平成26年度の総合研究大学院大学文化科学研究科の学術交流フォーラムは1年あけての開 催だったことから(平成25年度には実施しなかった)、担当教員としては非常に緊張していた。
前回の平成24年度実施のフォーラムは国立歴史民俗博物館を会場として実施し、担当の仁藤 敦史先生が学生たちを組織して見事な采配をふるって実施されており、こちらは2年かけて 準備しておいて無様なものをやるわけにはいかないというプレッシャーがかかっていたこと は否めない。しかも、担当教員を引き受けたものの、前回の見事なフォーラムに圧倒される ばかりでこちらには何のアイデアも浮かばない。
しかし、教員側がだめな場合にはその下にいる学生たちが動かざるをえないために、逆に 学生側から次々とアイデアが生まれて結果的にうまくいくこともある。今回学生企画委員と して集まってくれた学生たちはいずれも個性豊かであるとともに、新鮮な発想の持ち主ばか りだった。少々危ないものもあったが、正直彼らが出してくるアイデアにこちらが舌を巻く ことが多かった。まず強烈だったのは神楽を上演するという日本歴史研究専攻の鈴木昂太さ んの企画だった。それは準備のかなり早い段階で提案されてきて、実は私は準備期間中ずっ とそのことが頭から離れなかった。その上で国際日本研究専攻の光平有希さんの音楽ワーク ショップと比較文化学専攻の西山文愛さんの料理ワークショップが提案されてきて、これら の行事だけで私の頭の中のフォーラムはいっぱいになってしまった。そのために、国際日本 研究専攻の春藤献一さんと日本文学研究専攻の黄昱さんがポスター発表や口頭発表、それに パネルディスカッションなどを準備していると聞いて正直ほっとした。そして、当日報告や ポスターの様子を観察していて、これだけのことをよく短時間にここまで準備できたなと感 心していたのである。これもおそらくは事務局を引き受けてくれた卒業生の宮脇千絵さんと、
今年度の学生企画委員長としてフォーラム全体を統括していた地域文化学専攻の東城義則さ んの采配によるものだったのだろう。
12月20日と21日の両日には研究科の教員と学生併せて70名ほどが会場に集まり、研究報告、
ポスター発表ともに活発な議論が行われた。さらに21日のワークショップと神楽には一般の 来館者も多数集まった。したがって、人の集まりという意味でのフォーラムとしては成功だ ったといえるだろう。しかし、本フォーラムの主題である「文化をカガクする?」という問 題提起に対してどこまで応えることができたかについては、参加した学生たちの今後の研究 の行方を見定める必要があるかもしれない。
最後になりましたが、学生企画委員会で貴重な助言をいただいてきた学融合推進センター 特任教員の藤井龍彦先生と七田麻美子先生、ワークショップでご指導いただきましたメディ ア社会文化研究専攻の仁科エミ先生と国立民族学博物館の菅瀬晶子先生、見事な神楽を上演 してくださった市山神友会の皆さん、口頭発表、ポスター発表、パネルディスカッションで ご報告いただきました教員と学生の皆様、そして会場に集まっていただいた方々全員に心よ り感謝申し上げます。また、本フォーラムの開催に全面的にご協力いただきました総合研究
大学院大学学融合推進センターと国立民族学博物館に御礼申し上げます。
平成27年2月13日 地域文化学専攻長(フォーラム担当)
佐々木史郎
総合研究大学院大学 文化科学研究科