第 7 章 宇宙空間での GAP のバックグラウンド 53
7.1.2 宇宙線
鉛が存在するため鉛の透過率で補正を行った CXBのスペクトルを入射光子のスペクトルと した。
CXBの3 keVから300 keVの光子数は7.74 photon/cm2/s/srであるので、面積8.52πの 上面に2π 方向から入ってくる光子のカウントレートは1.10×104 photon/sとなる。
厚 さ 0.5 mm の 鉛 の 透 過 率 で 補 正 を 行 っ た CXB の 3 keV か ら 300 keV の 光 子 数 は 8.15×10−2 photon/cm2/s/srで側面、下面に2π 方向から入っていくる光子のカウントレー トはそれぞれ4.92/times102 photon/sと1.16×102 photon/sとなる。
シミュレーションの結果をCXB の光子数で補正すると、コインシデンスをとったときの バックグラウンドカウントレートは、
B=B上面+B側面 +B下面 (7.3)
= 47.1 + 18.3 + 0.732
= 66.13 count/sec/12CsI となった。
鉛がない場合と比較すると表7.1のようになり、鉛によってバックグラウンドを抑えられる 事が分かる。
表7.1 CXBからのバックグラウンドカウントの比較。厚さ0.5 mmの鉛がある場合とな い場合を比較すると、鉛によってバックグラウンドが低くなっている事がわかる。
入射方向 鉛が無い場合 鉛がある場合 count/s count/s
上面 47.1 (47.1)
側面 100 18.32
下面 3.35 0.731
合計 150.45 66.15
7.1 GAP検出器が直接的に受けるバックグラウンド 57
図7.5 主要な宇宙線成分のエネルギースペクトル。核子当たりのエネルギーで示されている。
2 proton/m2/sr/sec/MeVを幅1 GeV、立体角2π で積分した。
PC =
∫ 1000 100
NC(E)dE
∫ π 0
sinθ dθ
∫ 2π 0
dφ [proton/m2/sec] (7.4)
=2.26 proton/cm2/s
=7.13×107 proton/cm2/year
我々の観測機関がおおよそ一年であることを考えると、一年間で∼108 proton/cm2の陽子 を浴びることになる。
7.1.2.2 太陽に由来する宇宙線
2-6に示すのは太陽から地球までの距離離れた場所での太陽フレアー粒子の積分フラックス と銀河からの粒子のフラックスを比較したものである。また、同じ図中には1956年2月23 日におこった記録上でもっとも激しいフレアーのフラックスも記述されている。このと同程度 の巨大なフレアーがおこるのは数十年に1度である。平均的なサイズの太陽フレアーと銀河に
由来する宇宙線を比較した場合、100 MeV/nucleon以下では太陽フレアー由来の宇宙線が支 配的で、それ以上になると銀河由来の宇宙線が支配的になる。[22]
図7.6 様々な大きさの太陽フレアーのエネルギースペクトルと銀河由来の宇宙線のスペクトル。
太陽フレアー由来の宇宙線のスペクトルを図7.6の典型的スペクトルから
NS(E) = 10−4×E−4 proton/cm2/sec/sr/GeV (7.5) と仮定する。
太陽と金星の距離は1.082×108 kmで、太陽の赤道半径は6.96×105 kmである。図7.7 の様に角度をとるとθは式7.6となり、
θ 'sinθ 'tanθ = R
r (7.6)
金星から太陽を見込む立体角は式7.7となる。
Ω =
∫ θ 0
sinθ dθ
∫ 2π 0
dφ (7.7)
=π (R
r )2