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実験結果

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 115-120)

5.3 実験による評価

5.3.2 実験結果

それぞれの回路における実験結果を図5-9及び図5-10に示す。図5-9は力率1におけ

図5-8 提案回路(実験回路図)

(a) NPD方式のパワーコンディショナ (b) 提案回路

図5-9 力率1における波形比較(実験結果)

200V

V

in

C

X

R

DC

C

DC

L

X

S

X4

S

X2

S

X1

S

X3

i

DC

v

X

30µF

0.5mH

50µF

V

DC

Power decoupling circuit

100Vrms S3

S4

iAC

Lf

Cf

LAC

vAC 0.68μF

47Ω

10Ω

0.04μF

0.04μF

id iF

10Ω

6.3µF 2.0mH 1.4mH

10ms -200 -100 0 100 200 300

-10 0 10

-5 5

v x , V D C , v A C [ V ]

-2 0 2 4 6

-200 -100 0 100 200 300

-2 0 2 4 6

-10 0 10

-5 5

VDC vX VDC

vAC

vAC

i A C [ A ] i D C [ A ]

- 106 -

るNPD方式と提案回路の波形比較結果を示し,図5-10は力率0.1における波形比較結 果を示す。図5-9の𝑣𝐴𝐶と𝑖𝐴𝐶を比較すると,力率1である事が確認できる。また,𝑉𝐷𝐶, 𝑖𝐷𝐶の脈動低減量を比較すると,𝑉𝐷𝐶の脈動量は19Vから8.9Vにおよそ53%低減された。

𝑖𝐷𝐶の脈動量は5.0Aから1.63Aにおよそ67.5%低減された。一方で図5-10の𝑣𝐴𝐶と𝑖𝐴𝐶を 比較すると,力率 0.1 程度である事が確認できる。また,𝑉𝐷𝐶, 𝑖𝐷𝐶の脈動低減量を比較 すると,𝑉𝐷𝐶の脈動量は16Vから9Vにおよそ44%低減された。𝑖𝐷𝐶の脈動量は5.0Aか

ら1.88Aにおよそ62.5%低減された。以上の結果より力率1及び力率0.1においてパワ

ーデカップリング回路が機能し,入力電力脈動が低減されている事が確認できる。

(a) NPD方式のパワーコンディショナ (b) 提案回路

図5-10 力率0.1における波形比較(実験結果)

-200 -100 0 100 200 300 -2 0 2 4 6

-10 0 10

-5 x D C A C [ V ] A C [ A ] v , V , v i 5

10ms -200

-100 0 100 200 300 -2 0 2 4 6

-10 0 10

-5 5

i D C [ A ]

VDC vX VDC

vAC vAC

- 107 -

また,図5-11 力率1と力率0.1の入力脈動低減率の比較を示す。図に示されるよう

に,力率0.1における脈動低減率は𝑖𝐷𝐶, 𝑉𝐷𝐶ともに各出力電力において力率1 と同等の 脈動低減率を得ている事が確認できる。ここで,脈動量の測定はオシロスコープの

[measure]機能より測定しているが,入力電圧𝑉𝐷𝐶の脈動∆VDCは直流量(200V)に対してき

わめて小さいために,オシロスコープで正確に脈動量を測定できておらず,電圧脈動低 減率は電流脈動低減率に比べて低くなっていると考えられる。

次に,図5-12に力率1と力率0.1の出力電力毎の損失比較を示す。損失はインバータ 損失とパワーデカップリング回路での損失に分離して比較した。この図より,力率 0.1 においてはインバータの損失は微増しているが,一方でパワーデカップリング回路の損 失は減少している事が確認できる。これは低力率の場合において,パワーデカップリン グ回路が充放電する脈動電力量は力率1と変わらないが,平均電力は低力率の方が小さ いために,追加スイッチSX3,SX4に発生する導通損失が低減され,パワーデカップリン グ回路での損失が低減すると考えられる。

図5-13には力率1と力率0.1の電力変換効率を示す。力率1ではパワーデカップリン グ回路の適用によって効率がおよそ 3.8%減少している。これは,スイッチ素子に次世 代デバイスを用いる事で,スイッチング損失等が減少し効率が改善できると考えられる。

