あ る と考 える。それ ゆえ話 し合 い活動 を行 うとき
,Yes,Noで
答 えるこ とがで きる よ うな2
極 の質問であつた り,方
向性 が一方の合意形成 の意味 を成 さない質 問で あつた りでは話 し 合 い をす る意味がない。教師 は,児
童 の探 究心や好奇心 をひ くこ とがで きるよ うな,問
題を考 える必要があ り
,そ
の質問に対 して,児
童同士で話 し合 うことが,算
数 にお け る伝 え 合 う力,説
明す る力 を高め る とともに,関
数 において重要 な事象 と事象 との関係 を見つ ける
,表
現す る とい う関数 の考 え方 を身 につ けることに効果的で ある と考 える。次は
4点
目の 「全員 の貢献 を促す」 とい うことについてであ る。BrOwn(2007)は ,コ
ミュニテ ィの構築において次の よ うに述べている。「私たちは
,一
人ひ と りの独 自の貢献 をた た えて奨励す ることのほ うが,参
画や エ ンパ ワー メン トとい った コンセ プ トに焦点 を当て るよ りも,は
るか に人の心 をゆ り動かす ものなのだ とい うこ とに気づ き始 めたのです。」 こ の説明 として,Brown(2007)は ,参
画が強調 してい るのに対 して,貢
献 にな る と,私
と私 た ちの関係 をつ くるこ とになるのだ と説明 している。貢献 とい う何 かを与える行為 は責められ るものではな く
,何
か を積極的に生み出す ことにつなが る。また
,BrOwn(2007)は ,貢
献 には話 し合いにおいて,発
言 をす るだけでな く,聞
き役 に な った り,絵
や 図 を描 いた り,質
問 を した りと様 々な形での貢献が あ り,カ
フェの空間は それ らを尊重 し,受
け入れ る と してい る。 つ ま り,ワ
ール ド・カフェ形式であれ ば,話
すこ とが苦手だか らと言 つて貢献できない とい うことにはな らないのである。
これ らの 「貢献」 とい う形で参加者全員が輪の中に入 ることがで きるよ うに
,参
加者 の 受 け入れ意識 をつ くる ことが ワール ド・ カ フェにおいて大切 とな る。 この ことを大切 にす るこ とで,授
業場 面において,算
数 が得意 な児童,苦
手な児童 の学力 に関係 な く話 し合 い に積極的に参加す ることが可能 と考 える。 苦手な児童 も得意な児童 の説明を聞いて理解す る ことがで きれ ば,苦
手な児童 は内容 が理解 できた ことか ら自信 につなげ られ る と考 え ら れ る し,得
意な児童 に関 して も,「 自分の説明によつて友達が理解で きた」 と自分 の有用性を再確認す ることがで きる。 さらに
,も
う2点の利点が考 え られ る。1点 目は説明を受 ける こ とによつて理解 できた児童が,他
の児童 に説明を再度行 うことに よつて, 自分の説明が 上手 くいけば,理
解が深 ま る とともに,自
分の説明が相手 に伝 わ つた と自信 につなが る と 考 える。2点
目は絵や図 を描 くとい う貢献 の形か ら発達障害の児童 に対 して も効果的 であると筆者は考える。話 を聞いてお くだけでな く, 自分が聞いた ことを図や絵 に即時に表現す ることで, 自身の整理ができるとともに
,周
囲への再確認 を促す ことに繋が り, じつ とし ていな くとも貢献 できる と考 え られ る ことか ら,効
果的であ る と考 える。次は 「多様 な視 点 を他花受粉 させ て
,つ
なげ る」についてである。 ワール ド・ カフェ内 においてアイデ ィアを どの よ うに他花受粉 させ るのかであるが,第
1節 の図で示 してい る よ うに,ま
ず は,第
1ラ ウン ドで 自分たちのグループ内でアイデ ィアを出 し合 うことか ら 始 まる。 そ して,第
2ラ ウン ドで移動 を した時に,各
メンバーが持 ってい くのは 自分だけ のアイデ ィアではな く,グ
