3 認証技術の標準化動向
3.2. 暗号クレデンシャルとハードウェアトークン
3.2.1 暗号クレデンシャルの標準
暗号クレデンシャルに関連した標準は非常に多く存在する。以下のような分 類が考えられる。標準化に関連する団体も多岐にわたり、その関係がわかりづ らい。それぞれの標準化団体は、それぞれ視点で標準化作業を行っている。以 下にその分類を示す。
(1) ハードウェアトークンなどの暗号クレデシャルの格納媒体との物理的 I/F
接触型ICカードの規格であるISO/IEC7816[29] [30] [31] [32] [33] [34] [35]
[36] [37] [38] [39] [40] [41] が代表的な仕様であるが、色々なハードウェアト ークンが出現する中、それぞれ異なった物理的I/Fを持っている。
(2) ハードウェアトークンなどの暗号クレデシャルの格納媒体との論理的 I/F
接触型ICカード以外の、新しいハーウェアトークンでも、7816-4、8[33] [34]
[41] といった仕様を継承している場合が多い。
(3) 暗号クレデンシャルをアクセスするAPI
色々なレベルの暗号クレデンシャルのアクセスを仮想化したAPIが存在す る。色々な暗号クレデンシャルの方針が出現する中、これらの暗号クレデンシ ャルを意識することなく使用できるAPIは重要な役割を果たす。
(4) 高水準暗号クレデンシャルAPI
PKCS#11[24] 、Cryptographic API[25] などが汎用的な暗号クレデンシャ ルのI/Fを扱うAPIであるのに対して、目的を絞った高水準のAPIがある。
(5) 暗号クレデンシャルを交換するデータフォーマット
暗号クレデンシャル(証明書や鍵)をセキュアに配送するためのデータフォ ーマットの標準がある。
(6) クレデンシャルの暗号化
暗号クレデンシャルをハードディスク上に格納する場合の暗号化の標準が ある。
(7) クレデンシャルフォーマット
暗号クレデンシャルを扱うアプリケーションは、ハードウェアトークンに暗 号クレデンシャルを格納する場合、そのファイルレイアウトを知る必要がある。
この暗号クレデンシャルのファイルフォーマットの標準化がある。
(8) 暗号クレデンシャルとのローミングプロトコルなど
暗号クレデンシャルをローミングサーバーに置く場合、署名者の環境へロー ミングサーバーから暗号クレデンシャルを取得するセキュアなプロトコルが必 要になる。
(9) セキュリティ評価・認定
クレデンシャルを扱うハードウェアやソフトウェアは、その性格から高いセ キュリティが要求される。そのためにセキュリティ評価や認定のフレームワー クが必要になる。
(10) 暗号クレデンシャルを中心としたフレームワーク
特定のアプリケーションから独立した暗号クレデンシャルを中心としたフレ ームワークがある。
図 3-6、図 3-7に暗号クレデンシャル関係の標準の関係を、標準の一覧を表 3-5に示す
ハードウェア トークンなど
ユーザ端末(PCなど)
ハードウェアトークン ドライバ
セキュリティアプリケーション アプリケーション
ヒューマン インターフェース
ハードウェアトー クン内の クレデンシャル フォーマット ハードウェア トークンはア リスが保持 する。
ドライバレベルAP I P KC S #11, MS C ryptoAP I
高水準AP I BS Iなど
7816 P KC S #15 など
図 3‑ 6 暗号クレデンシャルに関する標準の関係( 1)
ユーザ端末(PCなど)
アプリケーション
暗号 クレデンシャル
暗号クレデンシャル P KC S #12 パスワードによる クレデンシャルの 暗号化
P KC S #5 アリスのクレデンシャ
ルがP C などのユーザ 端末に置かれる場合。
パスワード
図 3‑ 7 暗号クレデンシャルに関する標準の関係( 2)
表 3‑ 5 暗号クレデンシャルに関連した標準 標 準 カ テ ゴ
リ
標準 標準の概要
物理的I/F ISO/IEC7816[29] [30] [31]
[32]
ISO/IEC10536 [83] [84] [85]
ISO/IEC14443[86] [87] [88]
[89]
ISO/IEC15693[90] [91] [92]
色 々 な ハ ー ド ウ ェ ア ト ー ク ン が 出現する中、ハードウェアトーク ンとのI/Fの種類も増えている。
論理的I/F カ ー ド エ ッ ジI/F
ISO/IEC7816-4[33] [34]
ISO/IEC7816-8[41]
接触型の IC カードの仕様である 7816 のデータフォーマットは、
接触型 IC カード以外でも広く使 用されている。
API PKCS#11[24]
Microsoft Cryptography API[25]
Java JCE[21]
多 く の ア プ リ ケ ー シ ョ ン は 、 PKCS#11、Cryptography APIな どといった API を介して暗号ク レデンシャルをアクセスする。代 表 的 な も の に 、PKCS#11、MS Cryptography APIがある。
高水準 API GSC-IS BSI[101]
GSSAPI ク レ デ ン シ
ャル
交 換 フ ォ ー マット
PKCS#12[19] 認 証 局 が 証 明 書 ユ ー ザ ー の 鍵 生 成などを行う場合において IC カ ードで
ク レ デ ン シ ャルの 暗号化
PKCS#5(RFC2898)[20] パスワードでの暗号化
暗号
ク レ デ ン シ ャル
フ ォ ー マ ッ ト
PKCS#15[18]
ISO/IEC7816-15(審議中)
ハ ー ド ウ ェ ア ト ー ク ン の 中 の フ ォーマットの標準
ローミング プロトコル
RFC3157など[22] [23] RFC3157 は暗号クレデンシャル に 対 す る ロ ー ミ ン グ の 要 件 の Information RFCであり、プロト コル自体ではない。
セ キ ュ リ テ ィ
評価・認定
FIPS140[94] [95]
ISO/IEC15408[96] [97] [98]
SSCD[99] [100]
Federal Information Processing Standards
SSCD(Secure Signature Creation Device)
フ レ ー ム ワ ーク
GSC-IS[101]
OSCIE [102]
GSC-IS(Government Smart Card Interoperability Specification)
OSCIE(Open Smart Card Infrastructure for Europe)