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実験2(家電量販店:高価格条件における実験)

ドキュメント内 ロイヤルティ・プログラムの消費者行動: (ページ 57-60)

第 3 章 ポイントと値引きの知覚価値(研究Ⅰ)

3. 実験2(家電量販店:高価格条件における実験)

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する1次の交互作用が有意ではなく,支持されなかった。

ただし,購買金額の主効果は有意であり,購買金額が1,000円の時に最も知覚価値が高 かった。すなわち,購買金額が最も低い金額時に知覚価値が最も高いという結果が得られ

た。Bonferroni法を用いた多重比較によると,購買金額が1,000円のときと5,000円のと

きの知覚価値を比較したところ,有意な差が認められた(p=0.010)。また同様に,購買

金額が1,000円のときと10,000円のときの知覚価値を比較したところ,有意な差が認め

られた(p=0.043)。ただし購買金額が5,000円のときと10,000円のときの知覚価値の差

は有意ではなかった(p=1.000)(Figure 12)。

まとめると,値引率・ポイント付与率が低い場合には,ポイントの方が値引きよりも消 費者の知覚価値が高いことが示された。一方で,ベネフィット水準が高いときに,値引き の知覚価値はポイントの知覚価値よりも高くなることは確認されなかったものの,値引 率・ポイント付与率が高くなるにつれ,値引きとポイントの知覚価値の差がなくなる傾向 にあることも明らかになった。

5.20 4.87 4.95

*

*

** p<0.01

* p<0.05

01234567知覚価値

1,000 5,000 10,000

購買金額

Figure 12 知覚価値(購買金額;スーパーマーケット)

56 日から4月13日にかけておこなわれた。調査の結果,974サンプル(男性595名,女性 379名)が得られた。

3.2. 提示刺激

通常のポイント付与率が10%の家電量販店において,[1,000円/10,000円/100,000 円]の買物の計画で来店したという想定のもと,バスケット価格において[10%/20%/

50%]の[値引き/ポイント付与]のセールス・プロモーションを提示した。教示方法はスー パーマーケットと同様である。

ポイントカード利用で50%値引き

(1,000円のお買い物で500円をお値引きします)

※ただしポイントは貯まりません

Figure 13 提示刺激の例(1,000円の購買時において50%の値引き)

Figure 13は,1,000円の買物の計画で来店したときに,バスケット価格において25%

の値引きを実施する際の刺激提示の例である。表示の仕方によるバイアスを除去するため,

値引額と値引率の両方が提示されている。ポイントに関しても同様に,実際の付与ポイン ト数およびポイント付与率の両方が提示されている。

3.3. サンプルの割り付け

提示刺激による2×3×3被験者間要因配置である。すなわち,2水準のプロモーション条 件(値引き/ポイント付与),3水準の購入金額(1,000円/10,000円/100,000円)お よび3水準の値引率・ポイント付与率(10%/20%/50%)が割り付けられている。 1 つのセルにつき,49から61サンプルが割り付けられている(Table 10)。

3.4. 質問項目

質問項目としては,実験1と同様に知覚価値(7件法)を取っている。

3.5. 実験結果

実験によって得られた各条件における知覚価値の平均値と標準偏差を算出し,Table 10 にまとめた。

3要因2(プロモーション条件:値引き,ポイント付与)×3(購入金額:1,000円,10,000

円,100,000円)×3(値引率・ポイント付与率:10%,20%,50%)の分散分析をおこな

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ったところ,プロモーション条件の主効果(F(1, 974)=5.67, p=0.017,

η

2=0.005),およ び値引率・ポイント付与率の主効果(F(2, 974)=42.72, p<0.01,

η

2=0.081)は有意であっ た。ただし,プロモーション条件の主効果の効果量は,Cohen (1969)による「小さな」効 果量の基準である

η

2=0.010を下回っているものの,値引率・ポイント付与率の主効果の 効果量は,Cohen (1969)による「中くらいの」効果量の基準である

η

2=0.058を上回って いる。購入金額の主効果は有意ではなかった(F(1, 974)=0.74, p=0.476,

η

2=0.001)。

Table 10 知覚価値の平均と標準偏差(家電量販店)

N Mean S.D N Mean S.D.

1,000円 55 4.95 1.15 58 5.34 1.18 10,000円 54 4.96 1.24 52 5.02 1.09 100,000円 50 4.74 1.29 50 5.12 1.14 1,000円 55 5.40 1.30 56 5.41 1.06 10,000円 56 5.25 1.34 56 5.59 1.16 100,000円 51 5.24 1.42 49 5.45 1.24 1,000円 60 5.82 0.95 61 6.03 1.06 10,000円 57 5.68 1.20 54 6.00 1.08 100,000円 50 6.02 1.30 50 5.72 1.09 50%

購買金額 値引き ポイント付与

10%

20%

値引率 ポイント付与率

1次の交互作用は,プロモーション条件×値引率・ポイント付与率(F(2, 974)=0.59, p=0.556,

η

2=0.001),プロモーション条件×購入金額(F(2, 974)=0.30, p=0.741,

η

2=0.001),値引率・ポイント付与率×購入金額(F(4, 974)=0.238, p=0.917,

η

2=0.001) ともに有意ではなかった。また,2次の交互作用は有意ではなかった(F(6, 921)=1.23, p=0.287,

η

2=0.006)。

これらの結果から,仮説1a「値引率・ポイント付与率が低い場合には,ポイント付与の 方が値引きよりも知覚価値が高い。」および仮説1b「値引率・ポイント付与率が低い場合 には,値引きの方がポイント付与よりも知覚価値が高い。」については,プロモーション 条件×値引率・ポイント付与率に関する1次の交互作用が有意ではなく,両仮説ともに支 持されなかった。

また,購買金額に関しては,仮説2a「購買金額が低い場合には,ポイント付与の方が値 引きよりも知覚価値が高い。」および仮説2b「購買金額が高い場合には,値引きの方がポ イント付与よりも知覚価値が高い。」については,プロモーション条件×購買金額に関す る1次の交互作用が有意ではなく,支持されなかった。

ただし,プロモーション条件の主効果は有意であり,値引きよりもポイントの知覚価値

58 が高かった。つまり,金額水準や値引率・ポイント付与率の水準にかかわらず,全般的に ポイント付与の方が値引きよりも知覚価値は高かった(Figure 14)。ただし,この場合の 効果量は,Cohen (1969)による基準では非常に小さいと言える。

5.35 5.53

*

** p<0.01

* p<0.05

0 1 2 3 4 5 6 7

知覚価値

値引き ポイント付与

プロモーション条件

Figure 14 知覚価値(プロモーション条件;家電量販店)

ドキュメント内 ロイヤルティ・プログラムの消費者行動: (ページ 57-60)