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 1959 年に創設された本校は 2009 年に 130 周年記念式典を盛大に開催されたとのことで、

「130 年記念刊行物」をいただいたが、その内容は、前述のラブレンチェフ物理・数学学校と 遜色のない立派なものであった。本校も 2003 年に前述の 3 氏が訪問し、当時の様子が澤野 氏によって記録されているが、1970 年に移転・建築されたという大変センスの良い設備の整っ

た建物などのハード面と、キャンパスで出会う生徒のフレンドリーな対応が心地よい。しばし ば「こんにちは」と日本語で挨拶され、人懐っこい多くの笑顔に迎えられて心和むものがあった。

敷地内には音楽学校もあり(生徒数 800 名;うち 500 名が本校の生徒)、本稿の生徒数は 993 名、

スタッフは 117 名(教員 80 名、内非常勤 11 名)で、きわめて活発な雰囲気の中にも落ち着 きの感じられる印象である。生徒数等、2003 年と比較して大きな増減はないが、今年度は 1 年生が増加してきたために心理士も 2 名(小1名、中 1 名)、社会教育専門家も 1 名をスタッ フに加えているとのことであった。マイクロ地区からの入学者が多く、卒業後は 75%がノボ シビルスク国立大学に入学し、外国に留学するものも多い。大学への進学率はほぼ 100%で ある。

 本校もラブレンチェフによって創設されたものではあるが、理系の英才に特化している。ラ ブレンチェフ物理・数学学校とは異なり、語学教育やビジネス教育などにも早くから力を入 れており、1962 年には連邦内でもいち早く、上級英語教育の指導者を育成する課程を設置し 1968 年には、物理・数学の特別クラスを設置した。2002 年以降はマルチ専門的なリツェイ としての高い評価を得ており、現在では、化学、生物、経済、数学、社会科学、の専門クラス を擁している。本校の主要目的は、生徒に先進的なプログラムに基づいたユニバーサルな古典 的教育を与えることであり、そのために卒業生は国内外のどのような大学に進学しても、さら に進んだ教育の継続が可能になる。多様なプログラムを設定することによって、生徒のモチベー ションが高まり、さらに知識を深めたいという要求水準が促されることになる。

2.本校の特色とスクールカラー

 本校では、文化レベルとモラルがそれに劣らず、きわめて重要であると考えている、との説 明であり、学内の和やかな雰囲気からもそれが単なるスローガンでないことを実感する。60 年代初頭から始められたスクールフェスティバルは、疑いもなく、そうした意味で重要な役割 を果たしてきた。9 月の時期には、本学のスクールカラーである「緑」と「白」の衣装など(来 校者の親子も含めて)でキャンパスが埋め尽くされる。誕生会、チャリティープロジェクト、

ドラマ、スポーツなどきわめて多彩な活動を通じて生徒は目覚しく成長していく。その点でも、

スクールカウンセラーの仕事は重要である。本学のスタッフのうち 84 名が高度技能保持者で あり、こうした優れた教師の指導の下、物理、化学、コンピュータ化学の国際コンテストで 8 名の受賞者を出すことができ、シベリアおよび国際ベィベーとコンテストで、本学のチームは 2 位と 4 位に入賞することができた。本学独自の旗(校旗)にも象徴されるように、本学のモッ トーは「誇りを持て、そしてそれを堅持せよ、君たちは 130 学校出身だ!」

 2003 年段階で英語は第 2 学年から必修となるが、第Ⅰ学年から導入したいものの予算がな い、という実情を澤野氏が報告しているが、資料(Ⅰ学年、8 学年のウチェブニー・プラン)

に見られるように、2011 年度でもその事情は好転していないようだ。8 学年での英語配当授 業時数は週 3 時間(年間 108 時間)である。(他にロシア文学史、週 1 時間、年間 35 時間)

3.校内見学と日本語学習者との懇談会

 後半は、構内施設見学のあと、日本語学習者(すべて女子学生 10 余名)との懇談に入ったが、

流暢な日本語での合唱と、独唱が披露され、その見事さに感動した。特に独唱の女子学生は「ファ イナルファンタジー」を、歌詞をまったく見ないで最後まで完全に歌いきり、もう 1 曲を希 望したら、これもまた声量豊かに宮崎駿のアニメ主題曲を朗唱してくれた。サブカルチャーの 影響力を痛感したしだいである。日本への憧れも強いようで、まさにこうした若者の力に頼も しさに期待しつつ、同校を辞した。

