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S感

第3節  本研究の限界と今後の課題

 本調査の対象とした自治体は,平成16年度及び同17年度に合併した団体である。

平成の合併は,平成11年度から約10年にわたり実施されており,合併時期による差 を統制するため,8割以上の合併が集中した当該両年度の合併自治体を対象にしたも のである。そのため,合併後7〜8年が経過した時点での職員の職務意欲やメンタルヘ ルスの状況について検討したことになる。仲村(2007)が 職場風土の大きく異なる 2市が合併してひとつの組織となった湖東京市では,合併後から徐々に長期病休・休 職者が増え,合併4年後の2006年にピークに達した と述べているように,合併後 の経過年数によって職員や職場の状況が異なり,対応策についても変化していくもの と推測される。特に,Figure l市町村合併前後の職務意欲の変化などは,回答結果が 時期によって一定程度変動するものと思われる。そこで,例えば合併直後,5年後,

10年後といったように縦断的に調査を行えば,経過年数ごとの比較が可能になり,時 期に応じたより細やかな対応の検討が可能となる。

 次に今回の調査に際して,全国多数の自治体に依頼することを優先し,1自治体あ たりについては少数の対象職員としたため,職種の指定を行っていない。自治体職場 には,いわゆる事務職の他,水道や土木関係等の技術職,福祉・保健関係や保育等の 専門職,幼稚園教諭の教育職,現業関係の技能労務職等,多数の職種が存在している。

当然ながら,職種によって職務内容は異なり,職場環境や住民対応等にも大きな違い が生じる。それら職種によって,合併による影響度合いに差異が生じていたことが予 想されるが,職種を分けての調査は実施されていない。

 また,合併後においても旧自治体の庁舎施設を 支所 等として庁舎機能を存続さ せる例が見受けられる。職務意欲に否定的な影響を与えた要因として自由記述欄に記 載された「本庁舎と支所間の業務量の不均衡」のように,勤務場所によって合併後の 職員の意識が左右されることも十分に想像される。しかしながら,1自治体あたりの 依頼人数の都合により勤務場所の調査には至っていない。

 最後に,合併の形態として新設合併と編入合併があり,前者が対等合併,後者が吸 収合併とも呼ばれている。今回の調査は,新設合併を対象として行ったものであるが,

編入合併の場合は新設合併と異なる結果になったかも知れない。編入する自治体の職 員と編入される自治体の職員の意識差は大きいものと推測されるからである。両者か

らの回答が得られるならば,違った視点からの検討が可能となるかも知れない。

 一口に合併と言っても,幅広い視点や調査項目が考えられ,今回の研究は合併後の 職員の意欲とメンタルヘルスの一部分についての検討に過ぎないものである。合併後 の自治体職場における平均的な課題の検討であり,課題提起の域を出なかった感覚を 覚える。合併後の全国多団体の職員に焦点をあてた初めての調査としては,有意義で あったと考えるが,今後に実施される市町村合併のためには,前述の課題に対応出来 得るような,より詳細な調査が求められる。

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文 献

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謝 辞

 本論文は,多くの方々のお力添えを賜り書き終えることができました。巻末ながら,

心からお礼申し上げます。

 はじめに,岩井圭司先生には2年間にわたりゼミでの指導を含め,本当にお世話に なりました。論文執筆の基礎知識や研究方法もわからない状態で,また自分で決めた 研究テーマが臨床心理学領域に馴染むのかどうか心配をした時期もありましたが,岩 井先生の幅広い識見のお蔭で,最後まで興味と関心を失うことなく論文に向き合うこ とができました。また,臨床心理学コースの諸先生方にも中間発表に際して,多くの ご助言を賜りました。特に,冨永良喜先生,中村菜々子先生にはコメントに合わせて 励ましを賜り,前向きな気持ちにさせていただきました。

 同じゼミでお世話になりました博士課程の福井梓さんには特に分析関係について,

何度も照会をいたしましたが,その都度,丁寧に教示いただき,とても心強い先輩で した。そして,同じコースの甲賀康壽さんや足立和人さんには,若い院生が多い中に あって中高年の同世代であり,度々情報交換や意見交換をさせていただきました。と ても頼もしい存在でした。

 調査をお願いした全国の合併自治体100団体の人事担当部局の方々をはじめ,実 際に回答いただいた職員の方々には,年度初めの忙しい時期にもかかわらず暖かい協 力を賜り,7割を超える回答を寄せていただきました。また,事前の調査としてアン ケート調査をお願いしました地元,加東市役所の職員の方々,そして私の出身組織で ある丹波市役所の職員の方々には,依頼人数のほぼ全員から回答をいただき,調査を 始める時期において心強い気持ちを覚えました。多くの自治体職員の方々のご協力を 得られましたこと,感謝の気持ちでいっぱいです。

 最後に,私が職に就かない状態であるにもかかわらず,何も言わずに2年間通学さ せてくれた妻,そして家族に心から感謝します。

 皆様,ありがとうございました。

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資料関係

平成24年2月6日

兵庫県○○市 人事担当課長 様

兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 人間発達教育専攻 臨床心理学コース

 調査者 修士課程1年芦田善也

 指導教員  教授 岩井圭司  調査者連絡先

 e−mail : m llO52k@hyogo u.ac.jp

市町村合併後の職務意識についての調査(予備調査)のお願い

 厳寒の候、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

 お忙しい中、調査回答のお願いをさせていただき恐縮でございますが、貴市役所のご 協力を賜りたく何卒よろしくお願い致します。

 この調査は、市町村合併後の自治体職員の職務意識について職場の特性と個人の特性 の両面から調べるための予備調査として行うものです。当予備調査では、職務意欲に 影響すると思われます職場特性にっきまして適切な質問項目を設定することをねらい としておりますため、ご回答いただきました結果について自治体や個人が特定される ことは決してございません。また、5分程度で記入いただける内容です。

 つきましては、貴市役所職員の皆様に回答いただき、同封の返信用封筒により直接 ご返送願えればと考えております。(30人分の調査用紙と返信用封筒を準備させていた だいております)

 厚かましいお願いをさせていただきますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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