

(ア)償還株式による場合(旧商222Ⅰ④)【強制消却と任意消却双   方がある】これは数種の株式の中の償還株式という特定の種類の株   式によって消却する株式消却である。  

(イ)消却目的を定款に規定している場合(旧商213Ⅰ後段)【強制   消却】この場合には、(ア)の場合と異なり、総ての珠式の消却を   実施しなければならない。具体的な場合としては、会社の目的を達   成した後、または、会社を継続することは損失を増大することにな   り、利益を生ずる可能性が極端に低い場合などに、利益があるうち   に解散・清算をする前に株主に利益配分をする意図で利用される。  

(2)資本減少の方法による場合(会447)【強制消却】   

株式会社の資本を減少する場合には会社法447粂以下の手続きに   よらなければならない。資本金を負債に充当し負債を減少する為の   株式消却であり、会社規模の縮小又は会社の建て直し等に利用され  

る。資本減少手続きは、会社自体の存亡に関する場合に利用される   関係から、債権者の債権の減少又は消滅を意味するので、債権者に   対してその利益保護の為に、異議申し立ての手続きが認められてい  

る(会449)。   

しかし、現在は資本と株式の関係は切断されている(会445)の  

で、株式を消却しても減資する必要はないと考えられる。従って、  

株主の持分割合を減少させることなく、株式数を減少させる手続き   は、株式併合で説明できる。   

資本減少即株式消却ではない。しかし、債務超過の場合には、株  

主の多数決(旧法では株主全員の同意が必要であったが会社法では   株主総会の特別決議でよい)により無償で株式の全部消却をする場   合が多々見られる(会羽7Ⅰ・309Ⅰ(9)。  

第七草 株式の譲渡   第1節 株式譲渡の意義   

株式譲渡とは、株式会社の社員権である株式を法律的に譲渡(移   転)することである。株式は、多数人への出資奨励と有限責任負担   の意味で細分化され且つ財産的価値のある社員権を意味している。  

そして、安全確実な鱒通を目的にしている。従って、その目的の為   に株式譲渡は原則的に自由でなければならない。これは、合名会社   や合資会社の持分という社員権が労務や信用といった人的要素を出   資の対象にし、その払戻し(商89・147)を認めていることに対し   て、大きく相違する。   

株式譲渡とは自益権と共益権の譲渡を意味する(通説)。このよ   うに株式には社員権に基づく総ての権利を包含するが、通説判例   は、株主総会によって確定した具体的な権利(例えば該当期の利益   配当請求権)は具体化したその時の株主の権利である為に株式を移   転又は譲渡したからといって当然には株式の譲受人に移転しないと   する(鴻常夫・会社判例百選第5版202頁、井上明同第6版192頁。  

最判昭45・7・15民集24巻7号804頁)。他方、社員権否認論による   株式譲渡とは、自益権だけが移転し、共益権は株主権の取得と共に  

当然に取得できるとする。   

株式譲渡の法的性格は、相続や合併と同じく「承継的取得」であ   り、設立に際しての株式引受や新株発行に際しての新株引受等の  

「原始的取得」と異なる。  

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札幌法学23巻2号(2012)  

第2節 株式譲渡の目的と方法   第1款 株式譲渡の目的   

株式会社は、その意義の項で説明したごとく、原則として株式を   自由譲渡にしなければ、会社の目的(利潤追求と社会参加の具体的  

実現である出資意欲の増大、大資本の収集、人材確保、技術開発、  

会社の長期的発展等)を完全には達成できない(会127)。しか  

も、株主は株式の自由譲渡によって投下資本の回収が保証されるの   である。   

しかし、自由譲渡にすると既存の株主にとって好ましくない新規   の株主の排除ができず、会社の経営そのものに意欲や魅力を失う。  

そこで、株式譲渡の制限をするかしないかは、各会社の自由とし、  

定款に、株主が会社に対して「当該株式の取得についての承認を   要する」旨規定できることにしている(会107Ⅰ①)。その承認決   議は株主総会の普通決議(会309Ⅰ)、又は取締役会設置会社では   取締役会の決議によって承認を得なければならない(会139)。他   方、定款変更により譲渡制限をする場合には、議決権行使可能株主   の半数以上が出席し、その議決権の3分の2以上の多数により決議   する株主総会の特別決議による(会309Ⅲ)。   

そこで、株式会社は物的会社なので資本の払戻しを、原則とし  

て、認めない。これは、資本の無い物的会社の存在を認めれば、資   本の論理に反することになるからである。   

しかし、例外として、以下のように、株式の買取を認める場合が  

ある。譲渡制限会社で譲渡に反対された場合の反対株主の株式買取   請求権(会140)、単元未満株式の買取請求権(会192)、営業譲   渡や譲受等への反対株主の買取請求権(会469)、簡易な営業の譲   受に反対の場合(会469)、定款変更により新規に株式譲渡制限を   することに反対の場合(会116)、株式交換に反対の意思を有する   株主の買取請求権(会785)、簡易株式交換反対の場合(会797)、  

株式移転に反対の意思を有する株主の買取請求権(会806)、会社  

分割に反対の意思を有する株主の買取請求権(会806)、承継会社   における簡易吸収分割に反対の意思を有する株主の買取請求権(会   797)、合併に反対の意思を有する株主の買取請求権(会785)、簡   易合併に反対の意思を有する株主の買取請求権(会785)。   

このように、株式は原則的には自由譲渡であるが、例外として定   款に譲渡制限を規定できる。この場合を含め、若干の会社への買取  

請求を認めている。これは、株式の取得が会社への出資契約であ  

り、自己の出資は会社財産の構成を意味し、その財産が株主の直接   的所有ではないことに起因するからである。  

第2款 株式譲渡の方法   

株式を譲渡する場合には、株券を交付しなければならない(会   128Ⅰ)。株券の占有者は、たとえ真の権利者でなくても、その適   法な所持人と推定される(会131)ので、株式の譲渡人になりう   る。従って、株券の不法な取得者は、前記した株券失効制度(会   223〜会230)の手続き後に、適法な所持人としての地位を得た後   に、株式を譲渡できる。   

株式は、株式会社の抽象的な細分化された割合的単位となった社  

員権を意味する。そこで、抽象的な株式の譲渡に関しては、当事者  

間の譲渡の意思表示だけでは明確性に欠けるので、対抗要件とし  

て、具体的な有価証券としての株券の交付を必要とした。株券の交   付とは、証券の現実の引渡し(民182Ⅰ)、簡易の引渡し 〈譲受人   又は代理人が現に占有物を所持する場合には当事者の意思表示だけ   で引渡しを認める〉(民182Ⅰ)、占有改定〈代理人が自己の占有   物を以後本人の為に占有すると意思表示した時本人が占有権を取得   する〉(民183)、指図による占有移転〈代理人に占有させている   場合、本人が代理人に対して、以後第三者の為に占有すべきことを   指図し、第三者がこれを承諾した時、第三者が占有権を取得する〉  

(民184)等を意味する。  

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ドキュメント内 会社法の検証 (1) (ページ 98-111)

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