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(1)対象地1の45区、対象地2の24区の居住者のうち、住宅の緑地に満足しているの は半数程度に過ぎない。

(2)緑地の特性値と回答者の評価項目の相関性が認められたのは、高木の満足評価は高 木密度、常緑高木種の2つの項目と正の相関、低木の満足評価と鑑花低木種との正の相関、

公共緑地の満足評価と住棟エントランスから公共緑地までの標準偏差との負の相関、緑地 管理の満足評価と緑地管理状況の正の相関である。

(3)回答者の意見では、樹木の樹種や本数の増加を要望するものや、管理状況の改善を 要望するものが多い。

結章-55-

第5章.結章

本論文は4章から構成されている、各章で明らかにしたことを元に、本論文の目的に照 らしながら、本論文で得られた知見をまとめると以下のようになる。

(1)緑地の量について

統計上では、緑地量と住宅価格の正の影響を認めているが不動産会社の価格設定際には、

緑地量の増加により価格が必ず上昇するとは限らない(第3章)。また、緑地量の満足評 価と緑地率との相関係数が0.5程度と高くないため、緑地量の満足評価と緑地率の正の相 関系性は認められない(第4章)。以上により緑地量を増加すればよいということではな いことがわかる。

(2)緑地の配置について

住棟緑地量の満足評価と住棟に隣接する緑地面数との相関係数から、住棟と隣接する緑 地面数の増加では必ずしも住棟緑地量の満足評価につながらない(第4章)。住棟緑地に 植栽された樹木の配置、特に、居住室からの見え方に工夫が必要であると考える。住棟緑 地に植栽された樹木は多いものの居住室近くに亜高木と高木が配置され、緑地への視界が 限られる場合がある。(第2章)。課題としては、居住室から見える樹木の断面構成の検証 が必要である。

一方、公共緑地量の満足評価は、住棟エントランスから公共緑地までの距離の標準偏差 と負の相関性を認め、標準偏差を小さくする配置の工夫を検討する必要性がある。(第 4 章)。住棟エントランスから公共緑地までの距離の標準偏差を小さくする工夫としては、

公共緑地を敷地全体に広げることや、複数配置すること、公共緑地を住棟エントランスの 正面に配置すること、施設建物や駐車場を住棟と公共緑地の間に配置しないこと、住棟の 中にできる限り車道を配置しないことである(第1章)。

(3)樹種について

高木の満足評価は高木密度や常緑高木種と正の相関性を認める。低木の満足評価は鑑花 低木と正の相関性を認める。常緑高木種と鑑花低木種を増やすことは、居住者の満足評価 の向上に寄与すると考える(第4章)。販売時のセールスポイントの1つにもなっている。

(第3章)。ただし、対象地の厳しく寒く、降水量が少ない気候条件により、樹種の増加 は限られる。樹種の選定にあたり、気候条件の適合性の検証が求められる。

(4)緑地管理について

統計上や不動産の価格設定の際、緑地管理が価格に正の影響を及ぼすことが認められた

(第3章)。これは、入居後、緑地の維持管理が良ければ中古住宅の価格が上昇すること を意味する。この影響を居住者が認識されば、居住者の緑地管理に対する意識が向上する ことが考えられる。一方、良い緑地管理を行うための樹木の選定が必要である。対象地の 北京と呼和浩特では年間降水量が少なく、冬が寒いという樹木の生長に厳しい気候である。

結章-56-

乾燥耐性や耐寒性のある樹種を選定することで、水やりの費用の抑制や枯死率の低減など 管理状況の向上が期待される。

(5)緑地の配置計画について

ここで、(2)で得た知見をいかし、対象地1、2それぞれの集合住宅のうち、住棟エン トランスから公共緑地との距離が相対的に遠い事例No.12(対象地1)、事例No.15(対象地 2)を選定し、緑地配置を変更した(図5-1)。

