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いう視点と「歴史用語(つまり意味)」という視点の2つの方向から検討している。そし て、その両方が設定できるものについては、そのいつれをもカード化を行う。以下、「征 夷大将軍」という歴史事項を例に、その具体的作業を述べる。源頼朝が征夷大将軍に就任 した歴史事項をカード化するにあたっては、次のような処理を行う。「征夷大将軍とは」

(カード属性一職制.カード分野一政治・中央政治・幕府)と「源頼朝、征夷大将軍に就 任する」 (カード属性一政策.カード分野一政治・中央政治・幕府)という2つの「カー

ド名」を設定するのである。両カードの分野はともに 、政治・中央政治・幕府.とおなじだ が、カード属性については、前者は政策.後者は制度となる。そして、「解説文」の内容 は、前者のカ■一・・一・ドは、学習者が歴史用語としての「征夷大将軍」について、後者のカード

は、1192年におきた事件としての将軍就任について記述する。この作業により、歴史 事項の内容解説を損なうことなく、個々の「出来事」 (事件・政策)についてのカードが 作成できる。そして、このカードは年代順に並べることが可能な点から、可変型検索と併 用して上記の語群抽出による「歴史的変化」の表示ができるようになる。

 その具体例を示す。図皿一23は、 「二般事項検索の年代別検索」と「可変型検索」を組

1183.10 源頼朝、搬国支配権を獲得する 1184.10 公文所が設置される 11q4。10 問注所が設配される 1185. 鎮西奉行が設置される 1185.11京都守撞が設置される 1185.11守護・地口が設置される 1189. 奥州総審行が設置される 1192.07 源瓢朝が征夷大将軍ζなる 1219,06 藤原将軍(刀泉将軍》が始まる 1221.06 六波羅探題がおかれる 1225.  連暑がおかれる 1225.12 評定衆がおかれる

.1232.08 御成敗式目(貞永式目)が制矩 1249。12 引付衆が設置される 1252.02 鳳族将雛がむかえられる 1275。Ol 異国警固番役が始まる 1293.03 鎮西探観が置かれる 1297.03 永仁の毎政令が出される

図M−23 「歴史的変化」に気づかせる方策

み合わせた形である。これを使えば、カード属性が「事件」や「政策」といった特定年代 の歴史事象を、年代順に、「抽出欄」に表示することが可能となる。しかも分野別でその 内容を限定しておけば、それに関する変化を明確に示すことができるようになる。図では、

鎌倉時代の幕府の政治機構の整備が一覧表示されている。「カード名」だけをみても、幕 府の支配力がいつどのように拡大していくかを伺うことが可能である。

 以上、「歴史的変化」に気づかせる方策としては、出来事としての「カード名」を設定 することを主体に対応する。

④「時代の特徴と構造(社会・文化的ルール)」に対する工夫

 「時代の特徴と構造」に気づかせるには、次の2種類の方策で対応する。

・「可変型検索」システムを利用する。

・「エピソード」を活用する事で対応する。

 前者については、⑧の「歴史的変化」と同様の考え.に基づく方策である。③では、特定 の性格(共通項)を持つ複数のカードを比較検討し、その相違点を分析することにより、

「歴史的変化」を明らかにできるとした。これに対し、「時代の特徴と構造」を発見する ためには、複数のカードに共通するものを追求することにより、その特徴や構造にたどり 着けると考える。これは文化を考える場合に、顕著になる。例えば、鎌倉時代に新仏教を 打ち立てた僧侶に関するカードを集め、比較分析する。すると、彼らの共通点として、庶 民を対象に平易な教義を説いている点が明ら

かになる。これより、鎌倉時代の特徴のひと つである武士・庶民の台頭という文化面での 特徴を見いだすことができる。

 後者については つまり、 「歴史事象の記 述」の中に、エピソードを加え、それをもと に学習者に考察させるのである。特に政治・

社会面で人々の行動様式を規定した社会的ル ールを考えるには、有効な方法と言える。図 専一24は、 「三浦氏」について説明した「詳 細内容」カード(「詳細内容検索」で呼び出 すカード)である。この後半部分のエピソー ドは、当時の三浦氏の惣領が、源頼朝挙兵に

三浦氏の詳しい系譜(1)

桓武平氏の一族である。

その始祖は、公義といい平良茂(将門の叔父)の孫 にあたる。早くから源氏と主従関係を持ち、後三年 の役では源義家に従って東北に遠征し、多くの武勲 をたてた。三浦半島を拠点に勢力をはり、義明の時 には相模介となった。源頼朝の挙兵にあたって、義 明は三浦党を率いて援助したが、討ち死にした。

