112 55% 14倍
精神科通院中の 40 ~ 50 代の 男性うつ病性障害患者では
6. 強迫的な、あるいは認知機能がやや低下した患者に 伝わり易い
7. 治療対象は、動機付けの高い患者かアルコール関連 問題が重篤な依存症患者に限られ、治療目標を受け 入れられない患者は排除される
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依存症者は何処へ?
~厚生労働省患者調査~
• アルコール依存症者109万人と言われる中・・・
平成26年患者調査による
アルコール依存症(F 10.2 )の総患者数 → 4万9千人
※総患者数・・・調査日現在において、継続的に医療を受けている者の推計値
• 1039万人のハイリスク飲酒者への対策は・・・
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実は依存症者も受診している!
• 依存症者推計109万人のうち・・・
医療機関を受診している者:82.9%
健康診断を受診している者:69.6%
↓
一般医療機関・健診での
早期発見・早期介入が不可欠!!
(尾崎ら、厚生労働科学研究、2014)
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アルコール問題の早期介入とは
主に精神科の立場からは
アルコール依存症の疑いがあるもの、あるいはアルコール 依存症でありながら他科を転々としているもの(推計109 万人)を、できるだけ早くアルコール専門治療施設受診に つなげること。
プライマリケアにおいては(もう一つの早期介入)
現在のままの飲酒を今後も続ければ、将来健康被害が及ぶ
可能性の高いハイリスク飲酒者(推計1039万人)の飲酒量を低減 し、リスクを軽減すること。
二つの早期介入
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早期介入の枠組み “SBIRT( S )”
Screening , Brief Intervention and Referral to Treatment (Self-help group)
• Screening :
スクリーニングテストを用い、アルコール関連問題を客観的に評価
• Brief Intervention:
1回15~30分、2~3回のセッションで行う、生活習慣の行動変容 を目指した行動カウンセリング
• Referral to Treatment:
「本物の」依存症者を専門治療につなぐ
(・Self-help group: 断酒会、AA(Alcoholics Anonymous)への橋渡しを行う)
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Ewing JA : Detecting alcoholism: The CAGE questionnaire. JAMA 252 : 1905-1907, 1984 斎藤学、池上直己:久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)とその応用。
アルコール研究13:229-238、1978
KAST
(Kurihama Alcoholism Screening Test)
CAGE
(Cut down, Annoyed, Guilty, Eye-opener )
AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)アルコール問題のスクリーニングテスト
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健康への影響の危険 家庭内での障害
職業上の障害
社会生活上の障害
飲酒に関連した問題のレベル
問題の少ない飲酒 アルコール依存症
AUDIT KAST
健康被害
KASTとAUDITの比較―判別に適した領域の違い―
軽症
スクリーニングに適した領域 重症
問題飲酒の評価
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AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)
WHOを中心に6ヶ国の共同研究として開発されたもので、未だ 医学的に明らかな障害は認めていないものの、持続していけば 将来健康を害する危険のある¨危険な使用 Hazardous use¨、及 び既に健康被害を招いている¨有害な使用 Harmful use ¨ の状 態にある飲酒者の同定を目的としている。日本語版は1996年に 廣らが発表した。
問題飲酒の評価
-AUDITを用いた問題飲酒の重症度判定-
廣尚典、島悟:問題飲酒指標AUDIT日本語版の有用性に関する検討。
日アルコール・薬物医会誌31:437-450、1996
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