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つの方向性としては、ジェルバ観光の多様化及び周辺地域の 観光地としての魅力度を上げることで、ジェルバ観光への集客を増し、その Jerba

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55 a)Djeffara

南部観光開発の 1 つの方向性としては、ジェルバ観光の多様化及び周辺地域の 観光地としての魅力度を上げることで、ジェルバ観光への集客を増し、その Jerba

に集客された観光客を内陸部へ誘導、引き込んでいくというジェルバとその他の

20 世界経済フォーラム(ダボス会議) 2009年旅行・観光産業に関する報告書 出所:Tataouineにて撮影(2012109日)

写真2-5 ベルベル人の穴居住宅

表2-61 国籍別宿泊数の推移表

(単位:泊数)

1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010

シェア(%)

French 3,546 7,206 7,799 8,197 8,557 9,158 8,451 8,701 27.1

Germans 10,283 11,284 6,641 6,373 6,015 6,099 5,656 5,337 16.6

British 2,304 3,036 3,234 3,274 2,971 2,529 2,730 3,359 10.5

Italians 1,861 2,922 3,394 3,200 3,013 3,010 2,397 2,216 6.9

Belgians 655 1,307 1,493 1,697 1,724 1,625 1,553 1,504 4.7

Algerians 592 438 631 708 758 759 822 946 2.9

Scandinavians 479 618 905 669 768 834 807 865 2.7

Swiss 700 1,062 605 656 668 644 611 501 1.6

Dutch 640 541 444 528 573 646 542 491 1.5

Libyans 180 235 243 269 286 340 372 427 1.3

Austrians 480 820 516 573 521 358 317 289 0.9

Middle-easterners 96 101 149 148 160 172 141 139 0.4

U.S.A 63 68 54 62 84 102 90 79 0.2

-84-

Moroccans 51 59 45 46 41 47 46 51 0.2

Other nationalities 1,584 3,472 7,436 6,688 8,408 8,727 6,302 7,233 22.5

合計 23,514 33,169 33,589 33,088 34,547 35,050 30,837 32,138 100.0

出所 National Office of Tunisian Tourism

2) 観光セクターの発展可能性

チュニジアの観光セクターの競争力は、世界経済フォーラム(ダボス会議)旅行観光 産業に関する報告書では、世界133カ国中44位(トルコ:56位、エジプト:64位、モ ロッコ:75位)となっている20。これはこれまで築いてきたチュニジア観光産業の財産 である。この財産を生かしつつ、新たな展開を図っていくことが必要であろう。その 財産はいうまでもなく、ビーチリゾート観光である。南部観光でいえば南部観光の拠 点となっているジェルバの活用・活性化が求められる。

南部観光開発の1つの方向性としては、ジェルバ観光の多様化及び周辺地域の観光地 としての魅力度を上げることで、ジェルバ観光への集客を増し、ジェルバに集客され た観光客を内陸部へ誘導、引き込んでいくというジェルバとその他の地域の相乗効果 を狙う観光開発であろう。タタウィン県は、南部観光のポテンシャルとしては、沿岸 観光は日々斜陽となっていることから、砂漠観光の促進を主張する。沿岸観光はスペ イン、モロッコ等と競争力を確保していかなければならないので、むしろ砂漠観光が 有望と考えているからである。しかし、ここはお互いの長所を生かす方向で連携して いくことが望ましいと思われる。

基本的には、沿岸観光及び砂漠観光双方ともアルターナティブ・ツーリズム〔エコ・

アグリ・カルチャー・医療ツーリズム(テラソセラピー)〕を志向し、既存観光資源の 活用(長期滞在用宿泊施設、クルーズ観光開発、スパ・リゾート開発、文化・歴史的観 光開発、ゴルフ・ルート開発)、大型外国投資誘致、参加型観光(農家・漁業者との連 携)、国際観光拠点形成に南部地域として取り組んでいき、新たな観光ルートの開発と 併せて南部地域観光のポテンシャルを相乗効果として上げていく戦略である。

南部地域の観光開発の可能性としては、次のものが想定される。

① ジェルバ島

・自然・生物資源

マリンアクティビィティ(ウィンドサーフィン、パラセイリング等)

・歴史・文化観光資源

アフリカ最古といわれているシナゴーグ(ユダヤ人の集会所)、ジェルバ特有の建 築様式のモスク(エル・カレブ、エル・メイ)

