BT剤
施設ナスでは平成 9 年頃から天敵利用によるミナミキイロアザミウマ防除が始ま った。これはホルモン剤の単花処理にかかる労力軽減のため、受粉用のマルハナバチ
8 引用文献
James, DG. and TR. Grasswitz (2005) Synthetic herbivore-induced plant volatiles increase field captures of parasitic wasps. BioControl. 50: 871-880.
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Maeda, T., J. Takabayashi, S. Yano, and A. Takafuji (1999) Response of the predatory mite, Amblyseius womersleyi (Acari : Phytoseiidae), toward herbivore-induced plant volatiles: Variation in response between two local populations. Applied Entomology and Zoology. 34: 449-454.
水谷信夫
(2006)カメム シ類雄成虫 のフェロモ ンとそれに よる天敵捕 食寄生者の 誘
引. 日本応用動物昆虫学会誌. 50: 87-99.
Ozawa, R., G. Arimura, J. Takabayashi, T. Shimoda and T. Nishioka (2000) Involvement of Jasmonate- and Salicylate-Related Signaling Pathways for the Production of Specific Herbivore-Induced Volatiles in Plants. Plant and Cell Physiology. 41: 391-398.
Ozawa, R., K. Shiojiri, MW. Sabelis,G. Arimura,T. Nishioka and J. Takabayashi (2004) Corn plants treated with jasmonic acid attract more specialist parasitoids, thereby increasing parasitization of the common armyworm. Journal of Chemical Ecology.
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Tentelier, C. and X. Fauvergue (2007) Herbivore-induced plant volatiles as cues for habitat assessment by a foraging parasitoid. Journal of Animal Ecology. 76, 1–8.
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神奈川県立フラワーセンター大船植物園 植栽課 関塚知己
1.背景
平成17年頃、国庫補助金所管部署に居た際に、生産者と普及機関がイチゴの天敵利用に 取り組んだのを手伝い、その効果を実感した。
その直後、普及機関(農業技術センター普及指導部)へ異動になり、若手のリーダー達と 今後の技術について語らったところ、天敵利用に強い興味を示した方が居た。その方と打 ち合わせを重ねて行った取り組みである。
2.経過
今までの農薬使用歴を聞きとりながら戦略を練った。花卉なので食料と違い、減農薬な どが有利販売につながるとは思えず、目的を「春先の収穫増時の防除労力削減」を第1目 標とした。他にこちらから候補としてあげたのは「水を使わないので灰色かび病対策にな る」「薬剤抵抗性発達を遅らせることができる」などを候補としたが、生産者の反応を見 て前述の通り決めた。
また、バラの場合、イチゴと違い、一端植えたら3~5年間はその株を使用するため、
施設内に常にバラがある状態になる。このため、年間ローテーション(春~夏に天敵を使用 し、夏には雑害虫対策の意味もあって影響の長い剤中心、秋から準備に入る)を練った。
天敵を実際に使用する直前に、生産者主催の研究会で天敵を取り上げてもらえることに なり、浜村先生を講師にお呼びした。先生の体系だった話のお陰で、実際に取り組む生産 者は2人増えて3人になった。
なお、この年は3人とも、3~7月頃まで、殺ダニ剤の散布回数がほぼゼロとなった。
3.問題点
初年度こそ、大成功となったが翌年から雨が多い気候となり、うどんこ病が多発した。
このため、硫黄燻煙がネックとなり、最初の3人以外は途中で挫折した。最初の3人も薬 剤散布のみでうどんこ病に対処したので、あまり労力削減にはならなかった。
現在でも、これが天敵利用上の最大の問題である。
4.発展
2年目からは最初に関心を示した生産者(横田氏)が食用バラの生産を始めた。初年度に 余程の手応えを感じたようである。この年からスワルスキーが上市され、横田氏の食用バ
バラのカブリダニを用いた省力防除法の普及
ラでの利用にも着手した。苗からのアザミウマ持ち込みがあり、春~夏まではアザミウマ が多発したものの、暑さとともにアザミウマが減り、その後、秋になってもアザミウマの 被害はほとんど発生しなくなった。翌年の春以降も、アザミウマの被害は激減し、時折、
飛び込みが原因と思われる発生が見られたが一時的なもので済んだ。もちろん、コナジラ ミはほぼ全く発生しなかった。
その後も同じ傾向が続いている。なお、「ブルーリバー」という1品種のみアザミウマ が多発したため、農業環境研究部に同定を依頼したところ、ネギアザミウマの寄生だった。
(バラで発生するアザミウマはほとんどがミカンキイロ)
5.その後
最大の問題点は、うどんこ病対策との兼ね合いである。一時期、ケイ素添加を検討した りもしたが、採算が合う効果にはならないようである。ヒートポンプを利用した微気象制 御が他県を中心に普及しつつあるので、これがもっとも効果的だと思われるが、残念なが ら神奈川県内ではヒートポンプの導入が遅れている現状である。
