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Ⅷ 授業方法の改善と授業評価
今年度も教育手法、教育内容を連続的に改善するために、毎月のFD研究会を中心に多様な検討課 題を議論し新しい取組に果敢に挑戦してきた。
1 授業方法の改善
効果的な取組の具体例としては以下のようなものが重要であった。第1に、「動機付け」の研究の進 展である。近年の学生は、物欲・出世欲に飢えそれらを狙って自己の人生を上昇させるために勉学に 励むといったハングリーな時代の若者とは全く違う。一定の豊かさの土台の中で育ってきている現代 の多くの学生には物欲・出世欲に関連するようなかつて通用したインセンティブは効果がない。その ような学生にどのようにしたら学習面などで動機付けに成功できるかが緻密に探究されレポートとし て報告された。その中で、「長岡大学の教職員が共有すべき基本哲学」・長岡大学の教職員全員が日常、
学生と接するときの判断や行動として守るべき「長岡大学教職員の行動基準」等が明確にされた。
第2に、マンツーマン指導、自己発展チェック・シート等の徹底。これら大学の主要な教育手法に 対して学生にしっかり説明することを徹底した。特に「マンツーマン指導の学生への説明文」の全学 生への配布は意義があった。長岡大学においては全学生一人一人にゼミナール担当教員が毎月必ず相 談に乗ってくれるということが、学生全員に理解させることができた。学生自ら「今月のマンツーマ ン指導の面接に来ました」と言って、教員の研究室に訪れるケースも見られるようになった。
第3に、厳格な講義管理の徹底に関して全教員のコンセンサスを強固なものにした。厳格な講義管 理の徹底は長岡大学の大学全体のまじめな雰囲気の維持にとって最も重要であると考えてきた。どん なに内容の良い授業を教員が準備したとしても、欠席者、過度な遅刻者、私語を発生させる者、途中 退室する者が発生してしまえば、授業全体の良さを破壊し、まじめに授業に参加している学生の意欲 を害することになる。そのような有害な現象はやがて大学全体に急速に浸食し一挙にキャンパスの雰 囲気を低次元な状態に落としてしまうことになる。今年度も「厳格な講義管理の徹底について」とい う依頼文を全教員に学期の初めに配布し、全教員が担当授業において講義の管理を徹底することを決 意した。この結果、大半の授業において過度な遅刻者、私語をする者等は発生せず、静粛な良い雰囲 気の授業環境が維持できた。
第4に、キャリア・プランに関して、ゼミナールⅡにおいて従来から就職活動の際に活用してきた
「自分史シート」を全学生に作成させ、将来目標にする職業への意識を高めまた履歴書作成へと連動 させることが確認された。
第5に、教育力向上の取組。今年度実施された読売新聞の「教育力向上への取り組み」調査の結果 の分析から全国の大学における多様な教育力向上のための取組を学習し本学においても導入可能な事 項が検討された。例えば、①一定回数以上欠席での定期試験受験資格の剥奪・②保護者による授業モ ニター制度・③学生の卒業後の就職先等への教育成果の評価アンケートの実施による教育力の客観的 な評価などである。
第6に、目標マネジメントの継続。自由度の高い日々を送る学生に対して、自主的に目標を設定し て有意義な生活を送る習慣をつけさせるために自己発展チェック・シート(
Self-Development Sheet
: SDS)の作成を継続した。SDSには1・2
年生用シートと3・4
年生用シートの2
種類がある。1・2
年生用シートは各項目の記述内容に関して具体的な例示の中から選択して記入する形式を採用し、十 分な構想力がない学生にも作成できるシートである。3
・4
年生用シートは学生自らが自由に記述する 部分を多くして伸びてきた構想力を生かすようなシートである。
Ⅷ
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-2008 年度FD研究会のテーマ
