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第 4 章 材料特性が塩化物イオンの浸透挙動に及ぼす影響

4.2 塩化物イオンの浸透における影響因子

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①N配合

取り込める塩化物イオン量が最も少なく、コンクリート中に存在する塩化物イオンの 約7割が空隙に存在する自由塩化物となっている。また、Fickの拡散方程式にて算出し

た表面塩化物イオン量と、表層第1層の実測全塩分量とは概ね一致している。浸透面か らの深さ方向での自由/固定塩化物の割合は、浸透面表層と内部とで大きな変化がない ことから、浸透した塩化物イオンは一定の割合で移動・固定化していると考えられる。

②N+CA2配合

取り込める塩化物イオン量が N 配合よりも多く、且つ固定化割合が高い。また、第 1 層の固定塩化物割合が43%に対し、第2層以降が50%程度と高くなっており、表層部の みでなく内部においても高い固定化率を示す。これは、N 配合の場合と同様に一定割合 でイオンが内部へ移動しているものの、浸透過程で固定化・吸着が優先的に進行されて おり、それと並行して空隙部へも浸透しているものと推察される。

③N+CA2+Ex配合

取り込める塩化物イオン量および固定化率はCA2を単独で混和したN+CA2と概ね同程 度の場合よりも減少するが、固定化割合は高い。第2層、第 3層まではN+CA2に類似 した塩化物イオンの浸透挙動を示すものの、それ以降は塩化物量が大幅に減少し、内部 への浸透が大幅に抑制されている。従って、N+CA2配合と類似した挙動を示しながらも、

イオンの移動経路が異なっているものと推察される。

④BB配合

取り込める塩化物イオン量はN+CA2配合やN+CA2+Ex配合とほぼ同程度だが、自由 塩化物の割合が高い。また、第1層と第2層との塩化物イオンの浸透深さに大きな差異 が認められ、更に第3層以降は塩化物量の浸透がほぼ認められず、内部への浸透が大幅 に抑制されている。従って、空隙を経由した浸透が主であるものの、各層が飽和してか ら次層への浸透が進行するような段階的な挙動になっているものと推察される。

58 表 4-1 各種コンクリートにおける塩化物イオン量の最大存在割合

塩化物量の 限界値

(kg/m3

※Fickの拡散方程式の解に よる表面塩化物イオン量

(kg/m3

塩化物量の存在割合(%)

自由塩化物 固定塩化物

N 14.3 16.4 69% 31%

N+CA2 15.9 19.8 57% 43%

N+CA2+Ex 16.1 20.9 60% 40%

BB 15.0 22.1 79% 21%

(N 配合) (N+CA2 配合)

(BB 配合)

図 4-1 各配合における塩化物量の割合

(N+CA2+Ex 配合)

59 図4-1に示した結果を元に、鋼材腐食に影響を及ぼす自由塩化物イオンに着目し、浸透 面表層からの深さ別で整理したものを図4-2に示す。

表層第 1層においては、BB配合の自由塩化物イオン量が最も高く、N+CA2 配合および

N+CA2+Ex配合はN配合と同程度であった。また、第2層ではN+CA2配合とN+CA2+Ex

配合がBB配合と同程度、第3層以降はN+CA2+Ex配合と BB配合が同程度の自由塩化物 イオン量となっており、鋼材腐食の観点からは、N+CA2+Ex配合とBB配合とが同程度の性 能であると言える。また、本結果より、CA2と膨張材を併用した方が CA2単独添加の場合 よりも自由塩化物イオンの浸透抑制効果が高まっていることから、膨張材と CA2 の併用に よる相乗効果得られていると考えられ、膨張材と組み合わせた場合には、自由塩化物イオ ンの通り道となる空隙がCA2単独添加の場合と異なっていることが示唆された。

図 4-2 各配合における自由塩化物量の分布

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