概要を表5-1に示す。変更前、後の平面図を図5-1に示す。

表5-1案例の概要及び変更概要

表5-1によると量的に変更させた項目は、緑地面積、車道線数、駐車場の3つの内 容であり、駐車場は事例No.12では変更後は変更前より増やし、事例No.15では変え ていない。緑地面積は増やした。車道はNo.12では変更前より減らした。No.15では 変えていない。変更前、後の住棟エントランスから最寄り公共緑地との距離を表 5-2 に示す。

位置変化は住棟、施設建物、車道である。

変更前 変更後 変更前 変更後

147,756 147,756 108,011 108,011

21 21 33 33

18,682 18,682 19,692 19,692

14 14 8 8

24,207 24,207 7,964 7,964

20,141 23,428 15,008 15,008

43,928 45,639 32,511 38,761

住棟緑地(㎡) 23,786 23,786 28,274 25,403 公共緑地(㎡) 7,316 9,813 2,121 11,242 施設緑地(㎡) 11,252 11,252 2,117 2,117 道路緑地(㎡) 1,574 787 0 0

南ー北方面(線) 4 2 1 1

東ー西方面(線) 4 2 1 1

住棟 施設建物

車道 施設建物数(件)

施設建物面積(㎡)

No.12 項目内容

位置変化

ー 1

No.15

①②③④⑤⑥⑦⑲⑳㉑㉒

㉓㉔㉗㉙㉛㉝ A4,A5,A8 駐車場面積(㎡)

緑地面積(㎡)

4種類緑地の 面積

車道

④⑤⑥⑦⑧⑬⑱⑲⑳㉑ A6,A7,A12,A13 敷地面積(㎡)

住棟数(棟)

住棟建物面積(㎡)

結章-57-

表5-2 住棟と最寄り公共緑地の距離(住棟エントランスから最寄り公共緑地との距離)

表 5-2 によると変更後の住棟エントランスから最寄りの公共緑地との距離は短くなっ ている。事例No.12では平均距離182mから90m、事例No.15では、199mから59m。また、

標準偏差は90mから33m、124mから42mになっていた。

変更前(m) 変更後(m) 変更前(m) 変更後(m)

22 54 387 8

20 10 335 42

20 13 326 3

45 115 372 9

186 8 474 45

226 58 370 68

176 53 297 88

218 32 304 42

146 64 258 42

176 74 257 73

232 58 281 68

271 46 228 68

322 74 225 103

190 59 251 100

113 32 298 100

161 32 239 95

198 30 253 50

50 72 131 45

115 90 154 5

193 116 108 8

295 114 122 43

69 50

85 50

14 58

30 10

39 40

54 35

40 35

81 35

66 165

112 65

111 111

182 178

平均値 182 69 199 59 標準偏差 90 33 124 42

住棟番号 No.12 No.15

結章-58-

図5-1 事例No.12の平面図(変更前、後)

事例No.12変更前の平面図

事例No.12変更後の平面図 0

10m 50m  N

A

13

12 11

10

9

8 7

6

5 3 4

2

1

A

A A

A

A A A

A

A A

A

A

1 2 3

4 5

6 7 8

9 10

11 13

15

14 16

17 18

12

21

19 20

P

P P P P

A

13

11 10

9

8 7

6

5

3 4

2

1

A

A A

A

A A A12

A A A

A

A

5 6

7 8

9 10 11

13 15

14 16

17 18

12

21

19 20

P P P P

4

1 2 3

住棟

小学校用建物        

9

A ~

7 1 A :4

8

A :

A :

A :5

A 、 A :

21住棟 住棟エントランス

と最寄り公共緑 地の距離 :

子供の塾学校   

便利店         スパ

凡 例 1

-11 10

12

9

商店

ホテル A ~

7 1

A :

A : A :5

A 、

オフィス

13

A 、

6

A 、 A  :

駐車場 :

公共緑地 : 施設緑地 : 道路緑地 : 車道 :

住棟緑地 :

P:P

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