カナダと聞いてみなさんは何を想い浮かべますか?ナイアガラの滝とかカナディア ンロッキーでしょうか。最近では悪名高きSARSや狂牛病かもしれません。しかし、
実際のところ、カナダの人々はSARSや狂牛病をあまり気にかけることもなく、大自 然に囲まれて、ゆったりと生活しています。
私は現在、そんなのんびりとしたカナダの首都、オタワにあるカールトン大学で分 散データベースの研究をしています。今日はカナダにおける大学の様子や日本文化へ の関心の高さなどについて紹介したいと思います。
大学の雰囲気
一言でいうと大学の雰囲気はすごく自由です。そして、教授やスタッフには、いろ んな人がいます。その中には、 Fxxk とか平気でいう人、 Hi と私がいっても無視 する人、Emailをなかなか返さない人、約束を守らない人とかもいます。しかし、カ ナダの雰囲気そのままのおおらかで穏やかな人ももちろんたくさんいて、研究しやす い環境を作り上げています。それから、びっくりしたのは、家族を大切にしているの
で、夕方の5時になるとみんなさっさと帰宅することです。ビジネスとプライベート をちゃんとはっきり区別している人が多いのです。もちろん、クリスマスの時期とか にはおしゃれなパーティとかはありますが、こうした集まりはそれほど多くなく、日 本では仕事の区切りごとにもつ鍋とビールで打ち上げをしていたのとは、好対照です。
学生については、こちらの学生はよく勉強するというイメージがありますが、私の 印象では全体の1/3はそうですが、2/3はそうではないような気がしていました。
しかし、後々分かったのは、その2/3が怠け者というわけでは無く、彼らの一学期 あたりの履修科目が多すぎて、それぞれの科目にさける時間が少ないのです。なぜな ら、こちらの大学では、日本の大学と違って、一定数の単位をとれば年数に関係なく 卒業です。従って、一学期あたりの履修科目を多くすればする程、卒業が早くなりま す。もちろん、それらをパスしないといけないし、科目をとる順番や学期がきまって いる等の制約はあります。また、いい成績をとるための執念もすごいもので、私が教 えていたクラス(こちらでは博士の学生が学部生に非常勤講師として教えることがあ ります)では、私の前ですごんできたり、泣き落としをしてくる学生もいました。ポ ルノの写真を自分の顔に変えられて送られた先生もいます。普段はのんびりしている 学生でも、勉強に関しては日本以上に、いい意味でも悪い意味でもハングリー精神が 満ちあふれています。ちょうど日本の時の受験戦争に似ています。だから、教授達と 違って、学生達は夕方5時どころか、よく徹夜しています。
また、私の所属しているコンピュータサイエンス学科は中国人の学生が多くて、私 は最初、中国の大学に来たのかと思ったほどです。教室でも中国語が飛び交っていま す。私も知らない人から中国人と間違えられたり、突然 宿題できた? とか中国 語で聞かれたりすることもよくあります。
教えている人ももちろん真剣です。なぜなら、コースごとに学生が評価し、その評 価が次の学期のコースを教えられるかいなかに響いてくるからです。また、最近は北 米全部の教授を評価するウェッブサイトも登場してきました。私が非常勤で教えてい たコースの評価では、全体的にはいい評価ももらえましたが、中には、 彼のしゃべっ ている言語は英語か? というコメントもあり、落ち込みました。
カナダでの日本文化
日本に興味を抱いているカナダ人は比較的多いです。オタワにも日加協会など日本 に関係するグループがいくつかあります。軟派なグループもあります。その中には日 本人の女性にだけ興味があるようなカナダ人の男性達がいます。彼らは日本人の男性に は目もくれず、ひたすら女性に声をかけています。ラングエッジエクスチェンジと称 して、日本語を習い英語を教えるという名目で、女性に近づくのです。普通ならデー トに誘ったら断られるところを、ラングエッジパートナーとしてなら断られることも 少ないという訳です。日本人の女性は従順でおとなしいイメージがあり、こちらでは 大変人気です。こういう風に考えるカナダ人男性も多いので、日本人の女性は気をつ けたほうがいいと思います。反対に日本人の男性は全く人気がありません。だから、
日本人の男性は、こういう心配をする必要はありません。私の察するところどうも日 本人男性はこちらの男性のようにまめに女性につくしてないのでしょう。その結果か もしれませんが、日本人女性とカナダ人男性のカップルは多いですが、その逆はあま り見かけません。
それから、カナダでは日本に関連した映像を目にすることも珍しくありません。中 でも、アニメの人気は根強いものがあります。アニメファンの友達に突然“めぞん一 刻の響子さんがいい”と言われた時にはぶったまげました。大学でも毎年オールナイ トのアニメ祭りがあります。日本の一般映画も入ってきて、普通のビデオレンタル店
で“リング”とかも手に入ります。テレビでも日本人は出てきますが、少し変な日本
人が多いような気がします。一番ひどかったのは、イギリスで作られた“BANZAI”
というテレビ番組です。その番組では、日本人を馬鹿にしたものが多くて、しかも番 組で出てくる文字は日本語のようなのですが、私には理解できませんでした。抗議が 殺到したのか、すぐ放送されなくなりましたが、その後でなんだか寂しくなりました。
日本から離れて生活していると、たとえ悪くても、日本が話題に登場したほうがまだ
ましと感じてしまうのかもしれません。
日本の料理にしても、日本食レストランがありますが、うどんが一杯1000円く らいするような感じなので、よほど日本食が恋しくなったときしか行きません。他の レストランも中華料理を除いては値段が高めなのですが、日本食レストランはワンラ ンク高いように思います。しかも、15%の税金とチップを払わなくてはなりません。
また、学食も日本食レストランなどあるはずもなく、ファストフードばかりであまり おいしくありません。日本食を食べるなら自宅で料理をするのが一番で、その結果、
私の料理の腕は上達しました。幸い、日本料理に使うほとんどの食材は中華街などで 手に入ります。毎日学校へ持っていくお弁当にもよく日本料理のおかずを入れていま す。しかし、一回しゃぶしゃぶを大根おろしにつけて持って行ったら、その匂いが 校舎全体に充満して、怒られました。大根おろしとはこんなに臭い物だったのかと思 い知りました。
お酒については、ビールは世界のビールが飲めますが、最近、スーパードライとか 一番搾りも飲めるようになりました。スーパードライをよく飲みますが、いつも飲み 慣れているものとなんか味が違うと不思議に思っていました。ある日、よくよくラベ ルを見てみると、何とチェコ産のスーパードライでした。日本酒は大関とか安いもの しかありません。焼酎はありません。熊本生まれの焼酎好きとしては悲しいものがあ ります。
カラオケボックスも最近できました。通信カラオケではないので、最新曲はありま せんが、3ヶ月遅れくらいで入荷します。「モーニング娘。」の曲はよく歌います。
最後のまとめとしては、カナダは多民族国家なので、様々な文化に触れることがで きます。それがこの国の魅力であり、この国の力ではないかと思います。そして、日 本人の友達もいますし、日本のように生活しようと思えばできます。他の人から日本 のことをよく聞かれますし、日本についてよく知っていなくてはなりません。私も日 本の良さを再発見して、日本が以前にも増して好きになりました。文化の多様性を味 わいつつ、日本文化を大切にしながら生きている毎日がすごく魅力的に思えてなりま せん。