第 4 章 被害軽減対策
第6節 孤立地域対策活動
第1 基本方針
災害時における孤立の内容は、大別して、情報通信の孤立と交通手段の孤立である。情報通信の孤 立は、救助機関における事案の認知を阻害して人命救助活動を不可能にし、交通手段の孤立は救援活 動に支障を及ぼすとともに、孤立住民の生活に甚大な影響を及ぼす。
孤立が予想される地域が少なくない本村の災害応急対策は、つねにこれを念頭に置き、
1 通信手段の確保等による被害実態の早期確認と、ヘリコプターの活用等による救急救助活動の 迅速な実施
2 陸上輸送、ヘリコプターの確保等による緊急物資等の輸送 3 道路の応急復旧による生活の確保
の優先順位をもってあたる。
第2 主な活動
1 孤立予想地域に対しては、村から連絡をとって孤立の有無を確認するとともに、被害状況の把 握に努める。
2 交通の断絶地域に対しては、各種ヘリコプターを活用し、迅速な救急救助活動を実施するとと もに、観光客の救出等にも配慮する。
3 通信の途絶地域に対しては、移動系の無線機器等の配置を検討するほか、職員、警察官等を派 遣する等、通信手段の確保に努める。
4 陸上輸送が不可能な場合は、ヘリコプターによる輸送を行う。
5 迂回路の確保を含め、応急復旧工事を迅速に実施し、生活必需物資輸送のための最低限の交通 を早期に確保する。
第3 活動の内容
1 孤立実態の把握対策
【基本方針】
全ての応急対策は被害実態の把握から始まる。通信途絶地域については、地域からの救助要請や被 害状況の報告が不可能となるので、応急対策責任者の側から能動的に状況を確認する必要がある。発 災時には、平素からの孤立予想に基づき、直ちに各地域と連絡をとり、孤立の有無と被害状況につい て確認する。
(1) 村(総務課総務係)
ア 孤立予想地域に対し、NTT 回線及び防災行政無線等を活用して、孤立状況の確認を行う。(本 編 第2部第1章第6節「通信・放送施設災害予防計画」参照)
イ 孤立状況及び被害の概要について情報収集を行うとともに、県に対して直ちに速報する。
4-第3部 第4章 第6節 孤立地域対策活動
孤立予想地域
地 区 世 帯 数 人 数 九 蔵 54 130 滝 越 15 24
計 69 154
資料:地区 平成21年孤立集落調査 世帯数・人口 平成17年度国勢調査 2 救助・救出対策
【基本方針】
災害発生時には人命の救助を第一義とした活動を行い、引き続き、孤立地域からの救出活動を実施 する。
(1) 村
第4章第1節「ヘリコプターの運用計画」、第4章第2節「救助・救急・医療活動」、第4章第5 節「避難収容活動」等を参考に以下の活動を実施する。
ア ヘリコプターによる救急搬送が予想される場合は、概要を直ちに県に速報する。(村長、総務課 総務係)
イ ヘリコプターの要請に関しては、救助場所のヘリポートを確保するとともに、被救助者の容態、
人数等に関し、できる限り多くの情報を収集して報告する。(村長、総務課総務係)
ウ 負傷者等が多い場合は、医師等の現地派遣にも配意する。(総務課総務係)
エ 孤立地域内の災害時要援護者や観光客等の実態を把握し、道路の復旧見込み、食料の状況、避 難所の有無等について検討して、必要に応じて、県又は他市町村の応援を得て、救出を推進する。
(総務課総務係、産業課商工観光係)
3 通信手段の確保
【基本方針】
NTT 回線が不通となった場合、防災行政無線や消防無線等の設置されていない場所にあっては、
孤立地域への必要な連絡をする事が不可能になる。
情報上の孤立状態をまず解消するため、各機関と協力して早急に応急的な情報伝達回線の確保を行 う。
(1) 村(総務課総務係)
被災の状況に応じ、職員の派遣、防災行政無線、消防無線による中継、アマチュア無線の活用等、
あらゆる方法によって情報伝達手段の確保に努める。
(2) 東日本電信電話㈱長野支店
ア 災害応急復旧用無線電話機、孤立防止用無線機等の可搬型無線機の臨時配置により、通信途絶 を解消する。(資料15-4「孤立防止用無線機等の使用方法等」参照)
イ 避難場所等に、デジタル衛星車載局、ポータブル衛星方式等で通信回線を作成し、特設公衆電 話を設置する。
4-第3部 第4章 第6節 孤立地域対策活動 (3) 住民
農道、林道等の使用可能な迂回路の活用、及びアマチュア無線等使用可能な通信手段の活用によ り、村との連絡確保に自ら努める。
4 食料品等の生活必需物資の搬送
【基本方針】
道路交通が応急復旧するまでの間は、孤立住民の生活維持のため、食料品をはじめとする生活必需 物資の輸送を実施するが、この場合において、ヘリコプターによる空輸を効率的に行うほか、迂回路 や不通箇所での中継による陸上輸送等、状況に応じた輸送対策を実施する。
(1) 村(住民課福祉係)
県道御岳王滝黒沢線の迂回路としての村道1号線による輸送確保に努めるとともに、陸上輸送手 段確保が困難な場合は、県に対してヘリコプター確保に関する要請を行う。(第5章第4節「生活 必需品の調達供給活動」参照)
(2) 住民
ア 孤立地域内においては、食料品等を相互に融通しあい、地域全体としての当面の生活確保につ いて協力し合う。
イ 住民自らも、隣接地域及び村との連絡確保に努める。
5 道路の応急復旧活動
【基本方針】
孤立地域に対する最低限度の物流ルートを確保するため、優先度に応じ、最低限度の輸送用道路を まず確保する。
(1) 村(産業課土木係)
孤立地域に通ずる道路の被害状況を早急に把握し、徒歩、二輪、四輪車の順に、一刻も早い交通 確保に努める。(第7章第1節「障害物の処理活動」、第7章第11節「道路及び橋梁応急活動」参 照)
4-第3部 第4章 第7節 土砂災害等応急活動