第 5 章 照明環境評価実験結果の再評価
5.1 照明環境評価実験結果の条件毎における再評価
5.1.2 実験条件
している。
T&A
環境はA
環境に比べて約50%の消費電力となり、省エネルギーを図っ
ているほか、VDT(Visual Display Terminals)作業における主観評価はA
環境よりも知 的生産性に良い効果があると報告されている[20]
。また、導入した机上のLED
照明の色温度は
6,000K
と一般的な昼白色照明の色温度5,000K
よりも高くしている。これは、高色温度の照明が実験参加者の覚醒度を上昇させること
[21][22]
から,知的生産性が上昇 することが期待されるためである。また、図5.1
に示すように机上の作業場所のみを明 るくして周囲の視覚的ノイズを抑制しスポット感を高めることで、知的生産性が向上 することも期待できる。T&A
環境の実際の様子を図5.2
に示す。机上のタスクライト の配置は図5.3
のように設定した。図
5.1: Ambient
環境とTask & Ambient
環境の概要図
5.2:
実際のT&A
環境の様子実験室は実際のオフィスを模して図
5.4
のように机、椅子、ついたてを配置した。ま た、実験中の様子を図5.5
に示す。㻝㻚㻡㻜㼙
㻜㻚㻢㻜㼙 㻜㻚㻡㻡㼙 㻜㻚㻡㻡㼙
㻜㻚㻞㻣㼙 㻜㻚㻟㻜㼙
㻜㻚㻟㻜㼙
䝍䝇䜽䝷䜲䝖
W
図
5.3:
机上のタスクライト配置図図
5.4:
実験室レイアウト図
5.5:
実験中の様子5.1.3 実験手順と計測項目
照明条件の実施順は表
2.5
に示すのとおりである。照明環境は同じ照明条件を1
日 目と3
日目に設定して、異なる照明条件を2
日目に設定した。また、実験環境の順序 効果のカウンターバランスをとるために実験参加者をランダムに10
名と9
名の2
つの グループに分け、前者のグループを表2.5
に示した前半グループ、後者のグループを表2.5
に示した後半グループとした。実験参加者は連続する
3
日間実験に参加した。各日の実験順序を図2.7
に示す。実施 する認知タスクは、言語処理タスクとして単語分類タスク、計算処理タスクとして暗 算加算タスクとした。一般的なオフィスでは同一作業のみを1
日中繰り返すことは考 えにくいことから、暗算加算タスクは評価対象としないダミータスクとして導入した。(1)
単語分類タスクまず、単語分類について説明する。単語分類タスクは、
2.3.1
項の図2.8
に示したよう に、1つの単語を27
種類のカテゴリに分類するタスクである。問題の提示には図5.6
に 示すような縦148mm
、横210mm
のA5
サイズの票を1000
枚束ねて使用した。実験参 加者はこの票に28pt
の文字の大きさで書かれている1
つの単語を3
種類の要素によっ て計27
通りに分類する。分類の1
つ目の要素は(1)
先頭文字の種類で、「ひらがな」「カ タカナ」「漢字」の3
種類である。分類の2
つ目の要素は(2)
先頭文字の母音であり、「い」「う」「お」の
3
種類である。分類の3
つ目の要素は(3)
単語の意味カテゴリーで、「動物・植物」「地名・人名」「人工物」である。例えば、「きつね」という単語が表示 された場合は、「ひらがな、母音い、動物・植物」に位置するボタンを押す。この分類 要素は、(1)先頭文字の種類、(2)先頭文字の母音、(3)単語の意味カテゴリーの順に認 知負荷が高くなる。表示された単語を分類して解答入力すると、単語票をめくり次の 票に書かれている単語を分類し、タスク実施時間中この作業を繰り返す。
図
5.6:
単語分類タスクに用いた票分類結果の入力は図
5.7
に示すようなタブレット上の入力インタフェースを用いた。提示された単語から適切な解答を判断し、該当する場所
1
箇所を押し解答する。前回 押した時からの経過時間を1
問あたりの解答時間として記録する。また、それと共に どのボタンを押したかを示す解答内容も記録される。(2)
暗算加算タスク次に、暗算加算タスクの概要を図
5.8
に示す。暗算加算タスクはPC
を用いて実施し、入力にはテンキーを用いる。暗算加算タスクでは最初に提示された被加算数を記憶し
て
Enter
キーを押し、次に提示された加算数と暗算で足し合わせ、テンキー配列のキーボードから解答を入力する。最後に
Enter
キーを押すと新たな被加算数が表示される ので、これを繰り返す。提示される数は難易度を一定にするため、被加算数、加算数 とも和を求めた際に繰り上がりのない2
桁とした。認知タスクによる計測は、昼食後の眠気であるポストランチディップの影響を防ぐた めに昼食後
2
時間以上経過した後としたほか、一日の最後の作業では作業意欲が増す図
5.7:
単語分類タスクの解答入力部䠏䠎
ドキュメント内
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(ページ 62-68)