第 7 章 拡張された繰り込み可能性の条件 65
7.1.1 拡張されたパワーカウンティング繰り込み可能性の条件
次の一般的なn点の相互作用項を考える. Sint =λ
$
dtddx(∂xa1φ) (∂xa2φ)· · ·(∂xanφ), (7.5) ここで, a1,· · · , an は非負の整数である. 各∂x はあらゆる空間微分∂i (i = 1,· · · , d)を表 し, この相互作用はd次元の空間回転対称性を保持していると仮定する. 一般性を失う事なく
∂xaiφ (i= 1,· · · , n) は0≤a1 ≤a2 ≤· · ·≤anと配列できる. 結合定数 λの次元は, [λ] =z+d−
,n l=1
(al+ [φ]). (7.6)
で与えられる. 相対論的な場の理論において, もし相互作用項が非負つまり[λ] ≥0の結合定 数を持つならば, その相互作用項は繰り込み可能である.
一方でLifshitz型理論では, [λ]はより強い制限を満たなければならない. この制限は以下で
導出される. 1粒子既約の図に対して, Ve (e = 0,1,· · · , n−2)をe本の外線を持つバーテッ クスの数とする.
あらゆる1粒子既約な図に対して, Vn−1 =Vn = 0である事に注意しよう. n= 4を持つ例 が図 7.1で示される. e 本の外線を持つバーテックスの寄与は
(7.5)式に対するバーテックス=λ(q1a1· · ·qeae) (pa1e+1 · · ·pann−e) + (aiの置換), (7.7)
7.1 繰り込み可能性の条件 67 の形を取る. ここで,piとqiは, それぞれ内線と外線の運動量である. 0≤a1 ≤a2 ≤· · ·≤an
とおいたので, 最初の項は極限pi → ∞において主要な寄与である. この表現からループ積分 のリーディングオーダーは,
1粒子既約なループ図 ≈
$
(dEddp)L
) 1
E2−p2z
*P n−B2
e=0
5 n B
l=e+1
pal 6Ve
, (7.8) として見積もる事ができる. ここで, LとP はそれぞれループの数と内線のプロパゲーターの 数である. これはループ図の発散の次数が
D=L(z+d)−2zP +
n,−2 e=0
Ve
,n l=e+1
al. (7.9)
となる事を意味している. 各バーテックスは n−e本の内線を持ち, 各内線は二つのバーテッ クスと連結しているので, 内線のプロパゲーターの数P は,
P = 1 2
n,−2 e=0
Ve(n−e). (7.10)
によって与えられる. ループ積分の数Lは内線の運動量の数と同一に扱う事ができる. この内 線の運動量は運動量保存則で決まらない. デルタ関数が各バーテックスに存在する. また, そ れらのデルタ関数も内の一つは全運動量を決定する. ループの数Lは
L=P −
n,−2 e=0
Ve+ 1. (7.11)
で与えられる. LとP を式 (7.9)から削除して (7.4)と(7.6)を使うと,
D = z+d−
n−2
,
e=0
Ve"
[λ] + de#
, de :=
,e l=1
(al+ [φ]). (7.12)
が得られる.
繰り込み可能な相互作用項に対して, N 点の図は, 十分に大きなN に対して, 有限となけれ ばならない. そのため, 全ての紫外発散は有限個の相殺項で除去できる.
言い換えると, Dは, 十分に大きな数の外線N = 7
eeVe を持つループ 図に対して負でな ければならない.
各バーテックス[λ] +de の寄与はあるeに対して負であるならば, Ve → ∞に連れて, 見か け上の発散Dは負にならない. これは次の事を意味する. 異なるN を持つ無限個の紫外発散 の図が存在する. そのような発散は, 有限個の相殺項で吸収する事ができない. 従ってこの種 類の相互作用は繰り込み不可能である.
. . . . . . . . .
図7.2 発散する図にあるバーテックスを加える: 左の図は発散するループ図図である. 上 の下の矢印は,各々V0とV1のバーテックスを加える操作表している. 上の操作は外線の構 造を変えない一方で,下の操作は外線を増やす.
次に, e ≥ 1に対する, [λ] +de = 0の相互作用項を考える. このループ 図では, 対応する バーテックスはDの値を変えない. しかし,外線の数は増加する. (図 7.2を見よ)この種類の 相互作用を使うと, 無限個の発散するループ 図を作る事ができる. 図 7.3の例で示されたよ うに, このループ 図は異なる外線の足 N をを持つ. 従って, この種類の相互作用項は繰り込 み不可能である. 一方e = 0に対して, [λ] +d0 = 0(= [λ])の相互作用項は含まれていない. なぜなら, 対応するバーテックスを加えても, 外線の数は変化しないからである. (図 7.2を見 よ) 従って, 通常のスカラー場の理論の場合と同じように必要とされる相殺項の数は増加しな い. そのため, [λ] = 0 を持つ相互作用項は繰り込み可能である.
まとめると, これまでの繰り込み可能性の議論により, 繰り込み可能な相互作用の結合定数 λに対して, 次の条件が与えられる. 即ち
[λ] ≥ 0, (e= 0に対して), (7.13)
[λ] >−de, (全ての外線e= 1,2,· · · , n−2に対して). (7.14) である. 最初の条件は, PCRの条件である. 加えて, もう一方の条件 (7.14)は, Lifshitzス カラー場の理論における繰り込み可能性に対して必要である. これらの条件を拡張された PCR と呼ぶ. z ≤ d に対して, スカラー場の次元 [φ] = (d−z)/2は, 非負となる. 従って
7.1 繰り込み可能性の条件 69
図7.3 [λ] +de = 0を満たすバーテックスのみから構成されるループ 図: バーテックスの 数の関わらず,このループ 図はD=z+dの次数で発散する
de (e = 1,· · ·, n−2) は非負である. この場合, PCR の条件 [λ] ≥ 0 が満たされる限り, (7.14) は自動的に満たされる. 一方, de (e= 1,· · · , n−2)はz > dに対して負である. その ため, [λ]は(7.14)においてより強い条件を満たすべきである.
(7.13)及び(7.14)を以下の等価な条件式に書き直すと便利である:
,n l=1
(al+ [φ])≤z+d, (7.15)
,n l=e+1
(al+ [φ])< z+d, (全ての外線e= 1,· · · , n−2に対して). (7.16)
二つ目の式は, ∂xae+1φ· · ·∂xanφ(e = 1,· · · , n−2)の次元がz+dであるべきという条件を 意味している. 拡張されたPCRの条件が無矛盾である事を示すために, 紫外発散を相殺する ために導入された相殺項の繰り込み可能性を確認する事が重要である. 次の節7.2.1で繰り込 み可能な相互作用項に対する相殺項も拡張されたPCRの条件を満たす事を示す. もし場の次 元が負の値を取るならば, 拡張されたPCR の条件を満たす項の数も無限個存在する. しかし
7.2.2節でベアな作用で最初に導入された項の数が有限であれば, 有限の相殺項を使って理論
を繰り込む事が可能である事を示した.