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図4−3堤体周辺における波高の空間変化

の成分波が回折によりその方向が収敏されることによるものと考えられる.主幹部前面から堤頭 部に沿う波高分布に及ぼす波の方向分散性の影…響としては,本実験条件では堤頭部中央部より前 方において多方向および一方向不規則波浪場で有義波高に違いがあるものの,顕著な影響は認め られない.従って,被覆捨石の安定性に及ぼす影響を論じるための波浪流体場のパラメータとし て,堤体周辺の波高は適切なものでないと言えよう.そこで本研究では,次に堤体上の流速場に 注目して波の方向分散性の影響を検討する.

3.2 堤頭部上の作用合成流速の空間変化特性

 図4−4は,多方向不規則波浪場における堤頭部上のR=58cmの位置における1/3有義流速成分

(u,u)と一方向不規則波浪場の場合のそれらの値の比を堤頭部前面部からの角度にっいて示した もので,入射波浪条件は直角入射(α=0°),ピーク周期丁ρ=L4sである.なお,1/3有義流速と は,各流速計測位置における時系列データより求めた最大値から1/3最大値までの平均値として 定義している.図中の三角印で示すu(一)成分は,堤頭部の被災要因と考えられる堤頭部方向へ向 かう流速成分である.この図より,多方向不規則波浪場の場合のり(一)成分は一方向不規則波浪場

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図4−4多方向波浪と一方向波浪における堤頭部上の流速の関係

の場合と比較して1.2〜1.8倍程度大きくなり,また波の方向分散性が大きい方がその増加も大き くなることがわかる.この結果より,まず堤頭部被覆捨石の安定性の評価においては,多方向不 規則波浪場を考慮する必要性があると指摘できる.

 次に,作用合成流速の大きさおよび作用方向分布より,堤頭部上の流速場に及ぼす波の方向分 散性の影響をさらに詳細に検討する.図45は,計測された流速成分(u,u)の時系列データより,

堤頭部上の作用合成流速の大きさ琢とその作用方向θ。の結合頻度分布にっいて,多方向と一方向 不規則波(5mαエ=10,00)の結果を示したものである.この図は,直角入射(α=0°),勾=1s,

Hmo=6cmの場合のθヵ=0°,30°,90°および150°の各位置における流速変動の時系列データよ り求めた作用合成流速の最大値から1/3最大値までのものについて,流速は5cm/s間隔で,作用 方向は5°間隔で求められた結合度数分布を1/3最大流速以上の総データ個数で無次元化した相 対頻度分布を示したものである.図中の等相対頻度線の初期値は0.◎025で,その増分は0.0025で ある・なお,θρ=15◎°については0.0001の等相対頻度線も併記している・各図の紙面向かって左 側の等相対頻度線群が順流の作用合成流速を示し,右側が戻り流れを表している.これらの図よ

り,作用合成流速の卓越方向は,堤頭部上での波の屈折,回折によって,堤頭部背面部に進むに 従ってθ。のマイナス方向ヘシフトし,多方向不規則波浪場と一方向不規則波浪場における卓越方 向の差は各位置でほとんど認められない.また,一方向不規則波浪場の場合,成分波の周期毎に 回折が異なることから,等相対頻度線群の裾野が堤頭部背面部でかなり拡がっていることがわか る.一方,多方向不規則波浪場の場合,等相対頻度線群の裾野の拡がりに対して堤頭部上の空間

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