条文確認
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第
1章
私権の主体
民法総則
制度趣旨
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との証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求に より、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、そ の取消は、失踪の宣告後その取消前に善意でした行為の効力に影響を及 ぼさない。
2項 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消によって権利を失う。
ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する 義務を負う。
例えば、夫が蒸発したとする。この場合の夫は、住所又は居所を去った者(=
不在者)として生死不明となり、帰ってくる見込みもなく死亡の可能性が高 い者であるといえる。にもかかわらず、その者に関する法律関係が確定しな いまま放置されると、その者の家族(妻)や債権者等の関わりある者(=利 害関係人)は不安定な状態に置かれる。
そこで、一定の要件が満たされた場合に家庭裁判所が失踪宣告をすること でその者を死亡したものとみなし、法律関係を確定させることとした。
(1) 要件
以下の場合に、利害関係人からの請求によって、家庭裁判所が行う。
普通
失踪 不在者が生存していることが確認された最後の時から 7年間不明な場合(30 Ⅰ)
特別 失踪
戦地や、沈没した船舶の中にいた者その他死亡の原因 となる危難に遭遇した者の生死が、その危難が去った 時から1年間不明の場合(30 Ⅱ)
「失踪宣告の請求権者である利害関係人とは具体的にどんな人がいるので すか?」
「不在者の配偶者や推定相続人、不在者に対する債権者等が挙げられるよ。
なお、少し細かいけど、不在者の財産管理人のところでは検察官が請求権 者になっている(25 Ⅰ)のに対し、失踪宣告の請求権者に検察官が入って いないことを覚えておくと、引っかけ問題の対策になるよ。」
(2) 効果
ア 普通失踪7年間の期間が満了した時に死亡したものとみなされる(31)。
イ 特別失踪
危難が去った時に死亡したものとみなされる(31)。
「失踪宣告の制度は、失踪者を死亡したものと扱うのですから、失踪者が 実際に生きていた場合は、死んでいるのにどうやって生きていけばいいの ですか? これでは、まるでゾンビみたいです。」
「いやいや、失踪宣告の制度は、失踪者の従来の住所又は居所を中心とす る法律関係を確定させるために死亡したものと扱うだけなんだよ。その者 の権利能力がなくなるものではないんだよ。」
H16.1.1
失 踪
H23.1.1
7年 宣 告 死亡
H22.1.1
危難が去る 死亡 遡る
H23.1.1
宣 告
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私権の主体
民法総則
(3) 失踪宣告の取消し
ア 要件失踪者が生きていることの証明、あるいは、死亡とみなされた時と異 なる時に死亡したことの証明があった場合には、家庭裁判所は、本人又 は利害関係人の請求により、失踪宣告を取り消さなければならない(32
Ⅰ前)。
イ 効果
① 失踪宣告の取消しによって、失踪宣告は初めからなかったことにな る。これにより、失踪宣告を原因とする相続はなかったことになるの で、その相続によって取得した財産は返還しなければならなくなる。
また、失踪宣告によって解消した婚姻関係は解消しなかったことにな るなどのように、身分関係も復活することになる。
②a 失踪宣告により直接財産を得た者(Ex. 相続人、受遺者、生命保 険金の受取人)は、その取消しにより権利を失うが、不当利得の返 還義務の範囲は現存利益で足りる(32 Ⅱ)。
b なお、条文上は区別されていないが、このような返還義務の範囲 の限定は、悪意の者には適用がないとするのが通説である(全部返 還+利息+損害賠償)。
③ 失踪宣告の取消しは、取引安全の観点から、失踪宣告の後、その取 消しの前に善意で行われた行為の効力に影響を及ぼさない(32 Ⅰ後)。
例えば、失踪宣告の後、その取消しの前に行われた行為が売買契約 である場合、その売買契約の当事者の双方が善意であることを要する というのが判例である(大判昭 13.2.7)。
(夫)
Ⓐ
=Ⓑ
(妻) 売却失踪宣告
△
取消し
△
なお、失踪宣告を受けた者の配偶者が再婚していた場合、その失踪 宣告取消しの効力は、以下のように整理できる。
■失踪宣告の取消し(婚姻について)
❶ 失踪の宣告を受けた者は、死亡したものとみなされ、権利能力を喪失す るため、生存することの証明がなされ失踪の宣告が取り消された場合で も、失踪の宣告後その取消し前になされた行為はすべて効力を生じない。
(2012-27-2)
答 【×】
解説 失踪宣告制度は、失踪者の従来の住所又は居所を中心とする法律関係 を確定させるために死亡したものと扱うものであり、その者が権利能力を 喪失するものではない。よって、失踪宣告後も、失踪者は有効に法律行為 をすることをし得る。また、失踪宣告後その取消し前に善意の者がした行 為の効力は、失踪宣告が取り消された場合でも影響を受けない(32 Ⅰ)。
a 再婚当事者の双方が善意の場合
前の婚姻は復活せず、後の婚姻だけが存続する。
b 再婚当事者のどちらか一方でも悪意の場合
前の婚姻が復活して重婚状態が生じるため離婚原因となり、後の婚姻に ついては取消原因となるに過ぎないとされている。
第
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私権の主体
民法総則
1 はじめに(民法改正)
現在の法人制度の全体が完備したのは、平成 18 年の一般法人法、公益社 団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律、これら2つの法律の施行に 伴う関係法律の整備法による(合わせて公益法人制度改革三法という)。
この改革の結果、民法典の中の法人の規定のうち 38 条〜 84 条がまとめ て削除された。