月 テーマ
5月 1)就職動機付け 2)キャリア・プラン
6月 1)卒業提案(卒業論文)について 8月 ―集中FD研究会―
1)「就職力ナンバーワン計画」の実現に向けた検討 2)読売新聞の教育力調査結果と本学の課題 3)産学融合型専門人材開発プログラムの課題
①卒業提案の考え方
②就職の動機付け
③キャリアプラン
④総合的キャリア形成マニュアル
⑤フューチャーマップ診断テストと社会人基礎力
⑥平成 20 年度以降のキャリアGPプログラムの継続について 10 月 1)集中 FD 研究会のまとめと確認
11 月 1)8月集中FDのまとめ
2)新新新カリキュラムの概要と意見交換
12 月 1)学生の意欲を高める教育の研究:「やる気のスイッチを入れる極意!教えます」の上映 2)「社会人基礎力育成グランプリ 2009」について
2月 1)All for One による学生支援 3月 ―集中FD研究会―
1)教育内容・教育手法研究
2)学士就職力の教育内容・ポストキャリアGP 3)社会人基礎力育成関係
4)2009 年4月スタート「カリキュラム」の基本思想
5)特別講演「コーチング・ファシリテーションの意義と活用状況について」
6)「大学教育・学生支援推進事業」
7)ゼミⅠ・ゼミⅡでの基礎学力育成
8)ゼミⅡにおけるエリートクラス編成(エリートクラスの教育内容も含めて)
9)プレゼンテーション能力育成方法
10)All for One(学生を応援するための情報交流)
全教員への依頼文
厳格な講義管理等の徹底について
1. 私語封じ込めの徹底
私語を抑えられない講義に学生は強い不満を持ちます。以下の方法も参考にし、私語封じ込めを徹 底して下さい。
①前方に座ることをルール化する。(後方に固めて座らせない)
②学生間で離れて座ることをルール化する。
③通路側・窓側・壁側等への座席指定
④質問を連発して常に緊張感を高める。
⑤作業(適度な筆記等)によって忙しくさせる。
2. 遅刻防止・エスケープ防止・偽装出席(代筆)防止・出席管理厳格化の徹底
過度の遅刻者・エスケープ学生・偽装出席(代筆)の学生は厳粛な講義の雰囲気を破壊します。
以下の方法も参考にし、絶対にそのような学生が現われないようにして下さい。
①「オリジナル出席カード」を作成し遅刻者には配布しない。(遅刻防止・偽装出席防止)
②講義終了後でしか「オリジナル出席カード」は回収しない。(エスケープ防止)
3. 携帯電話の管理の徹底
講義中に携帯電話を使用し周囲に迷惑をかける学生がいます。講義中の携帯電話のマナーの徹底 をお願いします。
4. ホームワーク等の徹底
月1回程度ホームワーク、小テスト、プレゼンテーション等を学生に課して下さい。
*講義開始から 1 ヶ月で講義環境は決まると考えます。開始 1 ヶ月は上記の注意事項を繰り返し学生 に訴えて下さい。
今後は「動機付け」探究の成果を生かして、学生が日々意欲を出して学習・課外活動・友人との交 流に取り組める仕掛けを高度化していく必要がある。「動機付け」に関する探究の中で、教員の学生へ の接し方が重要であることも分かってきた。教員の学生への接し方の詳細なマニュアルのようなもの を作成することも検討していきたい。
又今後も「厳格な講義管理の徹底」によって実現した厳粛な授業環境を維持していきたい。若い一 人一人の学生のエネルギーには絶大なものがある。そのエネルギーを良い方向に発揮させることが大 切である。授業環境が崩壊した授業を一つでも許せば、そこに参加した学生の心理を知らず知らずに 蝕み、他の授業での受講態度への緩みにつながる可能性がある。若い学生で構成される教室はまさに 常に変化する生命体と言える。決して油断することなく知的で厳粛な授業環境を長岡大学の伝統にし ていきたい。
