GR-33 では、TONE の「TRANSPOSE」の設定(P.51)に より、1st 及び 2nd トーンの音高を、ギター音に対して平行 にずらし、重音効果をつくれます。
しかし、より音楽的なハーモニーを表現するには、2 つのパー トの音高差を、曲のキー(調)と鳴らし ている音階の関係に 従い、随時変化させてやる必要があります。
これを実現するのが、「ハーモニスト機能」です。
演奏するメロディのキー などをパッチに設定しておけば、ギ ター音にシンセ音で(また はシンセ音同士で)美しいハーモ ニーを表現することができます。
ハーモニストのしくみ
トランスポーズ機能の効果と比 較しながら、ハーモニストの しくみを確認しましょう。
下の 譜面例 は、キー C(ハ長 調)で「ドレミ ファソ ラシド」
を弾いた際の、トランスポーズ機能 とハーモニストの効果の 比較です。
fig.8-01(譜面例)
両者は図中の↑印の部分が異なっています。
平行音程では調性上、これら の部分が不自然に感じられてし まいます。この問題が生じ る音階上の位置は、キーや長調/
短調、また主旋と副旋律の音程などによって変わります。
GR-33 のハーモニストは、キーなどのパッチにあらかじめ設 定された情報を元に、ギター音対シンセ音(または 1st トー ン対 2nd トーンなど)の音程を随時調整し、メロディアスな ハーモニーを作り出します。
また GR-33 のハーモニストは和音演奏に完全対応していま す。このためミュートを意識 しないラフな演奏の際の誤動作 も、非常に少なくなっている上、単純な 3 声コードを弾くだ けで、複雑なコードの響きを つくるといった効果も得られま す。
ハーモニストでできること
ギター音にシンセ音でハーモニーをつ ける
市販のエフェクター「ハーモ ニスト」は、ピッチ・シフター の 1 種ですので、ギター音にはギター音でのみハーモニーが つけられます。
これに対し、GR-33 のシンセ・ハーモニストは、普段使って いるギターの音に、384 種ものトーンを使って作ったあらゆ る音色で、ハーモニーをつけることができます。
クリーンなギター音にマリンバなど でさりげないハーモニー をつけたり、ディストーション・ギタ ーにロック系オルガン でマイナーのハーモニーをつけ るなど、実用的に使用できま す。
もちろん GR-33 側のトーンにギター系の音色を選べば、「ギ ター対ギター」風のハーモニーも得られます。
ギター音に GR-33 の音でハーモニーをつける場合は、GK-2A のギター/ シンセ切り替えスイ ッチを「MIX」に合わせてお いてください。
※ パッチで選ばれている全てのシンセ音(1st、2nd の両 トーンから外部 MIDI 音源まで)をギター音に対するハー モ ニー・パ ート にす るに は、P.82 の手 順で HAR/ARP SELECT の設定を「Harmony All」にします。
シンセ音同士でハーモニーを作る
GK-2A のギター/シンセ切り替えスイッチを「SYNTH」に 合わせ、ギター側の音を鳴 らなくしていても、シンセ音だけ でハーモニーを構成することができます。
よく似た音色同士でハー モニーを構成し、重厚な音づくりを することができます。全く 異なるトーン同士(例えばサック スとミュート・トラペッ トなど)でハーモニーを構成し、両 トーンを COMMON の設定項目「PAN MODE」(P.41)で
「Cross Tones」を選んで左右に振り 分ける、なども 非常に 効果的です。GK-2A のスイッチを「MIX」に合わせれば、主 旋律側にさらにギターの音を重ねて鳴らすことも可能です。
トランスポーズ
ハーモニスト
ノーマル音 ノーマル音
トランスポーズ音
ハーモニー音
第 8 章 指定したキーのハーモニーをつける〜ハーモニスト
8章
操作のしかた
ハーモニストをオン/オフする
(HAR/ARP CONTROL)
ペダル 4(CTRL)でハーモニストをオン/オフする
演奏中にハーモニストをオン/ オフする時などは、以下のよ うに設定します。1.