4.第 1 学年の教科プラン(2010 年− 2011 年度)/

  週当たり時間数(連邦および民族―地域コンポーネント) 

5.物理・数学クラス第 8 学年用教科プラン(2011 − 2012 年度)

 (1)連邦コンポーネント / 基礎科目      

 

教    科 1A 1B 1C

ロ シ ア 語 5 5 5

文     学 4 4 4

英     語 0 0 0

数     学  4 4 4

周囲の世界(人間、自然、社会) 2 2 2

芸 術(音楽、美術) 2 2 2

技 術(労 働) 1 1 1

体     育 2 2 2

計 20 20 20

義 務 負 荷 20 20 20

最 大 負 荷(週) 20 20 20

供     給 20 20 20

教  科 週時間数 年時間数

ロシア語 3 108

文  学 2 72

英  語 3 108

数  学 5 180

情  報 1 36

歴  史 2 72

社  会 1 36

地  理 2 72

物  理 2 72

化  学 2 72

生  物 2 72

芸  術 1 36

技  術 1 36

О   Б   Ж 1 36

体  育 3 108

計 31 1116

 (2)民族 ‐ 地域、リツエイ、コンポーネント

  (2)−1.地域コンポーネント       

  (2)−2.リツエイ義務コンポーネント       

  (2)−3.リツエイ個人コンポーネント(生徒の選択)

     教 科

(担当:森岡修一)

10 月 28 日(金)

【調査機関⑩】シベリア−北海道文化センター

Мунициальный культурный центр Сибирь Хоккайдо

【調査機関⑪】ノボシビルスク市教育・文化・スポーツ・青少年政策局

департамент образования культуры спорта и молоденой политики мэрии г.Новосибирска

(10:00 〜 12:30)

1.対応者:В. А. Шварицкоппо(教育・文化・スポーツ・青少年政策局長)

      Спириднов Александр Викторович(シベリア・北海道文化センター長)

      Людмила Миронова

      Шварцкопп Валерий Александрович       Сандаков Владимир Леонидов       Орлов Андрей Владимирович 2.住 所:г. Новосибирск, ул. Шевченко, 28/1 3.連絡先:E-mail:[email protected]       Телефоны: 210-34-63, 227-41-08 4.入手資料:複数 

5.ホームページ:www.sibirhokkaido.ru

就職選択の基本 0 0

地域コンポーネント計 0 0

文   学   作   品 1 35

化学課題解法実践 1 35

選 択 科 目 計 2 70

最   大   負   荷 36 1296

物  理 1 36

数  学 3 108

リツエイコンポーネント計 4 144

義務負荷 35 1260

1.文化センターの概要

 1990 年にノボシビルスク市と札幌市が姉妹都市を結んだということで、2010 年には盛 大な姉妹都市提携 20 周年の祝賀会が開催されたとのことであった。提携後、両市は文化芸 術、スポーツ、青少年交流など様々な分野での交流を深めてきたが、当センターの設立された 1996 年以降は、さらに交流が盛んになり、センターは友好のシンボルとして、きわめて重要 な役割を果たすことになった。

 センターはノボシビルスク市の文化教育局に所属しており、管理職員は市の職員であり、職 員数は 21 名、教員数は 17 名であり以下の主要活動を行っている。

  ・姉妹都市をはじめとする日本との交流発展、サポート。

  ・日本語・日本文化教育の振興。

  ・市民向けの文化事業の実施。

 当センターには、各種ホール、教室、和室、図書館などが設置されており、われわれが訪問 した時には、日本文化に親しむための各種講座に多くの参加者が集まって、熱心に取り組んで いた。館内には雛段が飾られ、和服、習字セット、華道・茶道・剣道の道具なども整備されて おり、国内の和室にいるような居心地のよさを感じた。図書館には日本語の小説をはじめ多く の蔵書が陳列されていたが、これでもまだ不十分なのでさらに多くの新刊書をそろえたいとの ことであった。村上春樹がやはり人気があるが、読者の要求を満たすには至っていない。数ヶ 月前に、日本語のネーティブとして北海道から赴任して来たと若い日本人女性が唯一の日本人 で、他はロシア人であるが、案内役を務めて下さったリュドミラ・ミロノワ氏の日本語はまこ とに見事で、プレゼン(後述)でもその才能が遺憾なく発揮されていた。日本語教師は 11 名(ロ シア人 11 名、日本人個人契約講師 1 名、パートタイマー非常勤講師 1 名)である。