さらに、軌道に乗った「マンツーマン指導」を高度化していくことも検討したい。毎月ゼミナール 担当教員が担当する学生全員と対話し激励・指導していくマンツーマン指導によって全学生をカバー する体制が完成した。しかし、マンツーマン指導によっても、少数であるが、極端に意欲が低下した 学生・不登校になってしまった学生など、担当教員だけでは十分に対応できないケースも表面化して きた。そのようなケースの学生に対しては、多数の教員が十分な情報交換をベースに学生に多角的に アプローチしていくことが有効である。それを可能にする
ALL FOR ONE
の制度をつくっていくこと126
-を検討していきたい。
2 学生の授業評価
長岡大学では「学生に毎日影響を与える授業は大学の命である」という基本認識をベースに全ての 授業の質を最高度に高めることを目標にして、開学(平成 13 年度)以来、学生による授業評価(授業 アンケート)を実施している。
(1)授業評価アンケートの概要
平成 20 年度の授業アンケートは昨年度後半に大幅な改訂を行ったアンケートを使用して実施した。
大幅に改訂したアンケートでは最初に、「この授業を受けての総合的な満足度を教えてください」とい う満足度を問う質問項目が設定され、学生の授業に対する総合的な「満足度」がどのくらいなのかを、
従来からの総合評価得点とは独立させて計測するようになっている。
満足度以外の質問項目は、①授業環境への取り組み・②授業手法・③授業内容・④担当教員の熱意・
⑤授業の進み方の5つのカテゴリーから評価し、⑤授業の進み方以外の得点を統合して総合評価得点 としている。
「授業環境への取り組み」については、私語防止・携帯電話管理・出欠・遅刻や途中退出者の防止の 4点から評価し、「授業手法」は声や話し方・黒板等の使い方・テキストや参考文献の活用・宿題等の 提示の4点から評価される。「授業内容」に関しては、興味のある内容であったか・おもしろい内容で あったか・理解しやすい内容であったか・テーマの明確さ・知識や技能等が伸びたかの5点から評価 され、「担当教員の熱意」については、熱意があったかどうか・友人や後輩にすすめられるかどうかの 2つの質問項目が設定され評価が計測される。
上記の「授業環境への取り組み」「授業手法」「授業内容」「担当教員の熱意」のフィールドの各質問 項目で低い評価をつけた場合に、その理由を記入する欄も設定され、具体的な学生の不満内容を詳細 に吸い上げる工夫もされている。
ゼミナールⅠ・ゼミナールⅡ・ゼミナールⅢ・Ⅳのアンケートについては、最初に「このゼミナー ルを受けての総合的な満足度を教えてください」という質問項目が設定され、学生のゼミナールに対 する総合的な「満足度」がどのくらいなのかを計測するようになっている。そして、満足度に寄与す ると考えられる内容を評価する質問項目を各ゼミナールの学習内容を考慮して設定している。
教室内でのアンケートの実施においては、従来通り学生が教員に一切気がねなく率直にその感想・
思い・評価を出せるように無記名で書いてもらうようにし、しかもアンケート回収の責任を学生が担 い、教員は学生のアンケート記述時には退場するようにしている。
(2)アンケート結果の分析
アンケートの総合評価得点・各質問項目の評価得点は、最低得点が−2.00、最高得点が 2.00 となり、
学内では 1.00 を上回れば総じて合格水準であり、1.00 を下回る場合は問題のある授業という見方をし てきた。
平成 20 年度前期の通常授業に対する評価については、満足度の全体平均値が 1.10 であった。そし て、授業環境評価得点の全体平均値が 1.36、授業手法評価得点の全体平均値が 1.38、授業内容評価得 点の全体平均値が 1.26、担当教員の熱意の評価得点の全体平均値が 1.32、それら4フィールドを統合 した総合評価得点の全体平均値は 1.33 であった。
ゼミナールⅠ(前)については、満足度の評価得点の平均は 1.35 で、総合評価得点の平均が 1.48 で あった。
平成 20 年度前期においては通常授業で総合評価得点が 1.00 を下回った授業は、合計で9科目あっ