1.海外との連携
●バンコクGLOCOLデスク
GLOCOLバンコク・デスクでは、これまでJICA研修などの事業に関してGLOCOL本体の業務を補完すると ともに、学内外の関係者がバンコクにおいて実施する事業のうち、グローバルコラボレーションないしは人間の 安全保障に関係するものについて、必要なサポートを提供してきた。この点、デスクは、要請に的確に対応して きたと言えるが、デスクそのものが主体的に事業を企画し、運営するという面で、やや物足りない点があった。
そこで2009年度、国際連携班では、バンコク・デスクの業務を再検討し、より意義あるものとするために明確 なミッションを立案した。このミッションを実現するため、GLOCOL BANGKOK SEMINAR SERIESを新たに設 けることとした(下図参照)。2010年3月17日から22日まで、SEMINAR SERIES第1弾として、「近代性とその彼 岸:東南アジアの視点から「人間の安全保障」と「サステイナビリティ」の哲学を問い直す」を開催する(附録 参照)。また、デスクのミッションに即して、留学生フェアやインターンシップ・サポートなどをシステマティッ クに行った(次頁表参照)。
GLOCOL BANGKOK DESK Mission
ミッション
バンコク・デスクは、東南アジア諸国の様々な現場や関係者(大学、政府、NGO・
NPO、当事者、地域住民、国際機関)をつなぎながら、HS に関する研究・教育・
実践の連携を紡ぎ出します。
研究 教育 実践
活動
・ 国内外及び東南アジア諸国の他 大学と本学の人間の安全保障研 究情報交換の触媒となります
・ セミナー・ワークショップによっ て、智のネットワークをつなげま す
活動
・ 留学生フェアによって本学を紹介し優 秀な学生に本学に来てもらいます
・ バンコクでの国際インターンシップの サポートを行います
・ セミナーの開催により、本学教員の研 究内容を知ってもらい人間の安全保障 が機能した社会に貢献します
・ 提携大学・機関への教育支援サポート を行います
活動
・ さまざまな分野で活躍する人・団 体をセミナーを通じてつなげま す
・ 地域社会に生きる人々と研究者 をセミナーによってつなげ、新た なものを生み出します
・ 本学同窓生同士をつなげます
[デスクのミッションに基づく主な活動]
項 目 事 業
人間の安全保障研究に関する東南アジア諸国などとの間の交 流、情報交換の促進
ダッカ大学社会学部を拠点とした調査研究のサポート
GLOCOL BANGKOK SEMINAR SERIESの企画 チュラロンコーン大学、国際交流基金、APIフェローシップタイ国事務
所、JETROアジア経済研究所他におけるセミナー開催の可能性調査 ワークショップ「近代性とその彼岸――東南アジアの視点から『人間の安 全保障』と『サステイナビリティ』の哲学を問い直す」の開催 提携大学・機関への教育支援 「第1回北部タイ日本研究連続セミナー」(チェンマイ大学日本文化セン
ター)のコーディネート
「東芝国際交流財団助成金日本語セミナー」(タイ国元日本留学生協会)
のコーディネート
インターンシップ支援 アイセックの国際インターンシップの研修先
留学フェア 日本大使館、JASSO(日本留学フェア)
(附録)
近代性とその彼岸:
東南アジアの視点から「人間の安全保障」と「サステイナビリティ」の哲学を問い直す Modernity and Beyond: Toward a Reframing of Human Security and the Philosophy of Sustainability from
Southeast Asian Perspectives
日時:2010年3月17日~22日 場所:GLOCOL Bangkok Desk
概要:本ワークショップは、今日、東アジア、東南アジアの人々がともに、しかし、
異なった仕方で直面する地球規模の課題に関して、実際にそうしたグローバル・イ シューを考えるうえで糸口を提供してくれるだろう現場に立ち、意見を交換しよう というものである。具体的には、「近代国民国家」(そこでの生と死の管理)と「多 文化主義」をキーワードに、タイ、および他の東南アジア諸国、東アジアから参加 者を募り、3つの場所、すなわち、法医学博物館、仏教寺院、ミャンマー人コミュニ ティにおいて現地の専門家を交えながら、イシューの構成について議論する。そう することで、グローバル・イシューに関するローカルな視点からの解釈の可能性を さぐるとともに、西欧近代的なイシューの解釈を再考しようというのがねらいであ る。
本ワークショップは、GLOCOL Bangkokを主催とする連続ワークショップGLOCOL BANGKOK
SEMINAR SERIESの第1回であり、GLOCOL Bangkok Deskを交流ポイントとした東・東南アジアの複眼的で
緩やかな研究ネットワークをむすぶ試み的なとりくみである。
日程:
March 17
Welcome Dinner and Preliminary Seminar on Thai Modernity: Historical and Cultural Background.
