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 今回,タンパク質拭き取り検査法について,果 たして実際に使えるのか?という実学的な点につ いて焦点を絞って行った研究結果を御紹介させて いただいた。実際にこのような研究結果は欠如し ており,実際,今回のタンパク質拭き取り検査法 についても手法の開発は遠く昔に行われ製品化さ れているものとはいえ,今回のような検証データ は見当たらなかった。本来,このようなデータを 食品企業は必要としているのであるが,本研究の ような,新しい商品開発でも何でもないことに対 して,わざわざ費用と労力を出してまで結果を得 ようとは,例え大企業であっても実行に移すのは 難しい。なぜなら,それは新しい利益を生み出す 開発ではないとの判断ゆえである。この点は著者 も理解できるし,それ故,研究できる機関がこの ような技術情報を提供すことは大事だと思ってい る。実際,本稿の内容について多くの方から著者 のところに問い合せがあり,多くのところで今回 の内容をお話させていただける機会も幾度か得ら れた。また,このような具体的データの公表はた いへんありがたいとの意見もいただいた。逆に,

先日,衛生の改善や管理についてこのような内容 をお話させていただいたときには,「食品会社は

単品での利益が小さいものであるから,僅かな出 費であっても抑えたいところであり,そんなこと などやってられない」という否定的なコメントを いただいた。これらは,各企業それぞれの事情の 判断であり,その考え方も正しい。問題は,何を 改善したいのかを明確にして,そのためにどうす れば具体的方向性を見いだせるのか,それはコス トに見合う期待値を上回るものかの判断であり,

それは実状で判断していただくしかない。しかし,

昨今,科学的根拠が明 瞭りょうな自主衛生管理マニュ アルの作成が求められている背景の中,何かしら の科学的な方法で食品製造現場の作業環境をモニ タリングできる汚染管理技術について,今後さら に情報が求められてくるであろう。我々の研究成 果がどう判断されるのであれ,このような情報の 提供が何かしら食品企業の衛生改善につながるこ とができれば幸いである。

参 考 文 献

1) 沼間雅之:発色技術を用いた洗浄度管理と電解水等 の簡易有効塩素濃度測定,食品と開発,33(7),

39-42(1998)。

2) 川崎晋,他:蛋白質ふきとり法による食品製造現 場での自主衛生検査の活用法とその有効性,日本 食品微生物学会雑誌,23(4),230-236(2006)。

第3表 タンパク質拭き取り検査法とその他の汚染判断結果との相関性 タンパク質拭き

取り検査結果 微生物汚

染の有無 現場監督者の目視

による汚染判定結果 洗浄後 洗浄前 合計

+ + + 0 9 9

+ + - 4 40 44

+ - + 0 15 15

+ - - 0 5 5

- + - 1 2 3

- - - 57 19 75

62 90 152 第4表 汚染原因特定結果との関連性のまとめ

タンパク質拭き取り検査結果

+

-何かしらの汚染

原因特定結果 + 68 3

- 5 76

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食 品 と 容 器 2009  VOL. 50  NO. 5

◇08年家庭用ココア市場,低迷に歯止め

 家庭用ココアはテレビで取り上げられたことや,

健康系の商品のヒットで02〜03年は,「第2次ブ ーム」と言われるほど市場が拡大したが,その後 はヒット商品に恵まれず年々規模は縮小し,ここ 数年はブーム前の市場規模まで縮小した。今シー ズン(08年4月〜09年3月)は,最需要期の秋に 商品の大規模なリニューアルや,販促活動など動 きが見られたが,12月以降市場がやや縮小し前年 並みで着地する見通し。

 08年市場は前年並で着地

 今シーズンは,ファミリー向けのミルクココア を中心に,各社が主力ブランドのリニューアルや 販促活動を強化。販促が活発化したことで,シー ズンインの9月は好調にスタートしたが,12月は 景況悪化や前年同月のベースが高かったことから 市場は低迷。通期ではほぼ前年並と横ばい推移に なった。

 商品では,スタンダードタイプの「ミルクココ ア」の強化策が目立った。04年に発売された「黒 豆ココア」を始めとする健康タイプのココアが縮 小したことや,嗜好性に特化したアイテムが落ち 着いたことから,各社はボリュームゾーンのスタ ンダードタイプへ注力する傾向が見られた。

 アイテム別に見ると,市場の約8割を占めるイ ンスタントは主力の徳用袋が強化されたこともあ りほぼ前年並。一方,個包装の分包,スティック タイプは,昨シーズンまでは好調に推移していた が,今年はブランドごとに明暗が分かれた模様。

「消費者のユニットプライスに対する意識が進ん だこともあり,12月以降動きが鈍化しているので は」との意見もある。容量変更に伴い,入り数が

減ったことも価格に敏感な消費者が反応したよう で,「お得感」のある徳用袋へシフトする流れが 見られた。

 また,原料の高騰に伴い,商品の価格改定や容 量,入り数の見直しなども一層進んだ。主力のイ ンスタント袋物は 300gが中心となっている。品 目別では,インスタントは主力の袋物は前年並,

分包タイプは微減,スティックタイプは微増で,

トータルはほぼ前年並み。ピュアココアは,シー ズン通して大きな変動はなく前年並で着地。

 ココアパウダー供給状況

 原料となるココアパウダーの供給量は,08年(1

〜12月累計)は,47%増の2万1,989トン,輸入 は14.8%増の1万8,018トンとなった。市場の推移

(4〜3月累計)とは異なるものの,トータルで は26.8%増と4万トンの大台をクリア。輸入は03 年以降一進一退となっているが,ここ5年間で最 大の伸びとなった。単価は2.1%減の273円。国内 生産は,無糖が2.4%増,加糖が56%増とボリュ ームの多い加糖がけん引し,大幅な伸びとなった。

