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大規模・超高層都市施設に関する既往文献調査

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2.1 本研究に関係する都市解析の都市数理モデルの現状

既往の都市数理モデルと本研究のかかわりについて、以下に述べる。

2.1.1 既往の都市数理モデルと本研究のかかわり

第1章で述べたように、今日の日本の巨大都市の都市構造は、大規模再開発 や戦後の復興当時の都市街区を見直す大街区化による大規模都市施設のタワー 化・タウン化が進展している。このことから、1.2.3 節では、都市解析上の課 題として、タウン化による水平方向移動距離・時間とタワー化による垂直方向 移動距離・時間の増加に着目すると、特に垂直方向移動の増加が大きなウエイ トを締める可能性があることを指摘した。

この、都市施設がタワー化・タウン化することによる水平・垂直方向移動時 間・距離の増加は、本研究における新たな都市装置を組み入れることにより、

短縮することが可能となることが期待される。したがって、これを分析・評価 できる、三次元モデルの構築が不可欠である。

このことから、以下に本研究の目的と関連する既往の都市数理モデルについ て述べるとともに、本研究に必要な都市解析の視点や要素を抽出する。

2.1.2 本研究の目的と関連する既往の都市数理モデルの概観

本研究の目的と関連する都市解析の都市数理モデルとしては、栗田1),2)が 提唱する三次元の最適配置による超高層都市施設の数理モデルが代表的なもの である。また、EVに代表される現代都市における三次元の移動時間の問題に ついては、腰塚ら3),4)が新宿副都心を、さらに佐藤ら5)が汐留及び新橋を、

それぞれモデル都市として検証している。さらに、救急救命に関する適正施設 配置に関する既往研究の代表例としては、二次元のAED最適配置に関する研 究として今井6)、片岡ら7)、AEDの配置のコンセプトに関する研究として三 田村ら8)、日本循環器学会AED検討委員会・日本心臓財団9)、岡田ら10)、岩 崎ら11)、救急救命に関するその他(救急・医療システム、ドクターカー、ド クターヘリ)の二次元の最適配置に関する研究として菊島12)、田島ら13)、稲

2.1 本研究に関係する都市解析の都市数理モデルの現状

既往の都市数理モデルと本研究のかかわりについて、以下に述べる。

2.1.1 既往の都市数理モデルと本研究のかかわり

第1章で述べたように、今日の日本の巨大都市の都市構造は、大規模再開発 や戦後の復興当時の都市街区を見直す大街区化による大規模都市施設のタワー 化・タウン化が進展している。このことから、1.2.3 節では、都市解析上の課 題として、タウン化による水平方向移動距離・時間とタワー化による垂直方向 移動距離・時間の増加に着目すると、特に垂直方向移動の増加が大きなウエイ トを締める可能性があることを指摘した。

この、都市施設がタワー化・タウン化することによる水平・垂直方向移動時 間・距離の増加は、本研究における新たな都市装置を組み入れることにより、

短縮することが可能となることが期待される。したがって、これを分析・評価 できる、三次元モデルの構築が不可欠である。

このことから、以下に本研究の目的と関連する既往の都市数理モデルについ て述べるとともに、本研究に必要な都市解析の視点や要素を抽出する。

2.1.2 本研究の目的と関連する既往の都市数理モデルの概観

本研究の目的と関連する都市解析の都市数理モデルとしては、栗田1),2)が 提唱する三次元の最適配置による超高層都市施設の数理モデルが代表的なもの である。また、EVに代表される現代都市における三次元の移動時間の問題に ついては、腰塚ら3),4)が新宿副都心を、さらに佐藤ら5)が汐留及び新橋を、

それぞれモデル都市として検証している。さらに、救急救命に関する適正施設 配置に関する既往研究の代表例としては、二次元のAED最適配置に関する研 究として今井6)、片岡ら7)、AEDの配置のコンセプトに関する研究として三 田村ら8)、日本循環器学会AED検討委員会・日本心臓財団9)、岡田ら10)、岩 崎ら11)、救急救命に関するその他(救急・医療システム、ドクターカー、ド クターヘリ)の二次元の最適配置に関する研究として菊島12)、田島ら13)、稲

