意⾒の類型にもとづく意⾒⽂の類別とその特徴
2. 学習者のライティングに関する 問題・課題
3.論文スキーマ形成のための教材開発 4.ライティング教育の実践
5.教育方法に関する議論・課題
6. おわりに
1.背景と目的
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発表者の関連研究
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Ø 書記言語コミュニケーションに着目 Ø 研究対象:
・学習者が必要とする日本語の使用傾向
・学習者の作成した文章への言語学的分析
・学習者の日本語学習に対する意識
・学習過程に対するマクロな分析
・教育実践/教材開発の方法
Ø 専門日本語教育:学習者の目的は明確
Japanese for Specific Purposes, Japanese for Academic Purposes
発表の目的と背景
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Ø 大学院に在籍する上級日本語学習者に対す るアカデミック・ライティング(AW)の授 業実践と、学習者への調査の結果から、
AWの教育方法を再考し、課題を示す。
Ø AW:大学院での研究活動に必要なライティ ング活動
Ø AW能力の向上過程;
論文スキーマ
(村岡2014,2.で後述)形成過程
研究活動に必要な AW
Ø 研究活動の手続き:
6文献講読、調査・実験などによる資料や データの収集、仮説の検証、新たな現象や結 果についての記述や分析、考察や理論構築 Ø 成果公開:
学術的な方法 (学会発表や論文投稿) による。
成果が公開されなければ、研究を行ったとは 認められない。
→ライティング活動は極めて重要
研究生活でのAWに関する先行研究
Ø
村岡・因・仁科(2013a) 7学習成功者※(2003)の学習(対象、過程、主体)への
モニター:言語項目の認識にとどまらず、以下を言語化。
・文章表現への論理性・厳密性への認識、
・期限厳守の重要性への認識、
・苦手意識を克服したとの自己分析 ※竹内(2003)
Ø
村岡・因(2015)教員・元留学生への調査「大量の学習が必要」
Ø
村岡(2016)「言語・媒体の選択的使用」日本語か英語か、書記言語か音声言語か
Ø
村岡(2018a; 2018b)社会で必要とされる実務につながるライティング教育の視点
Ø Swales
(1990)専門分野のdiscourse community への参画
AWに関する学習者の問題・課題
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・学習成功者は自身の学習の方法や状況、課題をモ ニターしているのに対して、「未成功者」は、そ のような「意識化」が進んでいない。
・レポートや論文における種々の問題(:内容、文
章構成、書式等)は、「意識化」が進んでいない
証左と考えられる。
学習者の意識化が進んでいない事例
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(1) 学習者の文章における問題例 a. 文章のタイトルの欠如 b. 段落分けへの意識の欠如
c. 前文や前段落との関係を示すメタ表現の 欠如
(2) 文章の構成と論理展開の問題:
× 局所的なレベルの問題
⇒1文内の文法や語選択には起因しない。
(村岡他2009;村岡2011;2012)
学習者の文章の問題を克服する学習活動
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(1)学習者の意識化を促す活動:
文章における3つの分析基準の内在化 a. 目的と構造化
(よりマクロな視点)b. 関連付けと意義付け
(よりミクロな視点)c. 厳密さと文体の最適化
(2)文章を批判的に読みコメントし合う協働的学習 活動
⇒ 学術的活動には必須の、他者との議論や
コメントから自身の研究方法等を改善する姿勢
(村岡他2009;村岡2011;村岡2014)
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ライティング能力獲得過程の仮説に基づく
「テキスト分析タスク」
「テキスト分析タスク」の目的:
展開の巧拙や論理・表現の厳密さへの意識の向上 文章の適正な評価能力の向上
仮説:
文章評価能力がまず一定以上に高まる
自己の学習へのメタ認知の向上が進歩を促す(後述)
(村岡他2009; 村岡他2010)
ライティング能力獲得に関する仮説
文章の 理解
文章の評価:
構成や論理性 を認識し評価
文章の執筆:
構成、論理性、
表現とも適切 なライティン グ能力を獲得
図1 ライティング能力獲得過程の模式図
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(村岡2014)
論文スキーマ形成過程
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AWの学習成功者とは
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Ø 「論文スキーマ」を有する。
↑「論文とは何か、研究とは何かの概念知識の総体」
Ø 言語項目の知識の多寡にかかわらず、文章 の目的や全体の構成を見る目を有する。
Ø 日本語によるライティング学習を研究活動 と結びつけて位置付ける広い視野を有する。
(村岡他2012, 村岡2014)
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AWの学習成功者のコメント例
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Ø アカデミックな報告文への評価:
S1:客観的な表現や適切な構成が必要。
母国で仕事上よく作成していた報告書 の文体に似ている。
S2:自分に必要な文章は、「分け目なく流れ るような文章ではなく」「部分に分かれ た内容が一つにまとまった文章」
Ø フィードバックの重要性への言及:
S3:自分で何回チェックしても間違いが見え ない。他の人がチェックしなければならない。
(村岡2014)
3.論文スキーマ形成のための 教材開発
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論文スキーマ形成のための教材開発
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『論文作成のための文章力向上プログラム』
(村岡・因・仁科2013b 大阪大学出版会)
目的:
Ø 日本の大学や大学院、学会等の研究コ ミュニティに参入して研究活動を行う人
(留学生・日本人とも) を対象とした、ライ ティング能力向上の支援する。
Ø 文章の目的・読み手・媒体を考慮して、
内容・構成・表現を選択する技能の獲得
を促進する。
AW教材の特徴: タスク中心
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Ø 自己の執筆活動や能力への「内省」
Ø 素材とする文章の「分析」
Ø 文章の「分析・リバイズ」
Ø 「執筆」
Ø 別冊「解答例と解説ノート」、コラム
AW教材の特徴: タスクの目標
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Ø 学習・研究活動への巨視的な視点の獲得 Ø 自己・他者との対話を通じた、複眼的思
考の強化を重視
Ø 学術活動の過程で執筆する可能性の高い 文章(周辺的文章)を用いた学習により、
AWに対する意識・態度の変容を促す
(村岡他2013a,2013b)
「巨視的な視点」とは
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Ø 自身の学習・研究活動全体の中に、
文章作成活動を位置づけ、取るべき 方策を認識しようとする視点
(文章の内容や表現を分析するだけではなく)
例:人的・物的リソース(資源)の活用、
期限までの実行可能な行動計画の作成、
執筆要領遵守の重要性の理解
(村岡他2013b)
自己・他者との対話の重視
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Ø 自らを客体化して観察する能力を養成し、
自分自身を含む他者とともに、文章の質 を向上させる「動的、自律的」学習方法 の獲得を意図する。
× 唯一のモデルを模倣・暗記する学習
○ 友人やクラスメートとの意見交換に よる協働学習
(村岡他2013b)
学習活動の素材:周辺的文章
Ø 研究活動の過程で執筆する可能性の 高い周辺的文章
例: Eメールでの調査依頼、研究計画書、
活動報告書、発表申請書、論文要旨
ü
実用的必要に応ずるü
論理性と厳密性が必須である点で論文と共通するü
具体性が高く、意識形成を促しやすい(村岡他2013b)
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4 . ライティング教育の実践
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AW教育カリキュラム開発の再考
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n 大学院留学生を対象としたAW教育は、
論文スキーマ形成を促す学習過程を重視する 必要がある。
n 論文スキーマ形成に必要な活動:
ドキュメント内
PowerPoint プレゼンテーション
(ページ 51-72)