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 特定化  対象  数量

/ ↓ \ 趣) ㊥ ③

【図3.10:レベル1知識の例】(p.63)

(2)レベル2

 レベル2には,2つの知識状態が存在する。1つは,話の中に出てくるけれど も数量が明記されていない集合を表象することができる知識状態である。もう1 つは,集合間の関係を表象することができる知識状態である。

 1つめの知識状態は, 「誰が何を持っている」,あるいは, 「どこに何があ る」といったようなことは問題文の中に書かれているけれども,その数量はわか

らない集合についての表象を構成する。例えば, rJoeは,おはじきを何個か持っ ていた。」という情報は,この知識状態によって, 【図3.11】のように表象さ

れる。

【図3.ll:レベル2知識の例(未知数)】

 もう1つの知識状態は,結合,変化,比較といった集合間の関係についての表 象を構成する。この場合,一つ一つの集合は,ばらばらなものとしてでなく,結 びついた関係として理解される。例えば, 「農場主のJohnは,5頭の牛を持って いる。彼は,牛よりも3頭多くの豚を持っている。農場主のJohnは,豚を何頭持 っているか。」という問題をレベル2の知識状態によって理解すると, 【図3.

12】のようなネットワークが構成される。

一32一

特定化

      集合一比較

指示縁/

集合

対象\

数量

比癒\違い

   ↓  \\

特定化  数量     特定化  数量

/対象\ /対象\

      多い

【図3.12:レベル2知識の例(集合の関係)】(p.64)

(3)レベル3

 レベル3は,レベル2の知識状態によって表象された集合間の関係に,部分一 全体関係を加えた表象をつくることができる知識状態である。これは,3つの集 合のどれとどれが部分集合であり,どれが全体集合であるかを表象する。例えば,

集合間の関係が増加という変化の場合,レベル2の知識状態によって,3つの集 合はそれぞれ, 「初めの集合」,「変化の集合」, 「結果の集合」であることが 理解される。そこにレベル3の知識状態が加わることによって,初めの集合と変 化の集合が部分であり,結果の集合が全体であることが明らかになる。例えば,

この知識状態は, 「Joeは,おはじきを何個か持っていた。 Tomは,彼におはじき を5個あげた。Joeは,今,おはじきを8個持っている。 Joeは,初めに何個おは じきを持っていたか。」という問題に対して, 【図3.13】のようなネットワー クを構成する。

合一変化 部分一白

初め 部分

特定化

変化 部分  結果  全体

↓/

対象\

特定化  数量

【図3.13:レベル3知識の例】(p.66)

3.知識状態の違いによる難易レベル

 RileyとGreenoは,前述のような各レベルの知識状態によって問題を理解し,そ れをもとに文脈に述べられている状況をブロックによって構成し,そのブロック の数を数えることによって,問題を解くことができるとしている。そして,3つ の知識レベルのうち,どの知識状態によって問題が理解されて解かれるかによっ て,18タイプの問題を分類している。つまり,問題を解くために必要な知識レベ ルが,その問題の難易レベルになっている。以下,変化問題を具体例として,加 減文章題の問題解決の際に,どのように知識が使われて問題を解くことができる かを説明する。そして,それらをもとに,18タイプの問題がどのようにレベルづ けされているかについて述べる。

(1)各知識レベルでの問題解決

①レベル1の問題

 レベル1の知識で解くことができる問題は,結合1Rと2R問題,変化1と2 問題,比較1と2問題である。例として,変化2問題を考えてみる。変化2の問

題は次のような問題である。

Joeは,おはじきを8個持っている。彼は, Tomにおはじきを5個あげた。 Joe は,今,おはじきを何個持っているか。

まず, 「Joeは,おはじきを8個持っている」が提示されると,

      一34一

レベル1の知識に

よって【図3.14】◇のネットワークを構成する。そして,8個のブロックを置 くことによって,文脈に述べられている状況を構成する。次に, 「彼は,Tomにお はじきを5個あげた」が提示されると,やはりレベル1の知識によって【図3.

14】◆のネットワークを構成する。そして,Joeのおはじきが8個から5個減った ということを理解し,8個のブロックから5個取り去る。最後に, 「Joeは,今,

おはじきを何個持っているか」が提示されると,残っているブロックの数を数え ることにより,答えの3個を導く。

特定化

  対象     数量

  ↓ \

◆/解\

 特定化

         数量      対象

      ↓ \ /

【図3.14:レベル1知識を使う変化2問題】

 このように,問題文に明記されている集合について,一文ごとにネットワーク を構成することによって,文脈に述べられている状況をブロックによって構成し,

答えとして求めるべき数量をブロックで数えることができる問題は,レベル1の 知識のみを使って解くことができる。

②レベル2の問題

 レベル2の知識で解くことができる問題は,結合3Rと4R問題,変化3と4 問題,比較3と4問題である。例として,変化3問題を考えてみる。変化3の問 題は次のような問題である。

Joeは,おはじきを3個持っている。 Tomは,彼におはじきを何個かあげた。

Joeは,今,おはじきを8個持っている。 Tomは,彼におはじきを何個あげたか

まず, rJoeは,おはじきを3個持っている」が提示されると, 【図3.15】◇の 初めの集合についてのネットワークをレベル1知識によって構成し,3個のブロ

ックを置く。次に, 「Tomは,彼に,おはじきを何個かあげた」が提示されると,

変化した数量が未知数であるために,レベル2の知識が必要となる。そのため,

レベル2の知識によって【図3.15】◆の未知数の集合について表象する。それ をネットワークに加え,集合一変化スキーマを部分的に構成する(【図3.15】

⑨)。けれども,結果として,Joeのおはじきが何個になったかがわからず,ブロ ックは3個のままなので,この段階ではまだ答えを得ることはできない。そして,

「Joeは,今,おはじきを8個持っている」が提示されると, 【図3.15】◇の結 果の集合を表象することにより,集合一変化スキーマが完成し,問題が理解され る。最後に, 「Tomは,彼におはじきを何個あげたか」が提示されると,3個のブ ロックにいくつたすと8個になるかを数えることにより,答えを導く。

初め

集合一変化

変化

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