[COMMON]を押して、パッチ・エディット・モードに 入ります。2.
[PARAMETER]で、 CTRL PEDAL を選びます。3.
[VALUE]で、 HAR/ARP Control を選びます。fig.7-01a
4.
[WRITE]を押してパ ッチ・ライ ト操 作(P.36)を行い 保存します。※ パッチ・ライト 操作後、自動的にプレイ・モー ドに戻り ます。
※ 保存をしない 場合は、 [PLAY]を押して プレイ・モード に戻ります。
5.
ペダル効果モードに入ります。詳しい操作方法は「ペダル効果モード」とその呼び出しか た」(P.26)をご覧ください。
※ または、システム・モードの設定項目「S1/S2 FUNCTION」
で「Patch Select」を選び、プレイ・モードに戻ります。
6.
ペダル 4(CTRL)を踏んで、ハーモニストのオン/オフ を切り替えます。パッチ・エディット・モードでハーモニストをオン/
オフする
ハー モニストの オン/オフ をパッチ に記憶させ る時などは、
以下のように行います。
1.
[EFFECTS]を押して、パッチ・エ ディット・モ ードに 入ります。2.
[PARAMETER]で、 HAR/ARP CONTROL を選びます。3.
[VALUE]で、 On また は Off を選び、ハーモ ニス トのオン/オフを設定します。fig.7-01b
4.
[WRITE]を押してパ ッチ・ラ イト操 作(P.36)を行い 保存します。※ パッチ・ライ ト操作後、自動的にプレイ・モ ードに戻り ます。
※ 保存をしな い場合は、 [PLAY]を押し てプレイ・モード に戻ります。
※ ま た、ハーモ ニス ト関 連の設 定項 目で ある「HAR/ARP CONTROL」 「HAR/ARP SELECT」 「HARMONY STYLE」
「HARMONY KEY」「HARMONY REMOTE」が選ば れて いる時は、ペダル 4(CTRL)でハーモニストをオン/オ フすることができます。
※ ハ ーモ ニス トのオ ン/ オフ はパ ッチ ごと の設 定項目 で す。パッチ・ライト操作を実行すると、その時の状態(オ ンかオフ か)が記憶され、パッチを呼び出 した時に再現 されます。
各パッチで、ハーモニストと アルペジエーターのどちらか一 方だけが選べるように なっています。オフのパッチも、内部 ではハーモニストかアル ペジエーターのどちらかが選ばれて います。オンの状態の時、プ レイ・モードのディスプレイに HAR か ARP のどちらか選ばれている方が表示されます。
fig.8-02(HRM)
アルペジエーターが選ば れたパッチでハーモニストを使う時 は、次 項 の 手 順 に 従い、「HAR/ARP SELECT」の設 定 で
「Harmony All」などのハーモニストの設定に切り替えてくだ さい。
※ ハーモニ ストが選ばれ、オフになって いるパッチで、関 連の項目(「HAR/ARP SELECT」 「HARMONY STYLE」
「HARMONY KEY」 「HARMONY REMOTE」)の値や設定
を変えると、ハーモニストは自動的にオンになります。
第 8 章 指定したキーのハーモニーをつける〜ハーモニスト
ハーモニー音を鳴らすトーンを選択す る(HAR/ARP SELECT)
1st トーン、2nd トーン、外部 MIDI 音源の 3 つから、ハー モ ニ ーの 副 旋 律 側を 担 当 する も の を 決め る の が設 定 項 目
「HAR/ARP SELECT」(ハーモニー/アルペジオ・セレクト)
です。
■ ハーモニー・セレクトを設定する手順 1.
ハーモニストの設定を変更するパッチを選び、[EFFECTS]を押してパッチ・エディット・モードに入 ります。
2.
[PARAMETER]で、 HAR/ARP SELECT を選びます。fig.8-03(HRM SELECT)
3.