ループ全体 として どのよ うなアイデ ィアや考 えが表れたのかを持 つてい き
,新
たな グルー プでの話 し合 いに臨む。 そ して,新
しい グルー プで 自分 たちの 出 したアイデ ィや考 えが どの よ うな意味 を持つのか を探 つてい く。 そ して,そ
の グループの考 え と組み合わせ なが ら, さらに考 えを深 めてい き次の思考 の段 階 に持 ち上 げ よ うとす るのである。
BrOwn(2007)は ,こ
の過程 の中で,グ
ループ内での話 し合 いを生命体のネ ットワー ク
,グ
ルー プ内のそれぞれの個人の観点を多様 な視点,グ
ルー プ間の移動 を他花受 粉,思
考の段階の持 ちあげ を創発, とそれ ぞれ の言葉 を用 いて表現 してい る。また
,BrOwn(2007)は
話 し合 いの中で多様 な視点が提供 され た ときに可能 とな る,創
造的 な知 と高度 な考 えを 「協働 知 (co intelligence)」 と呼ぶ と述べてい る。協働知 とい う 言葉 について
Brown(2007)は
次の よ うに説明 してい る。「協働 知 とい う言葉 は,ワール ド・カ フェのホス トが
,彼
らが最 も生産的なダイア ログを振 り返 る ときに,そ
こで起 こった魔 法 の よ うな出来事 を説 明す るために使 っています。」 ここでの魔 法の よ うな出来事 と してBrown(2007)は
実践例 を挙 げなが ら,「ブ レイ クスルー を可能に した」,「人 々の相互作用 の組み合わせ が変わ り,単
な る個人 の総和 ではない全体性 の感覚 が広 が ってい く様 子」「人々や視′点を互 いに結 びつ けるこ と」な どの成果 を上げてい る。
この原理か らは
,ア
イデ ィアの繋が りとい う要因が教育において効果が挙げ られ る と筆 者 は考 える。 グループ内での話 し合 いで個人の観点で話 し合 い を深 めるのは もちろんの こ と,そ
の出た考えを次の グループに持 ってい くことが最 も重要な部分である と考える。 自 分 た ちの グループで出た考 えを理解 して,次
の新 しいグループで説明す るとい うことは,勉 強が苦手な児童や説 明す る ことが苦手な児童 に とつては責任 が重 い と感 じられ るか も し れ ない。 しか し
,そ
の 「説明 を しなければ」 とい う気持 ちが話 し合いを聞 こ うとい う意識を強 めることにな る と考 える。そ して
,相
手が聞 こ うとい う意思 を示す こ とに よつて話 し 手の児童 もよ り相 手に伝 わ りやす い よ うに話そ うとす る意識 が芽生 える と考 える。 さらに,聞 く意識 を持 った 自分 が考 えて説 明す ることによつて
,学
習内容への よ り深 い理解 に寄与 す ることがで きるのではないか と筆者 は考 える。 そ して,上
手 く説 明 し,相
手 にその内容 が伝 わつた,さ
らには内容 を認 め られ た となる と,各
児童 の 自己有用感 を高めるこ とがで きるのではないか と筆者 は考 える。第
6の
原理である 「パ ター ン,洞
察,そ
して深い質問に共に耳を澄ます」についてであ る。 ここで表現 されている 「耳を澄ます」 とい うのは,言
葉 の通 り静か に黙 つて聞 くとい うものではない。BrOwn(2007)は ,耳
を澄ます とい うことに対 して次の よ うに述べている。「集合的な レベルでは
,相
手 の話 に耳を傾 けることか ら, さらに一歩先へ と踏み出すので す。つ ま り,そ
れ は,意
味のつ なが りやパ ター ンのみな らず,異
なる観 点の間か ら現れ る,新 たな洞察や深 い質問 を求 めて
,仲
間 と共 に耳を澄 ます ことを も指す のです。」 この よ うな 行為 によつて,生まれ たアイデ ィアをBrOwn(2007)は「集め られた注 目」と表現 している。集 め られ た注 目に よつて会話 と会話 の間にある
