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校歌の制定背景

ドキュメント内 校歌をめぐる表象文化研究 (ページ 143-153)

-光が丘地区小学校統合における校歌制定までの流れ−

第1節 問題の所在

東京都練馬区光が丘には“光が丘団地”と呼ばれる新興住宅地がある。南北に建設され た団地・周辺地域には12,400世帯(平成25年8月1日現在)が生活をしている。近年、

この地区に居住する少子高齢化が問題になっている。とりわけ児童数の減少は著しく、8校 ある小学校の在籍人数がピーク時から2割から7割の減少がみられる。211

このような状況から、平成22年3月31日をもって光が丘地区にある光が丘第一小学校、

光が丘第二小学校、光が丘第三小学校、光が丘第四小学校、光が丘第五小学校、光が丘第 六小学校、光が丘第七小学校、田柄第三小学校が閉校した。そして、その翌日の 4 月1日 から光が丘四季の香小学校、光が丘春の風小学校、光が丘夏の雲小学校、光が丘秋の陽小 学校が新たに開校した。

2010年3月閉校 2010年4月開校 光が丘第一小学校

光が丘四季の香小学校 光が丘第二小学校

光が丘第三小学校

光が丘春の風小学校 光が丘第四小学校

光が丘第五小学校

光が丘夏の雲小学校 光が丘第六小学校

光が丘第七小学校

光が丘秋の陽小学校 田柄第三小学校

図1 光が丘地区の小学校の統合状況

新たに開校した4校は、開校に合わせ校歌を新しく制作していた。その制作は、“統合準 備会”という組織の中で行われた。この組織は統合する 2 つの学校ごとに成り立ち、両校 長・副校長・PTA・青少年委員・町会・自治会・学校評議員等が集まり約2年間、17回に わたり定期的に話し合いが持たれた会である。この会では「統合準備会では統合新校の校 名、校歌、校章、交流活動、通学路の安全確保、学校指定用品、歴史の保存、校舎の改修 などについて検討していく」(各第1回の統合準備会要点記録に明記)ことを目的に組織さ れた。以下に詳細に記す。

211 各旧小学校の状況については『区立学校適正配置第一次実施計画』,練馬区教育委員会 学校教育部 新しい学校づくり担当課,2008年2月に詳細に記されている。

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【統合準備会の設置目的】

・統合までの 2 年間、統合新校の開校に向けた課題について協議するため、統合の組み合わせごとに統合 準備会を設置する。

・統合準備会では、統合新校の統合新校の校名・校歌・校章、交流活動、通学路の安全確保、学校指定用 品、歴史の保存、校舎の改修などを協議する。

・統合に関する最終決定は、教育委員会や区議会にあるが、統合準備会は、保護者や地域の方々の意見を 反映させるための話し合いの場である。

・統合準備会での協議の過程や決定事項については、適宜、教育委員会へ報告する。

・統合準備会委員の任期は、平成 20 年 5 月 29 日から平成 22 年 3 月 31 日までとする。

・統合対象校の校長、副校長、教職員を構成員とする教職員連絡会の組み合わせごとに設置し、統合新校 の教育目標、教育課程および交流活動などについて検討していく。統合準備会と教職員連絡会は、相互 に報告を行い、教育委員会はこれらを調整していく。

【統合準備会の検討スケジュール】

・スケジュールは、統合準備会の検討状況によって変更もある。また、開催間隔は、1~2 ヶ月に 1 回程度 を想定。最初は校舎の改修、歴史の保存から検討を始めたい。

・校名については、今年度中に意見をまとめてもらい、校歌、校章、校旗については、来年度に検討した い。

・交流活動については、学校同士が話し合って取り組んでいくが、適宜、統合準備会で報告し、要望をお 聞きしたい。

・学校指定用品については、買い替えが必要なものは区が負担するので、来年度予算に間に合わせるため に、10 月ごろ意見を取りまとめていきたい。

検討スケジュールに記されているように、「校歌、校章、校旗については、来年度に検討 したい。」とあることから、ある程度、学内・学校周辺の環境整備が整ってからその学校を 象徴するであろう校歌・校章・校旗を作るということがわかる。

第2節 研究の目的と方法

本研究では、4つの統合準備会で話し合われた校歌の制作過程を比べてみることで、各小 学校がどのような過程を経て校歌が出来上がったのか調査する。具他的には各統合準備会 要点記録での話し合いを基に、①歌詞の選定方法、②作詞者・作曲者の選定方法、③制作 過程の共通性を明らかにする。

144 第3節 校歌の予算

以下に記すのが、練馬区が計上した校歌の歳出である。

予算名目 計

校歌作成依託 5,000,000 校歌音源制作依託 936,800 学校図書整理依託 399,000 校章作成依託 105,000 6,440,800

表9 ”校歌等作成委託料”の予算配分(3 学校分)