[VALUE]で、ハーモニストの設定を選びます。「HAR/ARP SELECT」でのハーモニストの設定について は、手順説明後の「◆ HAR/ARP SELECT で選べるハー モニストの設定について」をご覧ください。
4.
[WRITE]を押してパ ッチ・ライ ト操 作(P.36)を行い 保存します。ハーモニストの他の設定項目に移る場合は、
[PARAMETER]を押して項目を選び、項目内容を設定 してください。
※ パッチ・ライト 操作後、自動的にプレイ・モー ドに戻り ます。
※ 保存をしない 場合は、 [PLAY]を押して プレイ・モード に戻ります。
◆ HAR/ARP SELECT で選べるハーモニストの設定 について
Harmony All:
全ての音(内蔵音源、外部 MIDI 音源)が副旋律になります
(主旋律はギター音)。 Harmony 1st:
内蔵音源の 1st トーンが副旋律になります。
Harmony 2nd:
内蔵音源の 2nd トーンが副旋律になります。
Harmony 1&2:
1st、2nd の両トーンが副旋律になります。
Harmony Ext:
外部 MIDI 音源が副旋律になります。
Harmony Ext&1:
1st トーンと外部 MIDI 音源が副旋律になります。
Harmony Ext&2:
2nd トーンと外部 MIDI 音源が副旋律になります。
※ 設定範囲の後半の値(Arpeggio All、Arpeggio 1st、...Arpeggio Ext&2)も選べますが、これらを選ぶとハーモニストは停止 し、アルペジエーター機能(P.76)が選ばれます。
アルペジエーターが選ばれていると、「HARMONY STYLE」
「HARMONY KEY」 「HARMONY REMOTE」の 設定項目も 選択できませんのでご注意ください。
副旋律の音程を設定する
(HARMONY STYLE)
ハーモニストの 主旋律と副旋律の間隔(3 度、5 度 ...)は、
「HARMONY STYLE」(ハーモニー・スタイル)で設定します。
■ハーモニー・スタイルを設定する手順
1.
ハー モニー・ス タイル の設定を 変更す るパッ チを選び、[EFFECTS]を押してパッチ・エ ディット・モー ドに入 ります。
2.
[PARAMETER]で、 HARMONY STYLE を選びます。fig.8-04(HARMONY STYLE)
3.
[VALUE]で、ハーモニ ー・スタイ ルの設定 度数を 選び ます。設定度数には、-7th、-6th、-5th、-4th、-3rd、-2nd、+2nd、
+3rd、+4th、+5th、+6th、+7th、Diminishがあります。
「Diminish」(ディミニッシュ)は、HARMONY KEY の設 定に関わらず主旋律の短 3 度(3 半音)上に固定された 副旋律と なります。ディミニッシュ・スケ ールでフレー ズを演奏する場合などに有効です。
4.
[WRITE]を押してパ ッチ・ラ イト操 作(P.36)を行い 保存します。ハーモニストの他の設定項目に移る場合は、
[PARAMETER]を押して項目を選び、項目内容を設定 してください。
※ パッチ・ライ ト操作後、自動的にプレイ・モ ードに戻り ます。
※ 保存をしな い場合は、 [PLAY]を押し てプレイ・モード
に戻ります。
第 8 章 指定したキーのハーモニーをつける〜ハーモニスト
8章
各設 定度 数に おいて、主 旋律 と副 旋律の 音程 は次 のよう に なっています。
fig.8-05(ハーモニー表)
* HARMONY STYLE が +3 の場合、HARMONY KEY がマイ ナーに設定されていると、マイナー・スケールを基本にハー モニーが作られます。
トランスポーズの設定と
「HARMONY STYLE」の関係
ト ランス ポー ズ(音高 の平 行シ フト)を 設定す る項 目に は TONE の「1ST TRANSPOSE」「2ND TRANSPOSE」と、
COMMON の「MIDI [TRANSPOSE]」があり、いずれもハー モニストの 度数を設定する「HARMONY STYLE」とは別に 設定でき、効果も独立してかかります。
従って、ハーモニストを使用する 場合は、副旋律として使用 するトーン(または外部音源)のトランスポーズは通常「0」
にしておきます。
ただし、ハーモニーの主(副)旋律を、オ クターブ単位でず らす ため にはト ラン スポー ズを 積極的 に併用 する と良い で しょう。
例:副旋律をオクターブ・ダウンする場合
ここの例では、ギター音の主旋律に対して、1st トーンと 2nd トーンで副旋律を作ります。1st トーンをオクターブ・ダウ ンさせ、2nd トーンを 3 度上のハーモニーにします。
1.
