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5.2.1.試験圃場

宮城県仙台市沿岸部に位置する農事組合法人が管理・運営するダイズ圃場 (2区画2.0 ha,

畝間80 cm) (図 5-1) において,土壌体積含水率の測定と UAV による画像撮影を2017年

に行った.ダイズの播種は同年の6月9日と10日に行われた.土壌体積含水率の計測を行 う地点として,1区画あたり20点,計40点の計測点を畝上に設定した (図 5-1).UAV で 撮影した画像と対応をとるために,計測点の座標を可搬型 GPS 測定機器 「eTrex 20x」

(Germin Ltd.,Switzerland) を用いて計測した.また,この画像のオルソ補正を行うための

GCPsとして,各圃場の四隅の座標も計測した.

5-1 本研究で対象とした仙台市沿岸部に位置するダイズの試験圃場.左図は,国土地 理院の電子国土基本図 (オルソ画像)32),右図は,UAV (Solo) に搭載したマルチス ペクトルセンサ (Sequoia) で撮影した画像 (2017627日撮影,フォルスカラ ー表示).図中の白色点は,圃場内に設置した計測点の位置を示している.2章から 4章で用いた水稲の試験圃場の近隣に位置しており,同じ農事組合法人が管理して いる.

5.2.2.地上計測

土壌体積含水率は, 土壌水分計 「FieldScout TDR100」(Spectrum Technologies, Inc., USA)

で12 cm ロッド (図 5-2) を用いて計測した.計測地点の土壌体積含水率は地表面から鉛

直下向きに同一畝上1 m 内で2回計測し,その平均値とした.計測は6月から10月の間,

週1回計測した.畝高については7月11日に標尺を用いて計測した.

5-2 土壌体積含水率の地上計測に用いた土壌水分計 「FieldScout TDR100」 の外観 (Spectrum Technologies, Inc., USA)

5.2.3.UAV 撮影データ (1) マルチスペクトル画像

UAV の 「Solo」 に搭載したスペクトルセンサ 「Sequoia」 によって,ダイズ圃場の マルチスペクトル画像を6月27日に撮影した.「Sequoia」 の観測波長帯は,緑 (550 nm, 40 nm),赤 (660 nm, 40 nm),レッドエッジ (735 nm, 10 nm),近赤外 (790 nm, 40 nm) である.括 弧内の数値は中心波長と観測波長幅である.UAV は,ダイズ圃場の上空60m を飛行しな がら圃場全体を網羅するように約300枚の画像を撮影した.撮影画像1枚あたりの撮影範

囲は0.4 ha であった.全ての画像は進行方向及びその直角方向に隣り合う画像同士が70%

オーバーラップするように撮影間隔を設定した.撮影した画像は 「Pix4D mapper」 を用 いて,1枚のオルソ補正済み反射率画像に変換した.「Pix4D mapper」 によるオルソ補正 済みの反射率画像への変換は,2章から4章の各章で示した反射率画像生成の流れと同様 である.処理品質を示す指標であるバンドル調整の平均再投影誤差及び内部パラメータと 最適化パラメータの相対誤差はそれぞれ,0.3画素以下及び1%以下となり推奨されている 基準34)を満たしていた.生成したオルソ補正済み反射率画像の空間分解能は0.05 m であ った.反射率のラジオメトリック補正には,2章から4章と同じキャリブレーションター

ゲット (AIRINOV, Paris, France) を用いた.オルソ補正においては,画像の位置あわせのた

めに GCPs を利用した.GCPs は各圃場の隅に設定し,その座標は日本の国土地理院が公 開する電子国土基本図の1つであるオルソ画像32)を参照して取得した.

(2) 数値表面モデル

UAV の 「MAVIC」(DJI, Shenzhen, China) に搭載したカメラによって RGB 画像を6月 27日に撮影した.このカメラで撮影する画像は一般的な RGB 画像である.UAV は,ダ イズ圃場の上空30 ~ 40 m を飛行しながら圃場全体を網羅するように約850枚の画像を 撮影した.撮影画像1枚あたりの撮影範囲は0.13 ha であった.全ての画像は進行方向及 びその直角方向に隣り合う画像同士が70 % オーバーラップするように撮影間隔を設定し た.撮影した画像は 「Pix4D mapper」 を用いて,1枚の DSM 画像に変換した.「Pix4D

mapper」 による DSM 画像への変換は,2章から4章の各章で示した DSM 生成までの

流れと同様である.処理品質を示す指標であるバンドル調整の平均再投影誤差及び内部パ

DSM 画像の位置あわせは,(1) と同様の方法で設定した GCPs を用いて行った.

(3) 土壌体積含水率の推定方法

6月27日に地上計測した土壌体積含水率を目的変数とする回帰式を導出した (式 5-1). 説明変数には UAV 撮影データからえた赤色波長帯反射率と地表面高低差を採用した.前 者は土壌の種類や水分量によって値が変動すること76),後者は排水性に関与する77)と考 えられることから,対象とする土壌の土壌体積含水率を推定するためにはこれらを組みあ わせることが有効であると考えた.反射率はほかの波長帯を用いることも考えられるが,

将来的に RGB 画像のみで本手法を実行できること,一般的に土壌反射率は緑色よりも赤 色の方が土壌の種類や含水量に対して変動量が大きいことを考慮して赤色波長帯を選択し た.計測点における赤色波長帯反射率は,計測点を中心とした畝方向2 m (収量調査範囲),

横幅1.6 m (畝間の2倍) の矩形に含まれる反射率画像の画素値を平均して求めた.地表面

高低差は同矩形に含まれる DSM 最大画素値から最小画素値を引くことで求めた.

359 . 33 362

. 44 327

.

114    

RED HDIF

SWC5-1

ここで,SWCRED 及び HDIF はそれぞれ,土壌体積含水率 (m3m-3),赤色波長帯反 射率及び地表面高低差 (m) である.

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