川ら14)、山田ら15)が挙げられる。以下では、これらを取り上げて詳述する。

2.1.3 三次元の最適配置

栗田1)では、都市モデル読本において、都市の数理モデルと研究のエート ス、一次元都市と二次元格子状都市のウエーバー問題、複数施設のミニサム型 配置モデルとミニマックス型配置モデル、連絡通路と距離分布の作法などを論 じている。これらに加えて、栗田2)は、「一次元ミニサム型施設配置の都市解 析-細長い都市や建築物そして放射鉄道セクターの施設立地原理」の中で次の ように述べている。「一次元空間に限定した解析に意味があるのだろうか?とい う疑問を抱かれる向きもおられるでしょう。当然の疑問です。私たちの都市生 活は地表という二次元の空間、あるいはビルの高さ方向を含めた三次元の空間 に展開しているのだから、本質的に二次元以上の空間の解析が必要であること は言うまでもありません。しかし、一次元空間に限定してきちんとした施設配 置モデルを構成しておくことも、実は十分に実践的な意義があるんです。」、

「さらに一次元の都市空間を鉛直方向に設ければ、高層ビルのモデルが与えら れます。超高層ビルともなりますと、それ自体を1つの“まち”と言ってよい ほどの人口を収容しています。(たとえば東京都港区の六本木ヒルズにある森 タワーの就業人口は約2万人にも上ります)。ビル内の人々はエレベーターや 階段を利用し、様々な目的でビル内を移動しますね。オフィスが複数階にまた がって存在するときに、どこに会議室を設ければよいのでしょうか。これらは 本質的に一次元の施設配置問題です。」

しかし、本研究が扱う大規模タワー化・タウン化した都市施設においては、

水平方向移動距離・時間も問題となる可能性があるので、一次元に還元しない 都市数理モデルを用いる必要がある。このことから、本研究で目指すものとの 相違が生じる。

2.1.4 三次元の縦方向にどれだけ時間がかかるか

(1)移動時間分布からみた超高層建築物の分析(新宿高層ビル群における

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移動時間分布)

腰塚ら3),4)は、移動時間分布、距離分布の近似、EVの待ち時間と速度を

考慮した場合の理論的分析や新宿副都心における垂直、水平方向移動時間の実 測を行っている。

その中で、腰塚3)は、「大規模な建築や建築群は単なる建物ではなく都市で あるという言い方がなされることが多い」と指摘している。また、「すなわち ある地点から別な地点までの移動が便利に行われることが重要である。そこで 最も基本的なものとしてこの移動という目から建築物群を見直すことにより、

人工構造物を都市として利用(移動)する上での”空間構造”のチェックをし てみよう」と提案している。その上で、移動時間分布、距離分布の近似、エレ ベーターの待ち時間と速度を考慮した場合の理論的分析の結果としては、次の 点が主なものとして示されている。

①特に階数が100階程度までは、エレベーターの速さよりも待ち時間で移動 時間分布は決まってしまう。

②従って、現在存在する60階程度の高層建築物はエレベーターの速さがきい てくるのは100階以上のときであり、200階ではエレベーター速度が速く ないと、せつかく積み上げた意味がなくなる。

上述した考え方を用いた具体例による分析として、腰塚ら4)による新宿高 層ビル群における移動時間分布の実測においては、「実際の高層建築物群であ る新宿を取り上げ、(中略)「移動時間分布」を調査し、単純なモデルから導か れる理論と比較することで、この街区の移動時間からみた特性を明らかにして いる。そして、これによって高層建築物群より構成される空間の移動時間から 見た評価を行う」としている。その結果として、実在する高層ビルの移動時間 分布、エレベーターの待ち時間及び移動時間の調査結果から導きだされた、総 移動時間分布、エレベーター(垂直方向)の移動時間分布を示している。

これらの知見は、本研究の問題意識である、大規模タワー化・タウン化した 建築物内でのトラベルタイムの増加に関する重要な裏付けである。これを踏ま えて本研究では、後述する実態調査から構築した、延床面積約 40 万㎡、軒高