・伝統工芸・伝統観光資源

島南東部ゲララにおける陶芸、映画・音楽・伝統にかかわるさまざまなフェスティ バル

② タタウィン県

・自然・生物資源

20 世界経済フォーラム(ダボス会議) 2009年旅行・観光産業に関する報告書

山岳観光(トレッキング、ドライブ)、化石巡りツアー(恐竜)

・歴史・文化観光資源

11世紀後半に作られたといわれている最古のクサールとベルベル人の穴居住宅の あるジェニニ等(スターウォーズの撮影場所としても有名)

・伝統工芸・芸術観光資源

国際サハラ・クサール・フェスティバル(クサールの伝統・文化紹介、ベルベル人 の料理紹介等)

③ ドゥーズ

・自然・生物観光資源

サハラ砂漠(ラクダ乗り、バギー乗り、キャンピングツアー、ラクダツアー)

・伝統工芸・芸術観光資源

サハラ・フェスティバル(砂漠の遊牧民とその文化の伝承、ラクダレース、闘ラク ダ、伝統的結婚式の再現、伝統舞踊)

④ トズール県

・自然・生物観光資源

ジェリド湖(北アフリカ最大の塩湖、スターウォーズの撮影地)、山岳オアシス(タ メルザ、ミデス、シュビカ)、タメルザ渓谷

・歴史・文化観光資源

メディナ(14世紀に建造された伝統的れんがの建物)

・伝統工芸・芸術観光資源

トズールオアシス祭り(伝統芸能、民族衣装、民族舞踊、パレード)

⑤ ガフサ県

・歴史・文化観光資源

ローマ時代の浴場跡、ビザンチン時代の城壁

プロモーションとしての市場開拓の継続的な努力も不可欠である。ジェルバ島の最高

級のHasdrubal Prestigeホテルの支配人は、ロシア直行便の開設を要望していた。直行便

が開設されれば、ロシアからの観光客が増えるとの見通しであると思われる。ジェル バ島への海外からの観光客が頭打ち傾向にあること、特定の国に偏っていること等を 考えれば、市場の多様化、例えば太陽光を希求する傾向のある北ヨーロッパとか、現 在は非常に少ないアジアへの市場展開の可能性も探る必要がある。

-86- 2-5 近年の開発動向

2-5-1 農業・水産・畜産セクター

近年南部地域で実施された農業・水産・畜産セクターの代表的なプロジェクトを表2- 62 に示す。同セクターでは、灌漑施設の維持・修繕、改善案件が多い。特に揚水(ポンプ)の電 化が進められている。

表2-62 南部地域における農業・水産・畜産セクターの代表的なプロジェクト

(金額単位:1,000TD

県 プロジェクト 実施期間(年) 費用 内 容

Tataouine

森林再生 2002~2005 3,000 水土保全施設(CES)建設、植林・灌木維持(灌漑・

掘削)、資機材(トラクター、水槽)

放牧地開発 2002~2006 16,454

地下水涵養施設建設、家畜用地下貯水施設建設、井戸 掘削、農道整備計画、CRDA(県農業開発事務所)の 能力強化(普及・獣医サービス)、灌漑など

Médenine

脱塩水による灌漑

(Médenine・Aguir Djerba)

2002~2005 1,980 土地準備、貯水施設建設、灌漑用資機材

漁港拡張、クレー

ン調達(Zarzis) 2001~2006 2,914 クレーン設置準備、クレーン

Gabès

山岳地区農業総合

開発 2001~2009 31,900

井 戸 ボ ー リ ン グ:8カ 所、 灌 漑 区:6区 画(770ha)、

機器電化:4井戸、ポンプ設置:12井戸、機器設置:

13井戸、 農道建設:15 km、 土手嵩上げ:100km、 土 手建設:70km、水土保全施設(CES):3,000 ha

オアシス管理改善 2001~2005 33,208 オアシス灌漑改善:4,040ha、井戸掘削、灌漑用資材

Kébili

灌漑地区改善 2007~2009 4,840

取水施設建設(Douz・El Faouar)、 冷蔵施設修繕、 オ アシス開発計画策定、 農道修繕、 ポンプステーショ ン、節水プロジェクト、温室修繕など

Rjim Maâtoug

地区開発 2007~2009 11,686 電化、掘削機材、オアシス植林・保全、住宅建設(電

化・給水)

Gafsa

El Kébirダム建設 2007~2009 2,101 技術調査、ダム建設

灌漑地区改善 2007~2009 3,202 既存井戸改善、深井戸用機器、ポンプステーション修 繕・電化

Tozeur

温泉水による灌漑

(Neflayet・Nafta) 2006~2008 1,253 測量(Neflayet、2006年)、 井戸掘削(Nafta)、 灌漑用 水路建設、貯水池建設、ポンプステーションの電化