(Shingo Ishitaka, Glocol Bangkok) March 18
Workshop 1: Exchange Views on Modern Nation States and the Control of Human Death and Birth.
Venue: Mahidol University, Museum of Legal Medicine Visit Mahidol University
Discussion March 19
Seminar: Modernity and Beyond: Toward a Reframing Human Security and Philosophy of Sustainability from Southeast Asian Perspectives
Facilitators: Shuhei Fukuda Interpretation: Shingo Ishitaka
Venue: The Japan Foundation, Bangkok (10th Floor Serm-Mit Tower 159 Sukhumvit Road 21 (Asoke) Bangkok 10110 )
Sponsored by The Japan Foundation
Presentation: Biopolitics in Southeast Asia (Nelia Balgoa) Comment: Gyo Miyabara
Disscussion March 20
Workshop 2: Exchange Views on Multiculturalism in Southeast Asia.
Venue:Labour Rights Promotion Network Foundation (LPN), Mahachai (Samutsakhon) (Burmese Community)
March 21
Workshop 3: Exchange Views on Concept of "Mercy" and Somatic Society in Southeast Asia and East Asia.
(Also visit several ethnic communities in Bangkok. Dinner will be taken at Arabic Community.)
Venue: Poh Teck Tung Foundation, etc.
March 22
Departure of Bangkok
主な招待参加者:
Prof. Dr. IVIE C. ESTEBAN English Department
School of Social Sciences and Liberal Arts Faculty of Music, Social Sciences and Design UCSI University
Kuala Lumpur, Malaysia
Prof. FRANCISCO P. DUMANIG Head of Department (HOD)
English Department, UCSI University No. 1 Menara Gading, UCSI Heights 56000
Prof. ROLANDO C. ESTEBAN Department of Anthropology University of the Philippines
2.社学連携
●足もとの国際化連続セミナー
「多言語・多文化社会の魅力と力」
日本における国際化の最大の問題は、外国人を一時的な労働力、あるいは一時 的な滞在者としか見ていないことにある。しかし、これは世界の流れと日本の現 実を十分に捉えていない考え方である。外国から来た人々は貴重な人材であり、
また、地域に根差した生活を営む住民でもある。
外国から来た人々が、自分たちが持っている能力と活力をいかに発揮できるか ということが、これからの日本の将来を大きく左右すると考えられる。2009年度 の「足もとの国際化連続セミナー」では、多言語・多文化社会の〈不安〉を払拭 する力を秘めている外国から来た人々に注目し、その魅力について考えた。
[開催日・場所]
2009年10月3日、24日、31日(全3回)、豊中市千里文化センター
「コラボ」
[言語] 日本語 [概要]
2009年10月3日
「日本の将来と留学生」
講師:有川友子(留学生センター教授)
潘 建秀(留学生センター講師)
2009年10月24日
「外国人にお世話になる時代:フィリピン人看護師・介護士からの声」
講師:高畑 幸(広島国際学院大学現代社会学部講師)
フィリピン人看護師、介護士
2009年10月31日
「不安から共生へ」
GLOCOL共同研究「グローバル化と移動・移住に関する学際的・複合的研究」
共催
公開シンポジウム「よそモン?ウチら?多文化・多言語社会の<不安>を考える」
基調講演:船曳建夫(東京大学大学院総合文化研究科教授)
「共生と不安:多文化・多言語社会の課題」