2.センターにおける日本語講座

 イリーナ・プーリク氏によると、センターの活動のうち日本語講座に関する主要なものとし ては以下の 3 コースがあげられる。

 現在、センターの日本語講座には、「一般コース」(受講者 235 名)、「読書会」(15 名)、「夏 季日本語集中講座」(42 名)の 3 コースがあり、「一般コース」(長期、約 380 時間)では 16

―25 歳の受講者が多い。職業としては、デザイナー、IT 技術者、教員、会社員、銀行員、学生、

主婦など多様であり、漫画やアニメに興味を持っている受講生が半数近くを占めているのも近

年の特徴といえるが、日本人とのコミュニケーションや文化交流を望む声が強い。具体的レベ ルとしては、日本語能力試験 3 級の合格を望んでおり、主教材は『初級日本語』(東京外大附 属日本語学校、三省堂、1990)を使用している。ただ、この教材は、日本在住の学習者向け の教材となっているため、シベリア在住の学習者のニーズに合っていない部分も多いので、「日 本人にロシアの事情を伝える」という観点から、教師が適宜アレンジして使用している。ただ、

それだけでは不十分なために、生の補助教材を使用して学習者の要求にこたえるよう工夫して いる。

 「一般コース」のシラバスのジレンマは、基礎的な日本語教育とコミュニケーション教育と のバランスの困難さであり、後者を教室外活動で行うことでしのいでいる。母語との相違点の 大きさ、漢字学習、教科書の日本語とメディアの会話との乖離、コミュニケーションの場の少 なさなど、問題点も少なくない。

 次に「夏季日本語集中講座」は、2004 年から開始され、3 週間 70 時間の割り当てで、毎 日2コマの日本語授業、日本についてのレクチャー(文化理解、日本事情)、文化体験等が行 われている。参加者は 40 名で、レベルごとに 4 グループに分かれて一般成人や大学生が学ぶ。

教師はロシア人と日本人がそれぞれ 2 名、他にスタッフや講師が指導を行う。最終週はプロジェ クトワークを準備し、最終日に発表会と終了式を開催する。テーマは「日本のことを調べる」「ロ シアのことを日本人に紹介する」の 2 つをトピックとしているが、これまで「ロシアの朝食」

「日本の若者のファッション」「ロシアのダーチャ」などが選ばれた。中級ではノボシビルスク の観光案内書作成に人気があり、ドキュメンタリー映画の製作を行うこともある。発表会終了 後はその内容を検討して、翌年度のコースデザインを見直している。参加者からは、日本語の レベル向上や能力試験準備に役立ったという評価も得ているが、今後は 6 年間の集中講座等、

さらに充実した企画を検討中である。

 日本語教育の普及のために、センターではさまざまな活動を行っており、クリスマス交流パー ティーなど「交流の場の設定」、小・中学生向けの日本文化体験プログラムや市民向けの日本 文化行事による「学習者の育成」、大学との協力体制ならびに研修による「教師の育成」、中等 教育機関による指導者の訪問プログラムによる「市、管区の関係者の理解の進化」などがその 主たるものであるが、2008 年に校長 9 名が札幌市を訪問したのがきっかけで、その後 22 番 ギムナジウムで小学生向けの日本語講座が開講されるにいたった。

 1993 年には「シベリア日本語教育協会」が開設され、2006 年にロシア法律登録によって 法人化された。センターの職員が協会事務を担当し、経費も負担して、日本語弁論大会、日本 語コンクール、日本語教育シンポジウム、大学生による特定研究発表会などのイベントを精力 的に展開している。当協会はロシア人による協会であり、独自の予算を持たないためセンター にはかなりの負担となっているが、そうした困難を乗り越えて地道な活動を行い可能性を広げ てきた。

 西シベリアにおいては、1972 年にノボシビルスク国立総合大学人文学部言語学科で、オリ ガ・フロロワ氏によって日本語教育が開始され、90 年代前半はトムスク国立大学など、高等 教育機関において日本語教育の普及が見られた。10 箇所以上の中等教育機関で日本語講座が 始まり、ノボシビルスク総合大学東洋学科設立、1994 年の第 1 回のボシビルスク日本語弁論