力率 0.1 ではパワーデカップリング回路の適用によって 8.7%程の効率低下が確認でき た。これは,低力率の場合において入力電力量が小さいにも関わらず,脈動電力量は等

図5-11 力率1と力率0.1の入力脈動低減率

0 20 40 60 80

100 200 300 400 500

脈動低減率 [%]

出力電力P[W]

入力脈動低減率 [%]

Δi

DC

( 力率 1) Δi

DC

(力率0.1)

ΔV

DC

( 力率 1) ΔV

DC

(力率0.1)

電流脈動低減率

電圧脈動低減率

- 108 -

しいので,パワーデカップリング回路での損失が変換効率に大きく影響し効率が低下す ると考えられる。

図 5-14 には力率急変時の各波形を示す。図 5-14(a)には,力率瞬低時の各波形,図

5-14(b)には力率復帰時の各波形を示す。初めに,力率復帰時の出力電力𝑃𝐴𝐶に着目する

と,出力電力𝑃𝐴𝐶は力率復帰時に瞬時に電力が回復している事が確認できた。家庭用太 図5-12 力率1と力率0.1の損失比較

図5-13 力率1と力率0.1の電力変換効率

6.1 6.4 8 9 11.5 12.3 15.9 16.5 20.5 22.5 7.0 5.0 10.0 6.5 13.5 9.0 17.1 13.0

21.5 14.5

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

pf1 pf0.1 pf1 pf0.1 pf1 pf0.1 pf1 pf0.1 pf1 pf0.1

100W 200W 300W 400W 500W

損失[W]

力率 1 と力率 0.1 の損失比較

Power Decoupling Loss Inverter Loss

100 200 300 400 500

60 70 80 90 100

出力電力P 効率ƞ[%]

NPD(力率1)

NPD(力率0.1) APD(力率0.1)

APD(力率1) 3.8%

8.7%

- 109 -

陽光発電PCSに要求されるLVRT機能の規定復帰時間は0.1秒であるのに対して,実験 ではおよそ10msで電力が復帰しているため,提案回路と制御システムはLVRT機能へ の対応可能性があると考えられる。また,入力電流𝑖𝐷𝐶やデカップリングコンデンサ電 圧𝑣𝑋に着目すると,力率の急変に対して,瞬時に応答できているものの特に入力電流𝑖𝐷𝐶 は力率復帰時に脈動量が増加している事が確認された。これは𝑣𝑋瞬時波形が力率復帰時 に低下し,系統電圧𝑣𝐴𝐶を下回っているためであると考えられる。このため,デカップ リングコンデンサ平均電圧𝑣̅̅̅をより大きい値で制御するか,あるいはデカップリングコ𝑋 ンデンサ容量𝐶𝑋を大きく設計する必要があると考えられる。また,パワーデカップリン グ制御部も脈動増加になんらかの影響を与えている可能性があるため,パワーデカップ リング制御部の過渡解析を行う事が今後の課題となる。

最後に力率1と力率0.1におけるTHDについて述べる。図5-9に示す力率1の場合の 出力電流波形𝑖𝐴𝐶に着目するとTHDは1.47%であり,図5-10示す力率0.1での出力電流

図5-14 力率急変時の各波形

-10 0 10 0 500 1000

-200 -100 0 100 200 300

v

x

v

AC

i

AC

i

DC

100ms

P

AC [W]

i

AC,

i

DC [A]

v

x

, v

AC [V]

PF=1 PF=0.1

-200 -100 0 100 200 300 -10 0 10 0 500 1000

PF=0.1

PF=1

- 110 -

波形𝑖𝐴𝐶に着目するとTHDは5.86%程度である。系統連系規定(JEAC)によると,総合 電流歪み率は 5%以内,各次電流歪み率は 3%以内が望まれているため,力率 1 ではこ の要求を満たしているものの,力率0.1での電流歪は改善する必要がある。これは制御 器のゲイン設計によって改善可能であると考える。

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 115-120)