また、横田氏の食用バラ(当然、ほぼ無農薬)生産では最終的な課題としてカイガラムシ
の発生に行き着いているようだ。これは有機リン系殺虫剤が禁止されてしまったオランダ
でも同様になっており、有機リン系殺虫剤の登録維持は天敵利用の面でも重要だろう。
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写真1 サヤエンドウのうどんこ病 葉及び茎の発病(左) 莢(がく)の発病(右) 北海道立総合研究機構 道南農業試験場 生産環境グループ
三澤知央
はじめに
北海道における 2008 年のサヤエンドウの栽培面積は 135ha、生産量は 896t である。道 内では、道南の上ノ国町、道央の石狩市などを中心に全道各地に産地が点在している。
道産サヤエンドウは、高品質であるため市場の評価が高く、東京市場では 8~9 月、大 阪市場では 7~8 月にシェアが 50%を超えている。
サヤエンドウ栽培における最重 要病害はうどんこ病(写真
1)であ り、生産地では本病を対象に多数回 の薬剤散布が実施されている。一 方、近年安心・安全な農作物に対す る消費者の関心が高まり、これに対 応して減化学農薬栽培の技術開発 が全国各地で行われている。北海道 においても、有機栽培および減化学 農薬栽培の技術開発に取り組んで きた。しかし、サヤエンドウうどん こ病に対する減化学農薬栽培技術
については、道内および国内において未確立である。
本稿では、サヤエンドウを含め野菜類のうどんこ病に対して登録を有する薬剤のなか から、有機栽培において使用可能である
5薬剤について、サヤエンドウうどんこ病に対 する防除効果と残効期間を検討した結果について紹介する。
各薬剤の防除効果と残効期間
試験は 2008~2010 年の 3 年間、北海道北斗市の道南農業試験場露地圃場で実施した。
いずれの年次も、品種「白花砂糖」を供試した。3 年間の播種日および収穫期間は、表 1 に示した。
表1 耕種概要および薬剤散布月日
試験年次 播種日 収穫期間 薬剤散布月日
2008 7/17 8/29~10/15 8/13, 21, 27, 9/5, 12, 19
2009 7/15 8/27~10/22 8/14, 21, 26, 9/3, 10, 18, 25, 10/1 2010 7/21 8/30~10/22 8/6, 13, 20, 27, 9/ 2, 10, 16, 24, 10/1
有機栽培で使用できる数種殺菌剤のサヤエンドウの
うどんこ病に対する防除効果と残効期間
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試験には、有機栽培で使用できる 5 薬剤および対照薬剤として化学農薬であるトリフル ミゾール水和剤を供試し(表 2),表 1 に示した日程で薬剤散布を行った。
表 2 有機栽培で使用できる 5 薬剤の葉・茎・莢に対する防除効果(2008~2010 年)
2008年
希釈
供試薬剤 倍数 発病度 防除価 発病割合 防除価 調査莢数 病莢率(%) 防除価 薬害
水和硫黄剤 ×500 0.0 100 0.0 100 500 0.2 99 -
炭酸水素ナトリウム・銅水和剤 ×750 0.9 99 2.9 96 425 0.4 99 -
脂肪酸グリセリド乳剤 ×300 1.1 98 18.6 72 492 0.6 98 ±
炭酸水素ナトリウム水溶剤 ×800 4.4 94 33.9 49 489 1.9 94 -
バチルス・ズブチリス水和剤 ×500 7.9 88 38.6 42 414 4.6 86 -
対照)トリフルミゾール水和剤 ×3,000 0.0 100 0.0 100 443 0.4 99 -
無散布 68.2 66.8 382 33.4
2009年
希釈 8/27- 10/8
供試薬剤 倍数 発病度 防除価 発病割合 防除価 調査莢数 病莢率(%) 防除価 薬害
水和硫黄剤 ×500 0.0 100 0.0 100 763 0.4 100 -
炭酸水素ナトリウム・銅水和剤 ×750 0.3 99.6 11.8 82 905 3.0 97 -
脂肪酸グリセリド乳剤 ×300 0.0 100 4.2 94 732 1.4 98 ±
炭酸水素ナトリウム水溶剤 ×800 6.2 92 22.2 67 813 7.7 91 -
バチルス・ズブチリス水和剤 ×500 9.2 88 18.1 73 722 6.8 92 -
対照)トリフルミゾール水和剤 ×3,000 0.0 100 0.0 100 626 0.5 99 -
無散布 74.6 66.6 751 88.6
2010年
希釈
供試薬剤 倍数 発病度 防除価 発病割合 防除価 調査莢数 病莢率(%) 防除価 薬害
水和硫黄剤 ×500 0.0 100 0.0 100 672 0.3 99 -
炭酸水素ナトリウム・銅水和剤 ×750 0.0 100 3.5 95 497 1.3 95 -
脂肪酸グリセリド乳剤 ×300 0.0 100 5.5 92 608 1.4 94 ±
脂肪酸グリセリド乳剤 ×600 1.1 98 25.3 64 577 2.2 91 -
炭酸水素ナトリウム水溶剤 ×800 0.3 99 22.7 68 548 2.7 89 -
バチルス・ズブチリス水和剤 ×500 7.5 85 36.2 48 631 4.5 82 -
対照)トリフルミゾール水和剤 ×3,000 0.0 100 0.0 100 600 0.6 98 -
無散布 50.2 70.1 446 25.4
発病調査月日
9/29 9/29 8/29- 9/29
10/7 10/7
葉 茎 莢
発病調査月日
発病調査月日
10/8 10/8 8/30-10/7
莢
茎 莢
茎
葉 葉
本病は葉、茎、莢に発生するため、それぞれの部位の発病状況を調査した。葉の発病
は、野菜類殺菌剤圃場試験法(日本植物防疫協会)の基準に従って調査し、発病度を算出
した。茎の発病は、草丈を測定するとともに、各株から最も上位まで発病した茎を選ん
で地際部から連続して白色となった高さ(茎発病到達位置)を測定し、次式により発病
割合を算出した。発病割合=茎発病到達位置÷草丈×100。莢の発病は、全収穫莢につ
いて発病の有無を調査し、病莢率を算出した。
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