第 6 章 結論
A.2 実験 II の実験手順書
1. はじめに
実験にご協力いただきありがとうございます。本実験は頭部への振動刺激による方 向情報提示に関する実験です。
2. 実験のながれ
実験を開始する前に被験者には情報提示装置を頭部に装着していただきます。装着 に関しましては実験者にお任せください。
装置は図A.1に示しますように、ヘアバンドによって8個の振動モータを45°間隔 に頭の前後左右とその間の8箇所に取り付けます。この振動モータを用いて方向を提 示します。
まず、被験者の皆様は前面に映し出される頭部の映像を見ながら、初期姿勢を併せ てください。頭頂部の棒とスクリーン上の線がぴったりと合えば、「はい」と実験者に 合図してください。
合図をされますと、実験者は直ちにシステムを起動させます。この際、実験開始の 合図として、まず2回ずつ全てのモータが振動します。この時には姿勢は先ほどの状 態を保ってください。
2回の振動が終わった直後から実験が開始されます。この時、最初の姿勢のままで 振動を感じる場合と感じない場合があります。振動を感じない場合は速やかに頭部を 回転させて、振動を感じる位置を探索してください。頭部を回転させる際は、視線は 水平を保ってください。
今回の実験では、振動モータがある一定の範囲に存在する時に振動刺激が提示され るシステムを用いています。被験者の皆様にはこの振動を感じる範囲の「中央値」を 用意された解答用紙に矢印で書いていただきます。振動を感じたと思われても、即座 に回答するのではなく、「中央値」が分かるまでタスクを終了しないでください。「中 央値」が分かったと思われれば、時間無制限の場合には「はい」と合図していただき、
その後解答用紙に記入してください(実験条件は後述)。
なお、今回の装置では頭の向きを変えても、別のモータが振動して常に同じ方向を 提示しつづける仕組みになっています。
実験は起立状態で行いますが、実験中基本的に立つ位置は変えず、頭部の回転によっ て振動を探索してください。また、回答用紙を3つの位置に用意していますが、皆様 が書きやすいものに回答してください。
以上の手順により、出来るだけ速く正確に回答できるように頑張ってください。
実験の全体の流れを説明します。まず、ウォーミングアップとして、0°の方向に情 報を提示し、振動する角度の範囲を確認していただきます。その後、各条件(後述)に ついて5回ずつテストを行います。この際は、1回のタスクが終了する毎に実験者が正
解を教えますので参考にしてください。5回のテストで不十分であると思われれば、そ の旨実験者に伝えていただきますと、3回ずつテストを追加します。
その後本実験に移っていただきます。本実験では正解を教えませんのでご了承くだ さい。また、実験終了後にアンケートに答えていただきます。テストと本実験(途中 休憩5分)を併せて計175試行、所要時間は2時間程度を予定しています。
3. 制限時間
今回の実験では、制限時間を無制限のものから10秒、8秒、6秒、4秒、3秒、2秒 の計7条件設けています。時間無制限の場合は、角度が分かったと思われれば速やかに
「はい」と実験者に合図を送ってください。制限時間付のものは、途中で分かったと思 われても、その時点で回答せず、時間を全て使って確認をした後回答してください。
付録 B 被験者のアンケート結果
4章の実験I、実験IIにおける被験者に対して行ったアンケート調査の結果について、
Q7〜Q9の結果を以下に示す。
表 B.1: アンケート項目(Q7〜Q9、両実験共通) 番号 内容
Q7 使用中に不快感を感じましたか?それはどのような不快感ですか?
Q8 このデバイスを用いたナビゲーションシステムがあれば使いたい
ですか?どのような状況で使いたいか、理由とともにお答えください。
Q9 今回の実験の感想をご自由にお書きください。
表 B.2: 実験Iの被験者の回答
被験者名 番号 内容
被験者C Q7 各試行のスタート時のモータ振動が不快、
Q8 視覚が使えない時有効かも。角度範囲が広いものは使いにくい。
Q9 各試行のスタート時のモータ振動が、実験時のものよりも大きく感じた。あ まり気分はよくなかった。
被験者D Q7 振動が頭に響いて少し気持ち悪くなった。(車酔いのような感じ) Q8 使いたい。地図の代わりになりそう。
Q9 最初に2回全部のモータが振動するのは必要ない気がする。1回で足りる。
1セット毎に休憩がほしい。集中力が続かない。
被験者E Q7 振動が多いと眠くなる。デバイスの装着感がいまいち不安定。
Q8 使いたい状況が想定できない。触覚に頼るデバイスは使いづらそう。見えな い、聞こえないという状況では活きそうだが。
Q9 回数が多い。疲れた。
被験者F Q7 少し振動により頭がボーっとした。
Q8 目が不自由な方の方向指示に良さそう。
Q9 最初のテストの時、少しルールが分かりにくかった。
被験者G Q7 特になし。
Q8 ロボットの遠隔操作。
Q9 斜め方向の振動から方向をつかむのが難しかった。
被験者H Q7 特になし。
Q8 真っ暗なところで脱出。視覚が使えなくても正しい方向が分かる。
Q9 方向の指示の仕方に工夫の余地があると思う。