第4章 堤体上の波浪流体場の空間特性と被覆捨石の初期移動について
1/30Slope
寸
図4−1島堤モデルの配置状況
安定性に及ぼす波の方向分散性の影響を検討すると共に,本研究で提案する捨石の移動限界流速 に関する算定式の妥当性についても第2章における初期被災の実験結果より比較検討する.
第2節 実験方法および実験条件
実験は,図4−1に示す多方向不規則造波水槽(9m×16m×0.6m)を用いて行った.水槽側壁に は,ステラシートの2層構造からなる遊水部を持つ消波工が設けられており,側壁での反射率を 0.2程度に抑えている.また,水槽の岸側には捨石による1/5スローブ(長さ1m)と,さらにその 奥にアルミ製の1/10スロープ(長さ6m)が消波工として設置されている.
島堤モデルは,図2−5に示したようにコアー部と2層被覆捨石層より構成されている.島堤モデ ルの構成材料はコンクリート用砕石で,島堤モデルのサイズおよび被覆層,コアー部の代表径は 表2−3に示した通りである.本実験では,多方向および一方向不規則波浪場における堤頭部上の流 速変動の相違を明確に測定するため,堤体の被災から生じる断面形状の変化に伴う波浪場の変動 要因を削除する目的で,堤体全体を強化ナイロン製透過性防護ネットで覆って捨石の移動を拘束
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表4.1入射波浪条件
周波数スペクトル JONSWAP (7=3.3)
方向分布関数 光易型(ふαエ=5,10,20,00)
主波向(α) o o
n ,−15
造波信号の計測時間 20分間 有義波高(尻o) 6.Ocm
ピーク周期(隅) 1.Os,1.4s
水深
30cm
造波信号中の波の数 1440 (隅=1.Os),1028 (隅=1.4s)
D/L 1.49 (勾=1.Os),0.95 (隅=1.4s)
既μ
L82 (7])=:1.Os) ,1ユ6 (コ})=1.4s)表4−2有義波高 五mO Hs一ηo
i隅=1.Os)
H8一πo i隅=1.4s)
5m。。=。。,α=0° 6.◎ 6.01 6.17
5_=。・,α=−15° 6.0 6.12 6ユ5
o
モ㏄=20,α=0 6.0 5.99 5.99 5_=20,α=−15° 6.0 6ユ6 6.16
5_=10,α=0° 6.0 6.◎1 6.05 5_=10,α=−15° 6.0 6.13 5.94 5_=5,α=o° 6.0 6.00 6.11 5_=5,α=−15° 6.0 5.99 5.97
(顕乞z:cm)
している.島堤モデルの設置に際しては,造波水槽の有効造波領域内に堤頭部および主幹部前面 部の大部分が位置するように決定した.また,造波板からの再反射の影響を出来る限り避けるた め,島堤モデルは造波板に対して20°傾けて設置された.
本実験では,堤頭部上の流体運動に及ぼす直角および斜め入射波の影響にも注目しているため,
主波向αは0°と一15°の2種類を設定した.本実験で造波対象とした入射波浪条件を表4.1に示 す.有義波高HmOは,堤体の初期被災に着目しているため6cmのみを採用した.表4−1に示す入射 波条件を設定するための予備実験は,フレーム構造の島堤モデルを設置した条件(見かけ上,島堤 モデルなしの条件)のもとで行われた.この予備実験により最終的に設定された有義波高亙3.ηo を表4−2に示す.なお,H8.ηoの値は,図4−2に示す8箇所の位置に設置された容量式波高計より 得られた各有義波高の平均値である.有義周期隅は1sと1.4sの2種類変化させた.各入射波長 Lに対する主幹部長既および堤頭部の直径Dの比は,それぞれ表4−1に示すとおりである.
堤体上の流速変動を計測するに当たっては,捨石面近傍に発生する境界層の外側の主流流速場 を対象に計測する必要がある.そこで本実験では,堤体捨石面上の境界層厚さをTorum1)によって 提案されている堤体上の境界層厚さの評価式に基づいて算定することにした.すなわち,Torum は膨大な実験解析により境界層厚みに関する近似式を次式のように導いている.
δ一已、0(・…5/ん)さ
30
(4ユ)
ここに,δが境界層厚み(単位はcm)で,晦が捨石の粗度係数,んが捨石の摩擦係数である.さら にこれら2つの係数については以下のような範囲が設定されている.
2・5・ヱ)π50≦た∫≦4・1)π50 (4.2)
0.15≦ん≦0.3 (4.3)
ここに,Dπ50は被覆捨石の中央粒径である.本研究ではDπ50=2.51αnとなることから,境界層 の影響を受けない主流流速場の流速値を得るためには被覆捨石面と流速計センサーの間に1.5cm 以上の距離を離す必要があることがわかった.そこで本実験では,流速計センサー部を捨石面か
ら1.5cm以上離れた位置になるように設置した.
島堤モデル周辺の水位変動は,図4−2において白丸の印で示す8箇所(WG 1〜WG8)で測定され た.その内,2本の容量式波高計は主幹部外縁に50cm間隔で設置され,残りの6本は堤頭部外縁 に30°間隔で設置された.堤体上の流速変動は,同図に示すように静水面以下4箇所を,堤頭部
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u トθ↑