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芸
―‑ 45 ‑―
自然科学的分析
イネ
A地
点4
A地
ヒエ属型点6
ス ス キ属型
A地
点9
イネ
A地
点6
メダケ節型
A地
点10
λ竜員 ザ孔節型
図
39
植物珪酸体顕微鏡写真イネ
A地
点6
A地
ヨシ属点10
ネザサ節型
A地
点7
海綿骨針
A地
点11 ‑―
――‑50μ m
型 属 3 ザサ マ点 地 ク C
文 献
杉 山真二・松田隆二・藤原宏志 (1988)機動細胞珪酸体の形態 によるキビ族植物の同定 とその応用―古代農耕追究のための基礎資料 として一。考古学 と 自以ψ伴学, 20, p.81‑92.
杉 山真二 (2000)植 物珪酸体 (プラン ト・ォパール)。 考古学 と植物学。同成社,p.189‐213.
藤原宏志 (1976)プ ラント・ォパール分析法の基礎的研究 (1)一 数種 イネ科栽培植物の珪酸体標本 と定量分析法―.考古学 と自然科学,9,p.15‐29.
藤原宏志・杉 山真二 (1984)プ ラント・オパール分析法の基礎的研究 (5)― プラント・オパール分析による水田址の探査―.考古学 と自然科学,17,p.73・85.
キ ビ族 型
D地
点3
―‑ 46 ‑―
花粉分析
3。
花粉分析
帥古環境研究所
a。 は じめ に
花粉分析 は、一般に低湿地の堆積物 を対象 として比較的広域な植生。環境の復原に応用 されてお り、遺跡調査 においては遺構内の堆積物などを対象 とした局地的な植生の推定 も試み られている。花粉などの植物遺体は、水 成堆積物では保存状況が良好であるが、乾燥的な環境下の堆積物では分解 されて残存 していない場合 もある。
b.試
料試料 は、
A地
点か ら採取 された6点
、C地
点か ら採取 された2点
、D地
点か ら採取 された2点
の計10点である(図37)。 試料採取箇所 を分析結果の柱状図に示す。
c.方
法花粉粒の分離抽出は、中村 (1973)の 方法 をもとに、以下の手順で行 った。
1)5%水
酸化 カリウム溶液 を加 えて15分間湯煎2)水
洗処理の後、0.5mmの飾で礫 などの大 きな粒子 を取 り除 き、沈澱法で砂粒 を除去3)25%フ
ッ化水素酸溶液を加 えて30分放置4)水
洗処理の後、氷酢酸 によって脱水 してアセ トリシス処理 を施す5)再
び氷酢酸を加えて水洗処理6)沈
澄 に石炭酸 フクシンを加 えて染色 し、グリセ リンゼ リーで封入 してプレパ ラー ト作成7)検
鏡・計数検鏡 は、生物顕微鏡 に よって300〜 1000倍 で行 った。花粉 の 同定 は、 島倉 (1973)お よび中村 (1980)を ア ト ラス として、所有 の現生標本 との対比 で行 った。結果 は同定 レベ ルに よって、科 、亜科 、属、亜属 、節 お よび種 の階級 で分類 し、複数の分類群 にまたが る ものはハ イ フン(―
)で
結 んで示 した。イネ属 につ いて は、中村 (1974、1977)を
参考 に して、現生標本 の表面模様 。大 きさ。孔 。表層断面の特徴 と対比 して同定 しているが、個体変化 や類似種 があることか らイネ属型 とした。d。 結 果
(1)分
類群出現 した分類群 は、樹 木花粉31、 樹 木花粉 と草本花粉 を含 む もの3、 草本花粉20、 シダ植物胞子
2形
態 の計56 である。分析結果 を表1に示 し、花粉 数が100個 以上計数 された試料 につ いて は花粉 総 数 を基 数 とす る花粉 ダイ アグラム を示 した。主要 な分類群 について顕微鏡写真 を示す (図39)。〔樹木花粉〕マキ属、モ ミ属、 ツガ属、マツ属複維管束亜属、スギ、 コウヤマキ、イチイ科 ―イヌガヤ科 ―ヒノキ科、ヤマモモ属、 ク ル ミ属、サワグル ミ、ノグル ミ、ハ ンノキ属、カバノキ属、クマシデ属 ―アサダ、クリ、シイ属、ブナ属、コナラ属 コナラ亜属、 コナ ラ属アカガシ亜属、ニレ属 ―ケヤキ、エノキ属―ムクノキ、アカメガシワ、サ ンショウ属、キハダ属、モチノキ属、カエデ属、
トチノ キ、ブ ドウ属、 ツタ、ニワ トコ属 ―ガマズ ミ属、イスノキ属
