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(IFRS 第 9 号「金融商品」 )

【はじめに】

 本開示例は、「Ⅰ.はじめに-2.本開示例について-(2)本開示例の特徴」に記 載のとおり、原則として、2016 年 3 月 31 日時点で強制適用されている IFRS に基づ いて作成している。

 この前提を IFRS の金融商品会計基準に当てはめると、IAS 第 39 号「金融商品:認識 及び測定」が強制適用されている基準となるが、IAS 第 39 号は、次のとおり、IFRS 第 9 号「金融商品」へと段階的に移管する改訂が行われてきた。

 IFRS 第 9 号(2009 年):金融資産の分類及び測定について改訂(2009 年 11 月 公表)

 IFRS 第 9 号(2010 年):IFRS 第 9 号(2009 年)に加えて、主に金融負債の分 類について改訂(2010 年 10 月公表)

 IFRS 第 9 号(2013 年):IFRS 第 9 号(2010 年)に加えて、主にヘッジ会計に ついて改訂(2013 年 11 月公表)

 IFRS 第 9 号(2014 年):IFRS 第 9 号(2013 年)に加えて、金融資産の分類及 び測定の一部並びに減損について改訂(2014 年 7 月公表)

(※)2014 年 7 月の IFRS 第 9 号の公表をもってその改訂作業が完了している。

 我が国の IFRS 任意適用企業においては、IFRS 第 9 号(2010 年又は 2013 年)を早期 適用している例が本開示例公表時点において多く見られる。また、IAS 第 39 号は、

ヘッジ会計を除き、2018 年 1 月 1 日以後開始する事業年度から廃止されることとな る。以上を踏まえ、本開示例では、IFRS 第 9 号(2013 年)の早期適用を前提として 作成している。

 一方で、IFRS 第 9 号(2014 年)は 2018 年 1 月 1 日以後開始する事業年度から適用 され、早期適用も認められている(IFRS 第 9 号(2014 年)7.1.1 項)ことから、以 下において、IFRS 第 9 号(2014 年)の減損規定を適用した場合の、IFRS 第 7 号「金 融商品:開示」における開示規定を示している。

(1)損失評価引当金

 IFRS 第 7 号によれば、IFRS 第 9 号に従ってその他の包括利益を通じて公正価値で測 定する金融資産の帳簿価額は、損失評価引当金を減額せず、損失評価引当金を財政 状態計算書において金融資産の帳簿価額の減額として独立表示してはならないが、

損失評価引当金を財務諸表注記において開示しなければならない(16A 項)。

(2)信用リスク

【信用リスク管理実務】

 IFRS 第 7 号によれば、信用リスク管理実務並びにそれが予想信用損失の認識及び測 定にどのように関連するのかという観点で、次の事項を開示しなければならない

(35F 項)。

(a) 金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大したのかどうかをどのよ うに判定したのか。これには、以下に該当するのかどうか及びどのように該当 するのかが含まれる。

(ⅰ) 金融商品が IFRS 第 9 号に従って信用リスクが低いと考えられる

(ⅱ) IFRS 第 9 号における、金融資産が 30 日超の期日経過である場合には、当 初認識以降の信用リスクの著しい増大があるとする推定が反証された

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(b) 企業による債務不履行の定義(その定義を選択した理由を含む)

(c) 予想信用損失を集合的ベースで測定した場合には、金融商品をどのようにグル ープ分けしたのか

(d) 金融資産が信用減損した金融資産であることをどのように判定したのか (e) 直接償却の方針(回収の合理的な見込みがないという兆候及び直接償却したが

依然として履行強制活動の対象とする金融商品に係る方針に関する情報を含 む)

(f) IFRS 第 9 号における金融資産の契約上のキャッシュ・フローの改変に関する規 定をどのように適用したのか(以下を含む)

(ⅰ) 損失評価引当金が全期間の予想信用損失に等しい金額で測定されていた 間に条件変更された金融資産に係る信用リスクが、損失評価引当金が IFRS 第 9 号に従って 12 か月の予想信用損失に等しい金額で測定されると ころまで戻る程度に改善したという判断

(ⅱ) (i)の要件に該当する金融資産に係る損失評価引当金が、どの程度、そ の後に IFRS 第 9 号に従って全期間の予想信用損失に等しい金額で再測定 されるのかの監視

 さらに、IFRS 第 9 号の減損の規定を適用するために用いるインプット、仮定及び見 積りについて、次の事項を開示しなければならない(35G 項)。

(a) インプット及び仮定の基礎並びに以下のために使用する見積技法 (ⅰ) 12 か月及び全期間の予想信用損失の測定

(ⅱ) 金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大したのかどうかの判 定

(ⅲ) 金融資産が信用減損金融資産なのかどうかの判定

(b) 将来予測的な情報を予想信用損失の算定にどのように織り込んだのか(マクロ 経済情報の使用を含む)

