3.5 計算機シミュレーション
3.6.3 実験結果
10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100
16 18 20 22 24 26 28 30
BER
C/N (dB)
required BER (2×10-4)
AWGN w/o CCI w/o array conventional proposed
(a) δt: 2シンボル
10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100
16 18 20 22 24 26 28 30
BER
C/N (dB)
required BER (2×10-4)
AWGN w/o CCI w/o array conventional proposed
(b) δt: 0シンボル
図3.18 受信信号のC/Nに対するBER特性
角度が1.88,40.8,73.8度の方向にアレーのグレーティングローブが生じる.干渉波到来 角度はグレーティングローブが生じる到来角度の間にあるため,干渉を除去可能な設置条 件であると言える.
0 5 10 15 20 25 30 35 40
0 5 10 15 20 25 30
MER (dB)
D/U (dB)
w/o CCI w/ CCI conventional proposed
(a) MER
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
0 5 10 15 20 25 30
Degradation of required C/N (dB)
D/U (dB)
conventional proposed
(b) 所要C/N劣化量
図3.19 干渉波のD/Uに対するMERおよび所要C/N特性(δt: 2シンボル)
0 5 10 15 20 25 30 35 40
0 5 10 15 20 25 30
MER (dB)
D/U (dB)
w/o CCI w/ CCI conventional proposed
(a) MER
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
0 5 10 15 20 25 30
Degradation of required C/N (dB)
D/U (dB)
conventional proposed
(b) 所要C/N劣化量
図3.20 干渉波のD/Uに対するMERおよび所要C/N特性(δt: 0シンボル)
じている.これに対し,提案法ではδtが2シンボルのときと同様に干渉除去後に干渉波 がない場合と同様の特性が得られた.
D/U対MER,所要C/N特性
涌谷局からの所望波送信出力を調整して,同一チャネル干渉のD/Uを変化させ,D/U に対するMERおよび所要C/N劣化量の測定を行った.結果をそれぞれ図3.19,3.20に 示す.ただし,D/Uを変化させることによる受信C/Nの変化が干渉除去特性の評価に影 響を及ぼさないようにするため,基準となる所要C/Nは同一チャネル干渉波がないとき,
0 5 10 15 20 25 30 35 40
-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
MER (dB)
δt (symbols)
w/o array conventional proposed
(a) MER
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2
Degradation of required C/N (dB)
δt (symbols)
conventional proposed
(b) 所要C/N劣化量
図3.21 SPの受信タイミング差に対するMERおよび所要C/N特性
単一のアンテナで受信した場合に所要のBERが得られるC/Nとした.
提案法では D/Uが6 dB以上のときの所要C/N の劣化は約0.1 dBであった.一方,
従来法ではδtが0シンボルの場合,所要のBERを得るのに必要な干渉D/Uは15 dB以 上であった.
SP受信タイミング差(δt)対MER特性
同一チャネル干渉のD/Uを10 dBとしたときの,δtに対するMERおよび所要C/N 劣化量の測定結果を図3.21に示す.なおδtは4シンボル周期であるため,−2Ts < δt <
2Tsの範囲とした.ただし,Tsは伝送シンボル長を示す.
従来法の場合,|δt|< Tg/2において,干渉除去特性が大きく劣化していることがわか る.ただしTg はGI長を示す.なお特性劣化が生じている範囲がδt= 0を中心に正負両 方に生じているのは,干渉除去装置において有効シンボル区間を抽出するFFTウィンド ウをGI側へTg/2ずらしていることによる.一方,提案法においては,δtに依らずほぼ 一定の干渉除去特性が得られている.
3.7 むすび
地上デジタル放送の放送波中継における同一チャネル干渉対策として合成–比較–選択 に基づく最尤判定指向型重み制御アルゴリズムを利用したOFDMアダプティブアレーを 提案した.提案手法は隣接するサブキャリヤの重みを用いた複数のアレー合成を行った後
にMERを確からしさとする最尤シンボル判定を行うとともにチャネル推定値を利用した QAM変調信号の位相不確定性を解消することで,全サブキャリヤの最適重みを直接求め るものである.所望波とのSPの受信タイミングが一致するISDB -T干渉波が除去可能 であることを,計算機シミュレーションおよび試作機を使って実施した野外実験により確 認し,提案法の有効性を示した.また,同一チャネル干渉環境にある地上デジタル放送の 中継局において,判定指向型MMSEアダプティブアレーを用いることで放送波中継を実 現することが可能であることを示した.
第 4 章
SFN 放送波中継用干渉キャンセラ
本章では,SFN 放送波中継局で用いることを想定した同一チャネル干渉除去手法を提 案する.SFN放送波中継局では遅延時間が十分に短いことが必要であることから,前章 で提案したPost- FFT型のアダプティブアレーを適用することができない.さらに,送 受アンテナ間結合による回り込みを抑圧することが必要である.提案手法は時間領域でア レー信号処理を行うPre -FFT型のアダプティブアレーとフィードバックフィルタを縦続 接続し,これらを同時に適応制御をするものである.計算機シミュレーションおよび試作 装置を用いて実施した野外実験の結果から提案法の有効性を示す.