〔樹木花粉 と草本花粉 を含むもの〕 クワ科 ―イラクサ科、マメ科、ウコギ科
〔草本花粉〕ガマ属 ―ミクリ属、オモダカ属、イネ科、イネ属型、 カヤツリグサ科、イボクサ、 ミズアオイ属、 タデ属サナエ タデ節、
ソバ属、アカザ科 ―ヒユ科、ナデシコ科、アブラナ科、アリノ トウグサ属 ―フサモ属、チ ドメグサ亜科、セリ亜科、シソ科、ゴキヅル、
タンポポ亜科、キク亜科、 ヨモギ属
〔シダ植物胞子〕単条溝胞子、三条溝胞子
―‑ 47 ‑―
自然科学的分析
(2)花
粉群集 の特徴:)A地
点 (図40①
)9層
では、草本花粉 よりも樹木花粉の占める割合が高い。樹木花粉では、 コナラ属アカガシ亜属が優 占し、コ ナラ属 コナラ亜属、 シイ属、スギなどが伴われる。草本花粉では、イネ科 (イネ属型 を含む)が
優 占し、 ヨモギ 属、 カヤツリグサ科、ガマ属 一ミクリ属、オモダカ属などが伴われる。8層
では、イネ科 (イネ属型 を含む)の
占める割合が増加 し、 ヨモギ属は減少 している。
6層
では、花粉密度がやや低 く、草本花粉ではイネ科 (イネ属 型を含む)の
割合が増加 してお り、樹木花粉ではコナラ属 コナラ亜属が増加 している。5層
ではイネ科のうちイ ネ属型の占める割合が増加 してお り、4c層
ではソバ属が出現 している。4a層
では草本花粉の占める割合が増 加 し、樹木花粉 と草本花粉の割合は、ほぼ同程度 となっている。草本花粉ではイネ科や ヨモギ属の割合が増加 し、樹木花粉ではコナラ属アカガシ亜属やスギが減少 している。
2)C地
点11層では、花粉がほとんど検出されなかった。10層では、イネ科、アブラナ科、オモダカ属 などが検出された が、いずれ も少量である。
3)D地
点 (図40②)9層
では、花粉密度が比較的低 く、樹木花粉 よりも草本花粉の占める割合が高い。草本花粉では、イネ科やヨ モギ属が優 占し、キク亜科、カヤツリグサ科、アブラナ科などが伴われる。樹木花粉では、コナラ属アカガシ亜 属、コナラ属 コナラ亜属、シイ属、クリが出現する。8層
で も同様の分類群が出現するが、いずれ も少量である。e.花
粉 分 析 か ら推 定 され る植 生 と環 境縄文時代 とされる11層お よび縄文時代〜弥生時代 とされる10層については、花粉がほとんど検出されないこと か ら、植生や環境の推定は困難である。花粉が検出されない原因としては、乾燥 もしくは乾湿を繰 り返す堆積環 境下で花粉 などの有機質遺体が分解 されたことなどが考えられる。
縄文時代〜弥生時代 とされる
9層
か ら弥生時代前期 とされる8層
にかけては、 ヨモギ属、イネ科、カヤツリグ サ科 などの草本が生育する比較的乾燥 した環境であったと考えられ、周辺ではオモダカ属が生育するような水湿 地 も見 られたと推定 される。 また、同層準ではイネ属型の花粉が認められることから、調査地点 もしくはその周 辺で稲作が行われていたことが考えられる。 これは、植物珪酸体分析 (前掲)に
より、同層準か らイネが出現 し ていることと符合 している。森林植生 としては、周辺地域にカシ林 (コナラ属 アカガシ亜属)を
主に、シイ林 (シイ属)、 ナラ林 (コナラ属 コナラ亜属)、 スギ林などで構成 される多様な森林が分布 していたと推定 される。
古墳時代 とされる
6層
か ら古代 とされる5層
にかけては、稲作が本格化 したと考えられ、中世 とされる4c層
か ら
4a層
にかけても継続的に稲作が行われていたと推定 される。 また、4c層
の時期には、ソバなどを栽培す る畑作 も行われていたと考えられる。周辺地域の森林植生は、大 きく変遷することはなかったと考えられるが、中世 とされる
4a層
にかけてはマツ林やクリ林がやや増加 し、カシ林は減少 したと推定 される。なお、花粉分析では植物珪酸体分析で多産 したタケ亜科が把握 されていないが、これは竹笹類が数十年に一度 しか開花 しないことや、花粉ではイネ科の細分が困難なことに起因している。
文 献
金原
正明 (1993)花 粉分析法による古環境復原.新版古代の 日本第 10巻 古代資料研究の方法,角川書店,p.248‑262.
