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導電体の開発と超弾性材料への付与

ドキュメント内 筋電義手のための超弾性グローブ の開発 (ページ 152-156)

第 4 章 参考文献

5.2 導電体の開発と超弾性材料への付与

5.2 導電体の開発と超弾性材料への付与

筋電義手グローブにセンサ機能を付与するため,超弾性材料を用いた導電センサを 開発した.

電気を通しにくい絶縁体であるシリコーンに,カーボンブラック(スス=炭化水素 の一群)を混入させることによって導電特性を付与した導電性シリコーンの存在は良 く知られている.シリコーンゴムに混入する導体としては,カーボンブラックの他,

銀粉末,金メッキされたシリカやグラファイト,導電性亜鉛華などが存在する [信越 シリコーン, 2019.12確認].

そこで,本研究では,超弾性材料である熱可塑性エラストマーゲルに導電性を付与 する方法と,同じく超弾性材料であるシリコーンゲルに導電性を付与し,それをエラ ストマーゲル製グローブに付着させる方法の2種類の方法によって,超弾性材料に導 電特性を付与する方法を探索した.

導電性材料には,製造元の異なるカーボンブラック3種類を用いた.活性炭は,事 前の計測から導電性が低かったため試験から除外した(図5-1).

5.2.1 エラストマーゲルへの導電性付与

まずはじめに,エラストマーゲルに導電性を不要する方法を試す.

熱可塑性エラストマーの熱可塑性という性質を利用し,ホットプレートとバーナー でエラストマーゲルを溶かし,材料を入れながら攪拌.導電するかまたは攪拌できな くなるまで材料を添加した.

5-2 導電体開発実験の様子

実験の結果,エラストマーゲル(CRG-NTM15,㈱タナック)と,材料①のカーボン ブラック(EC600JD ,Lion Specialty Chemicals Co.、Ltd.,)が 0.38MΩで導電したが,

抵抗が不均一で不安定であった.また,エラストマーゲルの伸縮性が低下した.

材料②及び③は,溶かした状態では導電するが,成型後は絶縁状態になった.

このことより,エラストマーゲルは,絶縁性が高く,いったん導電しても,成型 後,伸縮性が低下してしまうため,エラストマーゲルに導電性を付与することは困難 であることが判明した.

図 5-3 導電エラストマーゲルの製作(1 回目:0Ω,2 回目:0.38MΩ)

5.2 導電体の開発と超弾性材料への付与

5.2.2 シリコーンゲルへの導電性付与

次に,シリコーンゲル(TSG-E50,㈱)タナック)とカーボン材料①②③を混ぜて 攪拌する.導電するまでカーボン材料を添加し,その後成形した.

5-4 シリコーンゲル導電体開発実験の様子

実験の結果,材料①~③すべてのカーボンブラックで,TTシリコーンゲルに導電性 が付与された.しかしながら,材料②と③は,導電するまでの必要量が多く,成型後 は伸縮性が低く,また,カーボンが表面に出てしまうことが分かった.

最も安定した結果であったのは,材料①のカーボンブラック(EC600JD,Lion Specialty Chemicals Co. Ltd.,)であった.シリコーンゲルへのカーボンブラックの適 した混入量は,質量比3%-4%であった.

5.2.3 導電性を付与したシリコーンゲルのエラストマーへの塗布

5.2.1の結果より,エラストマーゲルで導電体を製作するのは困難であったため,5.2.

2 の導電性シリコーンゲルをエラストマー材料に塗布することでグローブ一体化を目 指す.

図 5-5 エラストマーゲル断片への塗布

まず,導電性シリコーンゲルを,エラストマーゲルの断片に塗布した(図5-5).断 片が強く伸ばされると剥がれてしまう.

次に,導電性シリコーンゲルをエラストマー製グローブに均一に塗布した(図5-6).

均一に塗布すれば,通常使用が可能であることが確認できたが,シリコーンは熱硬化 性樹脂であり,エラストマーと相反する性質を持つため,成型後に熱可塑性エラスト マーと粘着させることが難しかった.

5-6 義手用グローブへの塗布

5.2.4 導電性シリコーンゲルのTTシリコーングローブへの塗布

硬化する前のシリコーン樹脂は,シリコーン同士で接着させることが容易に可能で ある.この性質を利用し,導電性シリコーンゲルを成形前の金型に塗布し,グローブ 内側が導電体となったTTシリコーングローブを試作した.

a. 導電体の金型への塗布 b.グローブ内側 c.グローブ表面

図5-7 導電性を付与したTTシリコーングローブの試作

このようにして,グローブ一体型の導電体が完成した(図5-7).

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