GK-2A のギター/シンセ切り替えスイッチを「MIX」に 合わせます。2.
設定を行うパッチを選び、1st、2nd 両トーンの音色など を設定します。※ トーンの設定については、 「シンセ音を加工する」 (P.49)
をご覧ください。
3.
[TONE]を押し、[PARAMETER]で 1ST TRANSPOSE を選びます。4.
[VALUE]で、 -12 (1 オクターブ下)を選びます。fig.8-06(例:TRANSPOSE)
1st トーンが、ギター音に対してオク ターブ・ダウンし ます。
※ TRANSPOSE の設定は、各弦で異なる設定ができます (P.35)。この例で、全 弦をオ クターブ・ダ ウンさせ たい 場合は、 [STRING SELECT]で 3 桁表示器に ALL を 表示させてから -12 を設定してください。
5.
[EFFECTS]を 押 し、[PARAMETER]で HAR/ARP SELECT を選びます。6.
[VALUE]で、 Harmony 2nd を選びます。fig.8-07(例:HRM/ARP SELECT)
7.
[PARAMETER]で、 HARMONY STYLE を選びます。8.
[VALUE]で、 +3rd を選びます。fig.8-08(例:HARMONY STYLE)
2nd トーンが、ギター音に対して 3 度上のハーモニーに なります。
以上により、1 オクターブ下の平行音と 3 度上のハーモ ニーのふ たつのシンセ音で、ギター音をサ ンドイッチに したような分厚い音が得られます。
※ トランスポーズ(TONE の「1ST TRANSPOSE」「2nd TRANSPOSE」、COMMON の「MIDI [TRANSPOSE]」)
の値(-36 〜 0 〜 24)は、半音単位(1 オクターブ= 12)
で 表 示 さ れ て い ま す。こ れ に 対 し て、「HARMONY STYLE」の値(-7th 〜 +7th、Diminish)は度数(3 度、5 度 ...)で表示されていますので、ご注意ください。
HARMONY STYLE
+ 2nd - 2nd dim
+ 3rd
minor + 3rd
- 3rd + 4th
- 4th + 5th
- 5th + 6th
- 6th + 7th
- 7th
tonic b2nd 2nd b3rd 3rd 4th b5th 5th #5th 6th b7th 7th
3
3 4 3 4 3 4
3 3 3 3 4
2 2
2 2 2 2 1 2 2 2 2 1
-3 -3
-1 -2 -2 -3 -2 -1 -2 -2 -2 -2
3 3
3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
3 3
4 3 3 3 3 4 3 4 3 3
-4 -4
-3 -3 -3 -4 -4 -3 -4 -3 -4 -4
5 5
5 5 5 5 5 6 5 5 5 5
-6 -6
-5 -6 -5 -6 -5 -5 -6 -5 -5 -6
6 6
7 6 7 6 7 7 6 7 7 6
-7 -7
-7 -7 -7 -7 -7 -7 -7 -7 -7 -7
8 8
9 9 9 8 8 9 8 9 8 8
-9 -9
-8 -9 -9 -9 -9 -8 -9 -8 -9 -9
9 9
11 10 10 9 10 11 10 10 10 10
-10 -10 -10 -10 -10 -10 -11 -10 -10 -10 -10 -11 Key=C
(単位=半音)
*