第 5 章 アルミ棒地山を用いた二次元模型実験
5.2 実験装置と地山材料
図 5-1 実験槽概略図
実験槽は十分に剛な鋼製である.また,トンネル模型を配置しても側壁による影響を 受けないように横幅450mmとし,アルミ棒を敷設した場合に所定の土被りを十分確保 することが出来るように高さ780mmとした.
地山材料としては,粒状体の地山モデルとして長さ100mmの円形アルミ棒を用いた.
アルミ棒を用いる利点としては以下のことが挙げられる.3)
・アルミ棒の層は自立するため前後面を壁体などで支える必要がなく,試料と前後の 壁体間の摩擦の影響が皆無である.
・積み上げられた棒の端点に標点などを設置することにより,棒の移動(地盤の変形 状態)を容易に観察し,記録することができる.
・アルミ(比重:2.69)を用いることで積層の比重が砂や礫などの比重に近くなる.
・アルミ棒積層体のせん断試験の結果,内部摩擦角が一般の砂の内部摩擦角に近い結 果となる.
・径の異なった棒の配合比を変えることにより種々の粒度組成のものに類似させるこ とが出来る.
これらの利点により,砂を用いた場合の実験によって発生する,砂と容器壁面の摩擦 による実験精度の低下などの欠点を取り除くことが出来る.
また,アルミ棒の重量配合比についてはアルミ棒を地盤材料とする既往の研究を参考 にし,直径φ=1.6mmおよび3.0mmのものを重量混合比3:2で混合した.単一粒径の アルミ棒による地盤では地盤内に粒子が規則配列となる大きな領域がいくつか発生す る.この領域線が弱線となり,亀裂性岩盤のようなすべりが生じる.この規則列のすべ りが発生することにより本来の未固結粒状体地山の挙動とならず,データが不安定にな
る4)そこで,弱線の原因である規則配列の境界を取り除くために2種類の径を混合し,
不規則配列の地盤となるようにした.
アルミ棒の径については,アルミ棒を用いた既往研究3)で示されている直径9,5,3
および 1.6mm のアルミ棒の地盤モデルによる研究結果を基にした.この研究では,直
径φ=1.6mmおよび3mmのアルミ棒の組み合わせによって良い実験結果を得ており,
この研究結果に基づいた直径φ=1.6mmおよび3mmのアルミ棒の混合地盤を用いた実 験が多く行われているため,本実験においてもこれらの研究と整合性を持たせられるよ うに同様の径を用いた.
本実験で使用したアルミ棒の諸元について表 5-1に示す.また,アルミ棒の配列状況 などを写真 5-2,5-3に示す.
表 5-1 地盤材料(アルミ棒)の物性値
写真 5-2 本実験で用いたアルミ棒 単位体積重量(N/mm3)
アルミ合金 100 1.6:3.0
3:2 30
0 2.15×10-5 材質
長さ(mm)
径(mm)
重量比 内部摩擦角(°)
粘着力(N/mm2)
写真 5-3 アルミ棒の配列状況