7.2.1
小児および先天性心疾患における心房中隔穿刺術の 適応
左心系の診断や治療のためのルートが必要な場合,適応
となる539,540).左心系へは大動脈から逆行性に到達する方
法もある.右房からの心房中隔穿刺のほうがメリットがあ る場合や,心房中隔穿刺でしか左房に到達できない場合 に,リスクを考慮して,適応を決定する.適応となる疾患,
病態を表26に示す539–543).先天性心疾患では,心房,心室,
大血管の位置が通常と異なることが多いので注意が必要 である.
7.2.2 手技
穿刺針には,小児用(
62 cm
)と成人用(72 cm
)とがあ るので,体格に応じて選択する.シースは5
~9 F
である.最近,高周波を用いた穿刺針が認可された(
Baylis Medical Co.
).穿孔の瞬間,通電は切れるので,穿刺針よ 表26 小児および先天性心疾患における心房中隔穿刺術の適応
1. 電気生理学的検査,カテーテルアブレーション.
1)正常心の左房起源不整脈.
2)Fontan術後の左房起源心房頻拍.
3)Mustard術後,Senning術後の左房側の頻拍.
2. 左心低形成症候群術前で,心房間交通狭小化.
3. 完全大血管転換症術前で,心房間交通が閉鎖.
4. 先天性僧帽弁狭窄症に対するバルーン形成術.
5. 大動脈弁狭窄や大動脈縮窄に対するバルーン拡張術を順行性 に行う.
6. 大動脈弁人工弁置換術後,左室圧を測定.
7. 肺静脈圧,肺静脈楔入圧の測定.
8. 肺静脈楔入造影(肺動脈を逆行性に造影する).
9. 肺静脈狭窄に対するカテーテル治療.
り安全に心房中隔穿刺が施行できる可能性があるが,その 安全性や有効性は今後の課題である543).
7.2.3 リスク
空気塞栓,血栓の予防に最大限の注意を払うべきである る540).小児では心房内のダイレーター操作で穿孔するこ とがある.穿刺針が左房後壁を貫通することもある.シー ス+ダイレーターが誤った場所に入った場合には,不用意 に抜かないことが大切である.輸血の準備,外科医の待機,
手術室の準備,心嚢穿刺の準備,手術室への移動など必要 な処置を行う.
付表 先天性心疾患、心臓大血管の構造的疾患(structural heart disease)に対するカテーテル治療のガイドライン:班構成員の 利益相反(COI)に関する開示
著者 雇用または指 導的地位(民
間企業) 株主 特許権使用料 謝金 原稿料 研究資金提供 奨学(奨励)寄附金/
寄附講座 そ の 他 の報酬
配偶者・一親等 内の親族,また は収入・財産を 共有する者につ いての申告 班員:赤木 禎治 セント・
ジュード・メ ディカル日本ライフラ インテルモ
班員:上野 高史 サノフィ・アベンティス
持田製薬 ボストン・サ
イエンティ フィックジャ パン 班員:
吉川 公彦
第一三共 Cook Japan
ジョンソン・
エンド・ジョ ンソンメディコン
班員:
木村 剛
アステラス製薬
アボットバスキュラージャ パン興和創薬
第一三共
第一三共東レ・メディ カルHeart Flow, Inc.
サノフィノバルティスファーマ 第一三共MSD
武田薬品工業 生産開発科学研究所 アボットバスキュラー ジャパン
班員:
倉谷 徹
日本ゴアCook Japan シーメンス・ジャパン 班員:高山 守正 カネカ
アボットバ スキュラー ジャパン
第一三共
協力員:古森 公浩 第一三共 サノフィ大塚製薬
法人表記は省略.上記以外の委員・協力員については特に申告なし.
申告なし
班長:中西 敏雄 なし 班員:天野 純 なし 班員:大月 審一 なし 班員:小林 俊樹 なし 班員:坂本 喜三郎 なし 班員:杉山 央 なし 班員:田島 廣之 なし 班員:富田 英 なし 班員:原 英彦 なし 班員:矢崎 諭 なし 協力員:東 隆 なし 協力員:石井 徹子 なし 協力員:上田 秀明 なし 協力員:金 成海 なし 協力員:坂田 芳人 なし 協力員:田崎 淳一 なし 協力員:朴 仁三 なし