,関
連や間 に隠れ た新 しい洞察,に
ついて続 けて
,第
6の原理 の 中にある 「共に」 とい うキー ワー ドについて深 めてい く。 共に耳 を澄 ますためのキー ワー ドとしてBrown(2007)は
,「 ビジュアル・ ラングー ジ (視覚 によ る言語)」 「ビジュアル・ リスニング (視覚 を伴 う聴 き方)」 とい う2つ
の キー ワー ドを挙げ て い る。 このキー ワー ドが 「共に耳を澄 ます」 とい うこととどの よ うな関係 があるのか と い うことについて説 明 してい く。BrOwn(2007)は
「重要なことは,同
じものを共に見つめ る こ とで,つ
なが りをつ くること」 と述べ てい る。 このために,ワ
ール ド・ カフェでは,共有 スペース としての模造紙 な どが置かれ ている。 そ こに書 き込み を行 うことによつて,
「その場に参加 している人に対 して,「視覚に よる声」 を提供す る こ とができる」 と説明 し て い る。 この効果はグループ内の静かな人に効果があると示 してお り
,共
有 スペー スに書 き込む こ とに よつて, 自身 の声 を周 囲の人が聞いた り,見
た りして くれ てい る とい う感覚 を持つ こ とができる とい う。 また,そ
の 「視覚 による言語」に反応 して,そ
れ まで,気
づいていなかつたアイデ ィアを生成す ることができたな らば,そ れ は「視覚化 を伴 う聴 き方」
と呼べる と述べている。
この原理においては
,会
話 の中か ら様 々なつなが りを多様 な聴 き方か ら見つ けてい く。とい うことが重要 にな るのだ と筆者 は考 える。 ただ
,個
々人が 自分 の考 えをただ発表のよ うに発言 を してい くだ けでは,つ
なが りを見つ けるこ とはで きない。 そ うしたつなが りを 見つ けてい く意識 を持 たせ てい くこと,そ
のために,視
覚化 を最 大限 に活用す ることを ワ ール ド・ カフェの実践では注意す る必要があると考 える。BrOwn(2007)の
説 明 に もあつた 通 り,視
覚 に訴 える表現 は静かな児童 に効果的 である と考 える。他者 と関わ るのが苦手,話す ことが苦手
,そ
うい つた児童 はただ,話
を聞いているだけでは居心地が悪 くな ること が予想 され る。そ うした児童は 自分の考 えを自身の前の共有スペー スに書 き出 してい く行 動 が現れ るのではないか と筆者 は予想す る。 そ うした ときにグルー プ内の メンバー がその 書 き込み に注 目し,他
の考 え とリンクさせ てい くことで,自
然 とグループ内の会話 に入 つ てい くことができるのではないか と考える。 また,そ
の レベル に達 しなかった としても,話 を聞いて書 き込み を行 うことで
,話
しを聞いて くれ てい るのだ と,話
してい る児童 も静 かな児童 を受 け入れ よ うとす る意識が生 まれ る可能性が考 え られ る。最後に第7の原 理 「集合 的 な発 見を収穫 し
,共
有す る」 につ いてで あ る。BrOwn(2007) は 口頭で交わ され た会話 は, しば しばす ぐに消 えて しま うとい うことを指摘 してお り,そ
の理 由と して言語や映像 による記録がなければ
,会
話か ら生 まれ た,ア
イデ ィアやイ メー ジ,洞
察は, しば しばゆがめ られた り,消
えて しまつた りす る と述べている。 そのため, その よ うな事態が起 こ らない よ うに,次
の よ うに述べてい る。「個人的,あ
るいは集合的な 洞察 を創 造 し,周
知す ることがで きるよ う,発
見 した ことを複数 の媒体 を使 って収穫 し,共有す ることは
,協
働 で考 え,行
動す るための重要 なパー トとな ります。」合 わせて,こ
の重要性 は特 に大規模 な グルー プにおいて顕著 といえる と述べてい る。