パネリスト:
思沁夫(GLOCOL特任助教)
日比野純一(特定非営利活動法人たかとりコミュニティセンター専務理事)
吉富志津代(NPO法人多言語センターFACIL理事長)
[備考] 共催:豊中市
協力:大阪大学21世紀懐徳堂
3.他機関との連携
1)人間の安全保障教育研究コンソーシアムへの参加
「人間の安全保障教育研究コンソーシアム」とは、人間の安全保障に関する教育および研究の交流促進 を目的とした組織である。同コンソーシアムの発足は、2005年7月に中部大学春日井キャンパスで開催さ れた「人間の安全保障・地球市民フォーラム」の分科会において、人間の安全保障を研究する研究機関・
実践機関が集まり、ゆるやかな形の連合体を設立することはできないかと議論したことに遡る。その後、
研究者の間でメーリングリストを用いて議論が重ねられた。そして、2007年9月に設立大会が開催され、
正式に発足した。GLOCOLは、教育・研究の両面で人間の安全保障を重要なコンセプトのひとつと位置づ けており、設立当初から中心メンバーとしてコンソーシアムに参加している。
2009年度には、10月17日・18日の両日、参加団体となり、人間の安全保障教育研究コンソーシアム 2009年度研究大会を東海大学湘南キャンパスにて開催した。
2)地域研究コンソーシアムへの参加
GLOCOLは、2007年10月以来、地域研究コンソーシアム(Japan Consortium of Area Studies, 以下JCAS という)に幹事組織として参加している。2010年1月現在、JCASには、地域研究にかかわる教育研究機関、
学会、NGO/NPO、研究プロジェクトなど、多様な88組織が加盟している。全国の主要な地域研究をほぼ網羅 するネットワーク組織であり、地域研究の情報のハブとして機能している。
JCASの運営は、GLOCOLを含む8つの幹事組織を中心とする運営委員会、理事会、事務局が行っている。
2008年度より、GLOCOLセンター長が理事を務めている。加えて2名のGLOCOLスタッフが運営委員となり、
それぞれ年次集会部会、大学院教育・次世代支援プログラム部会を担当してきた。
2009年度の年次集会は「地域研究の国際化」と題し、京都大学で開催した。第一部では、地域研究コンソーシ アム加盟組織が地域研究における国際化に関する取り組みを報告した。「『日本型』地域研究とその発信」と題し た第二部では、世界で行われている地域研究のなかでの日本の地域研究の位置づけや、研究者が他国における地 域研究にいかに貢献できるのかなどについての話題提供があった。第三部では「アカデミック・コーポレーショ ンを超えて:地域研究と国際社会」と題し、総合討論を行った。
大学院教育・次世代支援プログラムでは、次世代ワークショップ企画公募において「東欧地域研究の現在、そ して未来への展望─国境・学問領域を越えた総合的アプローチ」(企画責任者:奥彩子(大阪大学人間科学研究科 GCOE事務局特別研究員))を採択した。
運営体制:地域研究コンソーシアム(JCAS)の組織
運営体制 自己評価委員会
理事会
その他の加盟組織
北海道大学スラブ研究センター
東北大学東北アジア研究センター
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究 所
上智大学アジア文化研究所・イベロアメリカ研 究所
京都大学東南アジア研究所
京都大学地域研究統合情報センター
大阪大学グローバルコラボレーション センター
大学附置研究所/センター
大学共同利用機関
その他の研究機関
21 世紀COE 拠点形成プロジェクト
大学院研究科/研究科専攻/学部
NGO、NPO、学会など
コンソーシアムの意思決定組 織。幹事組織の長と加盟組織 の代表で構成
事務全般を統括。運営委員会副委 員長が事務局長を兼務。当分の 間、京都大学地域研究統合情報セ ンターに置く
コンソーシアムの活動を評価。
委員は理事会が任命
コンソーシアムの運営・活動を総括。各幹事組織から 1 な いし 2 名、加盟組織から若干名の委員で構成
運営委員は、年次集会、ホームページ・ウエッブアーカイブ、和文雑誌『地域研究』、ニ ューズレター・要覧、大学院教育・次世代育成プログラム、ジャーナル検討、将来プロ グラム検討などの役割を分担
事務局
史資料の効果的・効率的な共同利用の方策 について検討
進展著しい情報学を取り入れて地域研究に 新たな可能性を開拓
地域研究の蓄積を広く社会で活用する方策 を検討
継承可能な地域研究の方法論を構築し、そ の体系化を推進
幹事組織
加盟組織
事務局: 京都大学地域研究統合情報センター
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 Tel:075-753-9603 Fax:075-753-9602 ホームページ:http://www.jcas.jp/ 問い合わせ:[email protected]
情報資源共有化研究会
地域情報学研究会
社会連携研究会
地域研究方法論研究会 運営委員会