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定量的データの分析結果

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 52-55)

3.4 妥当性の検証

3.4.2 定量的データの分析結果

Q11-2の選択肢の内、「6. 家庭の事情があるから」が交換への参加のために生

活様式や習慣を変更する必要性を感じることで生じるライフスタイル障壁に、

「9. 健康面や体力に自信がないから」が交換において求められる行動の達成が 困難であると感じることで生じるケイパビリティ障壁に、「11. そのような活動 に取り組む気持ちがないから」が信頼できない相手との交換に不安を感じるこ とで生じる心理的障壁に相当する。まず、アソシエーション分析を行なうため

に、表3-7のようにQ11-2の14の選択肢を独立の観測変数として、その回答が

選ばれた場合には「はい(○)」、選ばれなかった場合には「いいえ(×)」に分 類するコーディングを行なった。この時、Q11-2に回答しなかった人は社会活動 への参加意欲を減退させる程の障壁がないと解釈し、14 の観測変数に全てにお いて「いいえ」、社会活動への参加に「はい」という回答に変換した。経済的交 換に対する 3 つの参加障壁が社会的交換に対しても参加障壁となるのかを検証 するために、3つの参加障壁のいずれも持っていない高齢者が社会活動に参加す るというルールの共起性について、SPSS Modelerを用いて分析した。

アソシエーション分析の結果、3つの参加障壁のいずれも持たない高齢者、つ

図 3-6 データ例に基づく決定木の結果

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まり、 回答項目 6、9、11 の回答が「いいえ」だった高齢者が社会活動に参加

する場合の支持度は89.2%で、確信度が89.7%であった。すなわち、聞き取り調 査から得られた 3 つの参加障壁ライフスタイル障壁、ケイパビリティ障壁、心 理的障壁のどれも生じていない高齢者が社会活動に参加する可能性は約 90%で ある。そして、回答者全体7,531人のおおよそ90%という高い割合でこのルール が当てはまる。この結果は、3つの参加障壁ライフスタイル障壁、ケイパビリテ ィ障壁、心理的障壁を低減することにより、高齢者の社会的交換への参加を促 進できることを強く示唆する。

次に、14の観測変数の内、「13. その他」と「14. 特に理由はない」を除い た12の観測変数を用いて、社会活動への参加という教師データを決定木によっ て分析した結果、図3-7のようになった。図中の1番目の属性「○体力に自信な

図 3-7 決定木の分析結果

図 3-8 3つの参加障壁を除いた決定木の分析結果

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い」は回答 9、2 番目の属性「○家庭の事情」は回答 6、3 番目の属性「○気持 ちが無い」は回答11である。この結果、回答6, 9, 11全てに「いいえ」と回答し

た人は89.7%の割合で社会参加に参加することを示し、アソシエーション分析の

結果と一致する。すなわち、社会活動への不参加理由として12の具体的な理由 の内で、3つの参加障壁が最も重要な理由となっており、前述のようにこの3つ の参加障壁を取り除くことで、90%弱の割合で高齢者を社会活動に参加させるこ とができることが示唆された。

さらに、3つの参加障壁に関する回答を取り除いて、残った9つの観測変数を 用いて決定木による分析を行なった。結果を図3-8に示す。1番目の属性「○大 人数嫌」は回答12、2番目の属性「○友人いない」は回答4、3番目の属性「○

行けない」は回答8を表す。3つの参加障壁を含めた分析では、根ノードの社会 活動に参加する人の割合が80.0%から89.7%に予測精度が高まったにも関わらず、

3つの参加障壁を取り除いた分析では、その約半分の85.9%に留まった。これは、

3 つの参加障壁が特に高齢者の社会活動という社会的交換への参加意欲を減退 させる原因となっていることを示す結果である。

表 3-8 社会活動への不参加理由の順位表

順位 回答項目 回答者数(人)

1 9. 健康面や体力に自信がないから 416

2 14. 特に理由はない 401

3 6. 家庭の事情があるから 295

4 11. そのような活動に取り組む気持ちがないから 282

5 12. 大勢の人と一緒にいることが苦手であるから 245

6 4. 一緒に参加する友人や仲間がいないから 239

7 13. その他 190

8 8. 活動場所に行くための交通手段がないから 167 9 1. どのような活動が行われているか知らないから 140 10 3. 気軽に参加できる活動が少ないから 95 11 7. 活動場所が近くにないから 92 12 5. 活動に必要な経験や技術がないから 82

13 10. 過去に参加したが期待はずれだったから 72

14 2. 経費や手間がかかりすぎるから 65

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最後に、それぞれの選択肢の回答者数順位を表3-8にまとめた。その結果、「14.

特に理由はない」を除けば、3つの参加障壁が社会活動への不参加理由の上位3 位までを占めていることがわかった。また、3つの参加障壁の内、1つでもそれ が社会活動への不参加理由になっていると回答した人は1,505人中816人(54.2%) である。これは過半数を超えており、この結果からも 3 つの参加障壁が主要な 社会活動への不参加理由となっていることが示される。以上の分析により、3つ の参加障壁が社会参加という社会的交換においても高齢者の交換への参加意欲 を減退させる主要な原因となっていることを明らかにした。

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