 今後の市場

 家庭用のココア市場はブーム後右肩下がりだっ たが,ここ3年はほぼ横ばいで推移しており,「現 在の市場規模は実需を反映した規模」(メーカー 筋)となっている。

 ただ,安定期に入ったとはいえ,「新しい切り 口の商品,話題性がない」(流通筋)との声もあり,

主力のスタンダードタイプ以外の商品のテコ入れ が今後の課題となりそうだ。また,内食化に伴い,

子供のおやつとしての位置づけから,朝食時やデ ザートなど家庭内での飲用シーンの提案で消費拡 大に期待したい。  (業界誌記者 稲野結子)

業 界 ト ピ ッ ク ス

第1表 家庭用ココアメーカー別実績 (単位:百万円)

メーカー 年度 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年見込み

金額 シェア 金額 シェア 金額 シェア 金額 シェア

森永製菓 8,030 40.4 6,600 39.7 6,800 40.9 6,870 41.3

明治製菓 5,700 28.7 4,850 29.1 4,850 29.1 4,700 28.2

片岡物産 2,900 14.6 2,800 16.8 2,970 17.8 3,270 19.6

ネスレ日本 950 4.8 950 5.7 930 5.6 930 5.6

名糖産業 190 1.0  170 1.0  170 1.0  220 1.3

和光堂 190 1.0  160 1.0  150 0.9 160 1.0 

日本ヒルスコーヒー 130 0.7 100 0.6 90 0.5 70 0.4

ハーシー 130 0.7 100 0.6 80 0.5 70 0.4

その他 1,660 8.4 910 5.5 600 3.6 360 2.2

合 計 19,880 100.0  16,640 100.0  16,640 100.0  16,650 100.0  注)1.年度は各企業決算年度 2.一部推定 3.金額は出荷ベース

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食 品 と 容 器 2008 VOL. 50 NO. 5

 包装材料に求められる機能として最も重要なも のは中身の食品を保護することであり,これには 酸素や水蒸気などに対するバリア性が必要となる。

しかし包装にはこれ以外にも利便性や快適性など 多くの機能が求められる。そこでバリア性だけで なくそれ以外の望ましい機能を発揮する包装とい うことで1987年米国ミネソタ大学のLabuza教授 により“アクティブパッケージング”という用語 が使われるようになった。さらに90年代後半に入 り,ICタグ(RFID)およびICタグとセンサーあ るいはそれ以外の自動認識媒体を組み込んだパッ ケージを“スマートパッケージ”,温度・熱履歴・

ガス濃度等のインジケータを搭載したパッケージ を“インテリジェントパッケージ”と呼んで区別 して使われるようになっている。

 スマートパッケージは,ICタグなど自動認識媒 体を使って,SCM(Supply Chain Management),

流通管理,品質保証,偽造防止,万引き防止など を行う技術として普及しつつある。RFIDとは,

Radio Frequency Identificationの こ と で,ICを 組み込んだタグを物や場所に取り付けて,その判 別や位置確認を行うものであり,流通中の在庫管 理や品切れ防止,入出庫管理を行うことが可能で ある。医療分野においては,偽造防止のために百 ミクロン単位のマイクロサイズのタグが開発され ていて,生産者,製造会社,日付け,ロットから 流通経路まですべての情報が製品毎に付けられる ため個別管理が可能となる。盗難防止包装として は,トレーにRFIDラベルを内装することで,ス ーパーマーケットの出入り口の読み取り装置によ り警報が発せられて認知される仕組みとなってい る。

 ICタグは現在ではまだ価格が高く,個々の日

用品に広く搭載できるレベルには至っていない。

したがって,利用されているのは,パレット・箱 単位での物流管理や限定された製品・店舗での利 用に限られている。一方,青果物包装での利用を 想定した試験なども実施されている。青果物やフ ィルムに付着している水分の影響でマイクロ波が 減衰し認識率が落ちてしまう,ネットやラップ,

袋といった包装形態により読み取り精度が異なる といったいくつかの問題が指摘されているが,今 後の青果物など食品の個包装用タグとしての応用 が期待されている。

 また,ICタグ以外の自動認識媒体として,QR コードなどの二次元バーコードやシリアル番号を 包装フィルムに印刷したりシールとして貼り付け たりする方法も行われている。例えば,青果物用 ネットカタログというものがあるが,ここでは消 費者が包装フィルムに印刷してあるQRコードを カメラ付き携帯電話で読み取ることでホームペー ジにアクセスでき,さらに青果物ごとに付いてい る8ケタの識別子を入力することにより個々の青 果物の生産履歴など生産情報を確認することがで きるというものである。この方法では特別なタグ などを必要としないことから,コストをかけずに 商品の情報を得ることが可能となる。

参 考 文 献

1) 井坂勤「最新 食品用機能性包材の開発と応用」,

日本食品包装研究協会編,シーエムシー出版発行,

18-34(2006)

2) 佐藤和憲「最新食品用機能性包材の開発と応用」,

日本食品包装研究協会編,シーエムシー出版発行,

251-260(2006)

3)北澤稔,日本包装学会誌,17(3),210(2008)

4) Gordon L. Robertson, Food Packaging principles and Practice, Taylor & Francis, 285-311(2006)

5)青果ネットカタログ,http://seica.info/

 ((独)農業・食品産業技術総合研究機構

食品総合研究所 石川 豊)

スマートパッケージ

(Smart Package)

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 技術用語解説 

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