(出典)練馬区「平成 21 年度練馬区各合計歳入出決算説明書」p.414 に基づき論者作成

予算名目 計

校歌作成依託 2,000,000 校歌音源制作依託 250,000 2,250,000

表 10 ”校歌等作成委託料”の予算配分(1 学校分)

(出典)練馬区「平成 22 年度練馬区各合計歳入出決算説明書」p.406 に基づき論者作成

“校歌制作依託”とは作詞者・作曲者に支払われた金額である。“校歌音源制作依託”と はCD制作等の金額である。学校図書整理依託と校章作成依託は校歌と直接関係ないので、

これら2つの歳出は除くと、歳出の合計は818万6800円である。全体の統合歳出は24億 2601万2005円212であることから校歌に使用した歳出は全体の約0.34%である。

図2 小学校統合全体の歳出金額と校歌の歳出金額

212 平成20年度 学校適正設置推進経費(統合準備会だより印刷費など) 2,262,507円 平成21年度 適正設置計画に基づく校舎改修工事 1,322,428,599円

学校適正配置推進経費(学校指定用品購入費、校具等運搬料、校歌等 作成委託料など) 26,875,513円

平成22年度 適正配置計画に基づく校舎改修工事 1,047,903,125円

学校適正配置推進経費(廃棄物処分料、校具等運搬料など)26,542,261 円

145 第4節 校歌制定の流れ

新設校を設置するにあたり、様々な話し合いが統合準備会でなされた。その様子は各準 備会が要点をまとめ練馬区のホームページにアップされている。その中に校歌の制定過程 も記されている。

それらによると、4月開校に間に合わせる様に校歌も制定したい・新設4校とも足並みの そろった過程を辿りたいという事務局の考えの中、必ずしも開校に合わせて制定する必要 性があるのか、募集方法に共通性を持たせる必要性があるのか等、話し合いがもたれたと いうことがわかった。話し合いの結果、統合前の小学校に通う児童・保護者・教職員・地 域住民に対し、平成21年8月25日(火)~9月15日(火)の間に募集を行うことが決定した。

以下に詳しく校歌の制定背景を記す。

第11回統合準備会

(1)募集の目的

・統合準備会において、統合新校の校歌を検討するにあたり、統合対象校の児童・保護者・教職員、光が 丘および周辺地域を対象として、統合新校の校歌の歌詞に入れたい言葉を募集する。

(2)募集期間

・平成218月下旬~9月中旬

(3)募集の対象者と応募方法

①児童

・学校を通じて配布する応募用紙で応募する

②保護者・教職員

・8月下旬発行予定の統合準備会だより(第12号)に添付された応募用紙で応募する

③光が丘および周辺地域

・8月下旬発行予定の統合準備会だより(第 12号)の町会回覧や掲示により周知し、光が丘区民事務所、

光が丘図書館および地区区民館(旭町南、光が丘、田柄)において配布される統合新校ごとの応募用紙(4 種類)で応募する

(4)募集にあたっての留意事項

・児童・保護者および教職員については氏名欄を、光が丘および周辺地域の方については住所・氏名爛を 設ける

・校歌の歌詞に入れたい言葉の説明や思いを記入してもらう

・メロディ(作曲)は募集しない

・指定の応募用紙でなくても有効とする

さらに事務局から「9月下旬の統合準備会から、応募された校歌の歌詞に入れたい言葉をもとに、3回の協 議を行い、協議結果を作詞家に伝えて校歌制作の参考にしてもらう。最終的には学校による調整を行い完 成させる。また、作詞・作曲候補者を選定していただく。」と報告

第12回統合準備会

(1)校歌に入れたい言葉の募集期間 平成21825日(火)~915日(火)

(2)制作方法

①委員のかたから、知り合いなどで校歌の作詞や作曲を引き受けてくれそうな方を事務局へ連絡して もらう

②委員の方から提案された作詞家・作曲家をもとに、第14回(9月下旬開催予定)および第15回(10 下旬開催予定)統合準備会の協議で候補者を選定する

③11月中に、事務局が作詞家・作曲家と校歌制作の契約を行う

④第16回(11月下旬開催予定)統合準備会までに校歌の歌詞に入れたい言葉を絞り込む ⑤12月上旬に、統合準備会の協議結果を作詞家に伝えて校歌の作詞を依頼する

146 ⑥歌詞が出来次第、作曲家に曲の制作を依頼する ⑦3月校歌完成

これらのことから、作詞者・作曲者も統合準備会の中で決定した。下記に記したのが、

各学校の校歌の歌詞と作詞者・作曲者、募集されたキーワードとその言葉の採用状況を記 した。

ドキュメント内 校歌をめぐる表象文化研究 (ページ 143-153)

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