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【はじめに】

 IAS 第 40 号「投資不動産」によれば、投資不動産について、公正価値モデルを適用 しているのか、原価モデルを適用しているのか開示しなければならないとされてい る(75 項(a))。モデルの選択については、「Ⅲ.連結財務諸表注記-3.重要な会計 方針-(11)投資不動産」に記載することを前提としている。

 本開示例では、原価モデルを適用している場合における例を記載している。

 なお、IAS 第 40 号によれば、公正価値モデルを適用する場合における開示規定とし て以下が規定されている。

 投資不動産の期首と期末の帳簿価額の調整表(76 項)

 投資不動産について入手した評価額を財務諸表の目的で大幅に修正している場 合には、入手した評価額と財務諸表に計上した修正後評価額との調整表(77 項)

(1)投資不動産の帳簿価額の調整表

 IAS 第 40 号によれば、原価モデルを適用している企業は、次の事項を開示しなけれ ばならないとされている(79 項)。

(c) 期首及び期末の帳簿価額(減価償却累計額控除前)及び減価償却累計額(減損 損失累計額を合算)

(d) 期首と期末の投資不動産の帳簿価額の調整表(以下を示す)

(ⅰ) 増加額(取得により生じた増加額と資産として認識した後の支出に伴う 増加額を区分する)

(ⅱ) 企業結合を通じた取得による増加

(ⅲ) IFRS 第 5 号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って 売却目的保有に分類した資産又は処分グループに含めた資産及びその他 の処分

(ⅳ) 減価償却額

(ⅴ) 当期中に認識した減損損失及び戻し入れた減損損失

(ⅵ) 財務諸表を異なる表示通貨に換算すること及び在外営業活動体を報告企 業の表示通貨に換算することにより生じた正味の為替換算差額

(ⅶ) 棚卸資産及び自己使用不動産への振替及びそれらからの振替 (ⅷ) その他の変動

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【表 15-1】投資不動産の帳簿価額の調整表

(説明)

○ IAS 第 40 号 79 項(d)では、期首及び期末の調整表を開示する対象である「帳簿価額」

が、償却累計額及び減損損失累計額を控除する前の総額であるか、減価償却累計額及 び減損損失累計額を控除した後の純額であるかは示されていない。

○ ここでは、減価償却累計額及び減損損失累計額を控除する前の帳簿価額(取得原価と 表記している)、並びに、減価償却累計額及び減損損失累計額について、上記(1)に 記載した IAS 第 40 号 79 項(c)及び(d)の規定に基づき、期首及び期末の調整表の例を 以下に示している。

○ その上で、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した純額である帳 簿価額についても開示するとともに、下記(2)に記載する IAS 第 40 号 79 項(e)の規 定に基づき、投資不動産の公正価値を開示する例を示している。

(単位:百万円)

取得原価 自 2014 年 4 月 1 日 至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日 期首残高

個別取得

企業結合による取得 処分

在外営業活動体の外貨換算差額 その他

期末残高

(単位:百万円)

減価償却累計額及び 減損損失累計額

自 2014 年 4 月 1 日 至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日 期首残高

減価償却

純損益に認識した減損損失

純損益に認識した減損損失の戻入れ 処分

在外営業活動体の外貨換算差額 その他

期末残高

(単位:百万円)

2015 年 3 月 31 日 2016 年 3 月 31 日 帳簿価額

公正価値

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(2)投資不動産の公正価値

 IAS 第 40 号によれば、原価モデルを採用している企業は、投資不動産の公正価値を 開示することとされている(79 項(e))。

 IFRS 第 13 号「公正価値測定」によれば、財政状態計算書において公正価値で測定さ れていないが、公正価値が開示されている資産について、次の情報を開示しなけれ ばならないとされている(97 項)。

 公正価値ヒエラルキーのレベル(レベル 1、2 又は 3)

 公正価値ヒエラルキーのレベル 2 及びレベル 3 に区分される公正価値測定につ いて、公正価値測定に用いた評価技法とインプットの説明。評価技法に変更が あった場合には、その変更の旨及び変更の理由

 非金融資産の最有効使用が現在の用途と異なる場合には、その旨及びその理由

(3)投資不動産からの収益及び費用

 IAS 第 40 号によれば、以下について純損益に認識した金額を開示しなければならな いとされている(75 項(f))。

(ⅰ) 投資不動産からの賃貸料収益

(ⅱ) 当期中に賃貸料収益を生み出した投資不動産から生じた直接営業費(修繕及 び維持費を含む)

【表 15-2】投資不動産からの収益及び費用

(説明)

○ 上記 IAS 第 40 号 75 項(f)の規定に基づき、投資不動産からの収益及び費用を表形式に より開示する例を以下に示している。

(単位:百万円)

自 2014 年 4 月 1 日 至 2015 年 3 月 31 日

自 2015 年 4 月 1 日 至 2016 年 3 月 31 日 賃貸料収益

直接営業費

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