(c) 報告期間中に行った見積技法又は重要な仮定の変更及び当該変更の理由

【予想信用損失から生じた金額に関する定量的情報及び定性的情報】

 IFRS 第 7 号によれば、金融商品のクラス別に、損失評価引当金の期首残高から期末 残高への調整表を、表形式で、以下についての当期中の変動を区分して、提供しな ければならない(35H 項)。

(a) 12 か月の予想信用損失に等しい金額で測定した損失評価引当金

(b) 以下について、全期間の予想信用損失に等しい金額で測定した損失評価引当金 (ⅰ) 信用リスクが当初認識以降に著しく増大したが、信用減損金融資産では

ない金融商品

(ⅱ) 報告日時点で信用減損している(ただし購入又は組成した信用減損金融 資産ではない)金融資産

(ⅲ) IFRS 第 9 号の単純化したアプローチに従って測定される営業債権、契約 資産又はリース債権

(c) 購入又は組成した信用減損金融資産(調整表に加えて、当報告期間中に当初認 識した金融資産に係る当初認識時の割引前の予想信用損失の合計額を開示しな ければならない)

 当期中の金融商品の総額での帳簿価額の著しい変動が、損失評価引当金の変動にど のくらい寄与したのかの情報を、35H 項(a)から(c)に列挙した損失評価引当金を表す 金融商品について区分して提供しなければならない。損失評価引当金の変動に寄与

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した金融商品の総額での帳簿価額の変動には、次のものが含まれる場合がある(35I 項)。

(a) 当報告期間中に組成又は購入した金融商品による変動

(b) 金融資産に係る契約上のキャッシュ・フローの条件変更のうち IFRS 第 9 号に 従って当該金融資産の認識の中止を生じないもの

(c) 当報告期間中に認識の中止が行われた金融商品(直接償却されたものを含む)

による変動

(d) 損失評価引当金が 12 か月の予想信用損失と全期間の予想信用損失のどちらに 等しい金額で測定されるのかによって生じた変動

 認識の中止を生じない金融資産に係る契約上のキャッシュ・フローの条件変更の内 容及び影響に関して、次の事項を開示しなければならない(35J 項)。

(a) 当期中に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定してい た間に契約上のキャッシュ・フローの条件変更が行われた金融資産について、

条件変更前の償却原価及び認識した条件変更による利得又は損失

(b) 当初認識以降に損失評価引当金が全期間の予想信用損失で測定されていた時 に条件変更され、当報告期間中に損失評価引当金が 12 か月の予想信用損失に等 しい金額に変化した金融資産について、報告期間の末日現在の総額での帳簿価 額

 担保及び他の信用補完が予想信用損失から生じる金額に与える影響に関して、金融 商品のクラス別に以下を開示しなければならない(35K 項)。

(a) 当報告期間の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーを、保有す る担保又は他の信用補完を考慮に入れずに、最もよく表す金額

(b) 保証として保有している担保及び他の信用補完の説明的な記述(以下を含む)

(ⅰ) 保有している担保の内容及び質の記述

(ⅱ) 悪化の結果としての当該担保若しくは信用補完の質の著しい変化又は当 報告期間中の担保方針の変動の説明

(ⅲ) 担保があることにより企業が損失評価引当金を認識しなかった金融商品 に関する情報

(c) 報告日時点で信用減損している金融資産について、保証として保有している担 保及び他の信用補完に関する定量的情報

 当報告期間中に直接償却して依然として履行強制活動の対象としている金融資産の 契約上の未回収残高を開示しなければならない(35L 項)。

【信用リスク・エクスポージャー】

 信用リスク格付けごとに、金融資産の総額での帳簿価額並びにローン・コミットメ ント及び金融保証契約に係る信用リスクに対するエクスポージャーを、以下の金融 商品について区分して開示しなければならない(35M 項)。

(a) 損失評価引当金を 12 か月の予想信用損失に等しい金額で測定している金融商 品

(b) 損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定していて、以下に 該当する金融商品

(ⅰ) 信用リスクが当初認識以降に著しく増大したが、信用減損金融資産では ない金融商品

(ⅱ) 報告日時点で信用減損している金融資産(ただし購入又は組成した信用 減損金融資産ではない)

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(ⅲ) IFRS 第 9 号の単純化したアプローチに従って測定される営業債権、契約 資産又はリース債権(引当マトリクスを基礎とする情報により提供するこ とができる(35N 項))

(c) 購入又は組成した信用減損金融資産

 IFRS 第 9 号の減損の規定が適用されないすべての金融商品について、金融商品のク ラス別に次の事項を開示しなければならない(36 項)。

(a) 報告期間の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーを、保有する 担保及びその他の信用補完は考慮に入れずに、最もよく表す金額

(b) 担保として保有する物件及びその他の信用補完の説明、並びに信用リスクに対 する最大エクスポージャーを最もよく表す金額に関してのそれらの財務的影響