(エピソード)

義明の最期の言葉は、 「濠家代々の家人である自分 は、いまその『貴種』再興の時にめぐりあうことが できて、まことにしあわせだ」で、あったという。

[=三下〔=コ[=9Z=コ

氏代々の家人である(後略)」という表現のなかに、源頼朝の速やp>な勢力の回復の背後 にあった当時の関東武士の価値観・規範を見いだすことは可能である。

 以上の2っの方策は、互いに関連をもたないが、それぞれ文化・政治の方面において有 効に活用できると考える。

⑤「歴史的意義」に気づかせる方策

 「歴史的意義」に気づかせる方策としては、これをひとつの学説として紹介することで 対応する。つまり、学習者が、自らの疑問やその分析によって、 「歴史的意義」の発見に

までたどり着く事は不可能に近い。そこで、この「歴史的意義」については、「解説文」

の中で、その有力な説として具体的に紹介することで対応する。そして、この説の判断を 通して、学習者に「歴史的意義」に対する認識を持たせ、また各自の意見を持たせたいと 考える。従って、説の紹介に際しては、それが疑問のはさむ余地のない真実であるとの印 象を与えないよう注意する。つまり、確定された説であっても断定的な表現は避け、「〜

という説がある」「ふつう〜と言 われている」という表現形式をと

      コントロールパネルヘ メモ繊麗カード選択 細内容を検  関連事項検索一般事項検繁

      守護・地頭が設置されるる。

 図郭一25は、 「守護・地頭が設      1185年置源艇・源fiXが、舶 置される」という、 「資料データ

ベース探索」部分のカードの1枚 である。鎌倉時代の成立の時期に ついては、源頼朝の関東占領から 征夷大将軍就任にかけて6つの説 がある。そのなかでもっとも有力 なもののひとつが、この「守護・

地頭の設置され」た1185年説

である。しかし、その説の有力度 には触れず、ここではあくまで、

e

図皿一25 「歴史的意義」に気づかせる方策

ひとつの説として紹介するにとどめる。これにより学習者は、他の説を探したり、その根 拠を考えたりと、「守護・地頭の設置された」ことの「歴史的意義」についていろいろ考 察を深め、自分の意見を持つことができるようになる。

  以上、記述面から見た具体的方策にふれた。そして「資料データベース探索」の全カ

第3:節 「自主作品制作」部分の設定

 本教材では、主体的に学習する意欲を高めるための1方策として、学習者に、探究した 結果をコンピュータ作品としてまとめることを求めている。本節では1その作品制作の環 境となる「自主作品制作」部分について、その特徴を具体的に述べる。

■ 「自主作品制作」部分の設計方針

 「自主作品制作」部分は、学習者の探究した内容を作品にまとめさせるために、表現力 を高める各種のツール類を配した作業用環境である。その環境に必要な条件としては、次 のようなものがある。

 ①分かりやすく初心者の学習者でもたやすく操作できる事

 ②これまで学習した内容をいつでも参照できるような、作業上の便宜があること。

 ③強力な「プレゼンテーション機能」を持つこと。

 このうち、実際の設計にあたって問題となるのが、「プレゼンテーション機能」である。

ハイパーカードは、テキスト(文字)やグラフィヅク(画像.図版など)をカードに書き 込むプレゼンテーション機能を標準で装備しているが、これには機能面に制約が多い。す なわち、 「プレゼンテーション機能」としては、以下の機能が望まれる。

 ・カラーによる自由な描画

 ・既存の写真・図版の取り込みと加工(著作権に抵触しない範囲での)

 ・既存のカードに記された文章の自由な取り込み

 しかし、ハイパーカードの標準環境で使用できるのは、白黒の描画機能のみにすぎない。

しかも、使用にあたっては、画面最上部に配置されたメニューボタンを操作して呼びだす 必要がある。また、画面をカラー化するのにも、複雑な作業と種々の制限がある。

 本研究の「自主制作部分」の設計にあたっては、この問題に次のように対応する。まず、

各種ヅールの性能が不十分な点については、代替となるものがないため、それらヅール類 を使わざるを得ない。その代わり、操作性の改善をはかり、プログラムを書き込む事で、

各種のボタンで簡単にその機能を呼び出せるように設定する。これにより、不慣れな学習 者でも、簡単に操作できるようにする。この方針に基づき、実際の設計を行う。

2 「自主作品制作」の構二成

この様な方針に基づき作成した「自主作品制作」の構成について記す。

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