灌漑地区改善 2006~2008 5,353

農道建設・(砂利)舗装、灌漑用水路建設、貯水池建 設、井戸掘削・ポンプステーション電化、オアシス灌 漑用水路網修繕、節水施設設置など

出所:ODS

2-5-2 観光セクター

表2- 63 にみられるように、タタウィン県、ケビリ県(ドゥーズ)など内陸部で大規模な 観光開発が計画・実施されつつある。

表2-63 南部地域における観光セクターの代表的なプロジェクト

(金額単位:1,000 TD

県 プロジェクト 実施期間(年) 費用 内 容

Tataouine

観光村開発(Ksar

Aouled Dabeb) 2007~2009 1,750 開発計画策定、関連施設・資機材

地下洞窟整備

(Douiret) 2008 150 開発計画策定、装飾、地域の伝統的品物

Médenine

観光地区開発計画 2007~2009 7,162 Midoun・Zarzis地区観光開発に関する技術・財務 調査、土地資産規制、土地収用

Gabès

Chemsホテル・

Matmata ホテル拡張 2002~2005 4,900 拡張工事

Kébili 観光開発 2007~2008 9,700

ア ニ メ ー シ ョ ン セ ン タ ー 建 設(Douz)、 サ ハ ラ ホ テ ル 計 画 策 定(Douz)、 キ ャ ン プ 場 計 画 策 定

(Nouaiel)、旅行代理店設立(Douz)

Gafsa

観光公園整備 2007 450 建物建築、資機材、Green Zone設置計画策定 観光レストラン

(Ramsisses)・庭園

(Métlaoui)拡張

2007~2008 1,250 レストラン・庭園拡張、資機材・食器調理器具調

達 観光アニメーション

センター建設(Gafsa)2006~2009 5,700 建物建築、電気・水道網拡張/接続、資機材調達 など

Tozeur

観光地区拡張 2007 70 拡張地区測量

ホテル・ゲストハウ

ス建設 2007~2009 17,000

ゲ ス ト ハ ウ ス(Tozeurs 2カ 所、60ベ ッ ド )、El Mouradiホ テ ル・Ksar Djérids ホ テ ル(Tozeur)、

Roseホテル(Nafta、拡張・アップグレード)建設、

設備計画・調達 出所:ODS

-88- 2-5-3 鉱工業セクター

港湾施設のあるガベス県で中規模の工業団地開発、内陸部のタタウィン県・ケベリ県・ト ズール県で小規模ながら工業団地開発が進められつつある。また、リン鉱石で有名なガフサ県 では、関連鉱工業開発が進められている。

表2-64 南部地域における鉱工業セクターの代表的なプロジェクト

(金額単位:1,000 TD

県 プロジェクト 実施期間(年) 費用 内 容

Tataouine

工業団地再開発 2002~2006 300 再開発計画策定(6ha拡張)(配電、上水、通信)、

造成

Médenine:なし(ODSに各県で近年実施された代表的なプロジェクトを挙げてもらった際に鉱工業

開発プロジェクトが含まれていなかった)

Gabès

Gabès工業団地-2

(30ha) 2006~2009 2,999 道路・給水施設・配電施設・通信網整備

Mareth工業団地(10

ha) 2009 100 土地収用、技術・環境調査

Kébili Kébili工業団地-2 2009 14 土地収用、技術調査開始

Gafsa

リン鉱石会社改善

(Gafsa) 2007~2009 138,037

設 備 更 新・ 修 繕、 洗 浄 用 土 取 ダ ム 建 設、 コ ン ピュータ機材調達、採石用機器・トラック調達な ど

Tunisian Chemical化学

工場再編(Mdhilla) 2007~2009 4,580 Mdhilla-2工場建設、リン鉱石砕石機器調達、社会 文化コンプレックス設立、工場基盤インフラ整備

Tozeur Kastilia工業団地設立 2008~2009 622 技術調査、追加工事

出所:ODS

2-5-4 インフラ整備

南部地域のインフラ整備については、道路・橋梁関連プロジェクトが最も多く、改修・修復 プロジェクトが多い。現地調査においても、道路の維持管理・修復はかなりなされているよう に見受けられた。また、メドニン県・ガベス県ではインフラプロジェクトが多いのも特徴であ る。

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