島倉 巳三郎 (1973)日 本植物の花粉形態。大阪市立 自然科学博物館収蔵 目録第5集 ,60p.
中村
純 (1973)花 粉分析.古今書院,p.82‑110.
中村
純 (1974)イ ネ科花粉 について、 とくにイネ (Oryza sativa)を 中心 として。第四紀研究,13,p.187‑193.
中村
純 (1977)稲 作 とイネ花粉.考古学 と自然科学,第10号,p21‑30.
中村
純 (1980)日 本産花粉の標徴。大阪 自然史博物館収蔵 目録第 13集,91p
―‑ 48 ‑―
花粉 分析
表
4
花粉分析 結果分類群 ̲̲̲̲̲― 一 A地 点 ̲̲̲ C地 点 D地 点 学 名 和 名 ̲̲
Taxaceae― Cephalotaxaxeae―Cupressaceac イチイ科 ―イ ヌガヤ科 ―ヒノキ科 渤 ο7‐
Pi""s らg .Dノοッ′●4
Cψ"″″′ノζ′ο″j
S鷹′″qガリsッ´″Jαrra′α ルタガ
I撼い
Prer● ック所ο¨″ク
Praν ッas′″らjレσ′′
C′ψj″"‐6な′ックノηοガCa
O″″ ●′bgω■″jあらαl
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Cdis‐APλa′″ 訪′ 賀′´′α 施 ″ο訥 ″ i Z4z″り 勧 コα
Aω ルs″/bj″′ra
L諄dnosae
樹木花粉 マキ属 モ ミ属 ツガ属 マツ属複維管束亜属 スギ
コウヤマキ
ヤマモモ属 クル ミ属 サワグル ミ ノグル ミ ハンノキ属 カバノキ属 クマシデ属―アサダ ク リ
シイ属 ブナ属 コナラ属コナラ亜属 ニ レ属―ケヤ キ エ ノキ属―ムクノキ アカ メガ シ ワ サ ンシ ョウ属 キハ ダ属 モチ ノキ属 カ エデ属
トチノキ ブ ドウ属 ツタ
ニワトコ属―ガマズミ属 イスノキ属 樹木・草本花粉
クワ科―イラクサ科 マメ科 ウコギ科
1
1
7 13 8 3 23 26
1
1 10 4
1
1
1 1 2 1 2 2 5 3 8 11 6 10 5 23 50 42 1 1 3 28 66 6〕
26 100 03
1 1 1 1 1
1
1
1
3 5 1 10
1
5 3 1
5
10
2
10
1
0 鮮¨ S bgtt Cỳ′οb̀レ″sis コナ ラ属 アカガ シ亜属
1 5
1
3 0 1 6 3 11 34 24 1 1 18 33 31 11 104 130
2
2 3 4 1
1
1
4 4
5
11 1
ツ Йα 'arg′
″ Sagi″ari′
Cramineae θ7yz′炒̀
わ ″g・Z"Saル バicaガ´ Chenopodiaceae‐ Amarallthaceae CaryoPhyllaCeae
Cruc」睦rae
″″あ″ゴS‐Myだ 叩りJra Hydrocotyloideae Apioideae Lbiatae
Asteroideae
草本花粉 ガマ属 ―ミク リ属 オ モダカ属 イネ科 イネ属型 カヤ ツ リグサ科 イボ クサ ミズアオイ属 タデ属サ ナ エタデ節 ソバ属 アカザ科 ―ヒユ科 ナデ シコ科 ア プラナ科
ア リノ トウグサ属 ―フサ モ属 チ ドメグサ 亜科 セ リ亜 科 シ ソ科 ゴキ ヅル タ ンポ ポ亜科 キク亜科
3 10 00 10 70 31
2 10 34 2 10 ,3 21 8
3 3
1
1 1
1
3 1 1 3 2 1 2 1 2 1 1 1 1 3 1 , 1
1
91 1
24
3
3 1
1
4
2 1
7 3
1
21
2 1
72
0
31
1
2
1
2 3
1
1
3
44
10
Arruis,′ ヨモギ属 10 '3 21 11
■m"ore シダ植物胞子 単条溝胞子 三条溝胞子
10
3
11 0
Arboreal pollen 樹木花粉 Arboreal o Nonarbored P。 1len 樹木・草本花粉
草本花粉
Total,ollen 花粉 総数
102 303 ,73 51 224 212 3 4 6 0 3 1
98 131 171 50 114 170 208 438 455 110 301 428
7 0 12 19
10 26 1 2 11 5' 22 87
未同定花粉 シダ植物胞子
4 14
3 25
│
25
5
,0
HeL血■c鰤 寄生 虫卵 ←) {→
明 らかな消イヒ残漆
―‑ 49 ‑―
←) (→ ←) (→