平成19年3月に策定した第1期障害福祉計画では、 障がいのある人の自立支援の 観点から、 「地域生活移行」や「就労支援」といった新たな課題に対応するため、現 行の施設が新しいサービス体系への移行を終了する平成23年度を目標年度として、
それぞれのサービスの数値目標を設定しました。
平成20年度に策定する第2期障害福祉計画においでは、相談支援体制の充実・強 化、一般就労への移行支援及び虐待防止に対する取り組みを強化し、障がいのある人 の地域移行のより一層の促進を図る必要があります。
1 施設入所者の地域生活への移行の推進
国の基本指針では、平成23年度末までに、現在の施設入所者の1割以上を地域生 活に移行することを目指すとともに、最低限必要な待機者を入所させることにより、
平成23年度末時点の 施設入所者数を差し引 き7%以上削減するこ とを基本としつ つ、地域の実情に応じて目標を設定することとしています。
<入所施設入所者の地域生活移行目標>
項目 数値 考え方
現在の入所者数
(A )
66人
第1期障害福祉計画時点
(平成19年3月末)
平成 2 3 年度末の 入所者数(B )
61人 平成 2 3 年度末の利用人員見込み
【目標値】
入所者削減見込み
5人
(7.5%)
差引減少見込み数
(A )―(B )
※ 対象施設
・身体障害者療護施設 ・身体障害者授産施設(入所) ・知的障害者更生施設(入所)
・知的障害者授産施設(入所) ・施設入所支援
(目標達成のための取り組み)
市では、これまでの相談支援体制の強化を図るとともに、通所施設の整備や、地域 活動支援センター等の地域生活支援事業の運営支援など、 地域生活の受け皿づくりに 取り組んできましたが、まだ十分な状況ではありません。
今後は、ますます利用希望者も増えることが予想されるため、施設から地域への移 行を推進する上では、 グループホーム等の整備や居住サポート等による住まいの確保、
地域での暮らしを支える相談支援体制の充実など、 地域で支える体制づくりが重要に
なります。
また、就労に結びつけるための支援や、障がいのある人が創作活動や生産活動を行 う地域活動支援センターの整備及び機能強化についても力を入れていきます
2 入院中の精神障がいのある人における地域生活移行の推進
国の基本指針では、 平成24年度までに受入れ条件が整えば退院可能な精神障がい のある人が退院することを目指し、 そのために必要な自立訓練事業等の必要量を見込 み、 平成23年度末までの退院可能な精神障がいのある人の数の減少目標値を設定す ることとしています。
この基本指針を踏まえ、 第1期障害福祉計画では県の目標値から市の人口比率で按 分した数値を目標として見込み策定しました。
第2期障害福祉計画の策定にあたっては、国は、精神障がいのある人に係る目標値 に対する考え方について、 「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」に おける議論を踏まえて考え方を整理した上で、 改めて退院可能精神障がいのある人の 数の減少目標値の設定方法を提示することになり、この目標値については、第1期障 害福祉計画をそのまま踏襲されることとなりました。
しかしながら、今後も退院可能な精神障がいのある人が退院することを目指し、退 院促進を進めていくためには、 退院後の福祉サービスの充実等支援体制の整備と併せ て、 医療計画に基づく地域における精神医療の提供体制の整備を同時に進めていくこ とが重要になります。
<入院中の精神障がいのある人の地域生活移行目標>
項目 数値 考え方
現在の退院可能 精 神 障 が い の あ
る人の数
20人 県調査(平成 1 8 年6月)の人口割人数
【目標値】
減少数
20人
上記のう ち、平 成23 年度末ま でに減 少を目 指す数
<第1期障害福祉計画での目標値と同じ>
(目標達成のための取り組み)
精神障がいのある人の地域生活を推進していくためには、住居、医療、食事、就
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さらに、就労希望者に対しては、就労のための訓練など、その人にあった適切な 支援が重要となります。
このことから、住まいについては、グループホームやケアホーム等の居住の場の 確保や民間住宅等への入居に係る住宅入居等支援事業(居住サポート)について推 進していきます。
日常生活上の支援については、居宅介護サービス事業の充実を図るため、事業者 との連携を強化し、精神障がいのある人に対するサービスの確保を目指します。
また、就労支援については、訓練事業や相談支援を含めたソーシャルサポートセ ンターの充実や就労支援センターの機能強化を図っていきます。
3 福祉就労から一般就労への移行
国の基本指針では、福祉施設利用者の一般就労への移行は関係機関と連携し、企 業等への働きかけを進めるとともに、 平成23年度の福祉施設利用者の年間一般就 労移行実績を、第1期障害福祉計画策定時(平成19年3月)実績の4倍以上にす ることを目標としています。
市としては、今後は、就労移行支援及び就労継続支援などの就労移行支援事業を 充実させるとともに、 就労支援センターを中心とした企業との連携等の効果を勘案 し、次のとおり見込みました。
<福祉就労から一般就労への移行目標>
項目 数値 考え方
現在の年間 一般就労者数
3人
平 成 1 9 年 度 に お い て 福 祉 施 設 を 退 所し、一般就労した者の数
【目標値】
年間一般 就労者数
15人
平成23年度において施設を退所し、
一般就労する者の数
※ 対象施設
身体障害者施設:更生施設、療護施設、授産施設(入所・通所)、小規模通所授産施設 知的障害者施設:更生施設(入所・通所)、授産施設(入所・通所)、小規模通所授産施設 精神障害者施設:生活訓練施設、授産施設、小規模通所授産施設
(目標達成のための取り組み)
福祉就労から一般就労への移行については、 働く意欲と能力を有する障がいのあ る人がその適性に応じて働けるような社会の実現を図ることが重要です。
このため、市では、職場開拓や企業への働きかけ、就労プログラムに基づく就
労訓練などの充実を図るため、就労支援センターの機能強化を図るとともに、障
がい者福祉センターについては、平成23年度までに新体系へ移行し、各種訓練
事業の充実を図り、一般就労につなげるような取り組みを進めていきます。
さらに、地域自立支援協議会等を活用して、一般就労に向けた関係機関の連携 を図っていくとともに、市としても啓発活動を推進していきます。
4 就労支援事業の利用者
①就労移行支援事業
項目 数値 考え方
福祉施設利用者 1 5 6 人
第1期障害福祉計画策定時点
(平成19年3月末)
【目標値】
就労移行支援事業を利 用する福祉施設利用者
4 0 人
福祉施設利用者のうち平成 2 3 年度 までに就労移行支援事業を利用する 者の数
※ 就労移行支援とは、一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力向上 のために必要な訓練を行うものです。
②就労継続支援事業
項目 数値 考え方
1人
平成 2 0 年度末の就労継続支援事業 の A 型を利用する者の数
就労継続支援事業 A 型の利用者
5人
平成23年度末の就労継続支援事業 の A 型を利用する者の数
4人
平成20年度末の就労継続支援事業 の利用者数(A 型+B 型)
【参考】
就労継続支援事業の利
用者数(見込み) 71人
平成23年度末の就労継続支援事業 利用者数
※ 就労継続支援とは、一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力向 上のために必要な訓練を行うものであり、A 型は雇用型、B 型は非雇用型となります。
(目標達成のための取り組み)
「就労移行支援事業」 における数値目標については、 第1期障害福祉計画策定時 (平
成19年3月末)の福祉施設利用者(入所・通所)156人の2割以上にあたる40
121
型)のベースとなる福祉工場がなく、この国の基本指針に基づく目標値を掲げること は現実的に困難な状況であることから、平成23年度末の目標値については、障がい のある人のニーズ等を勘案し、 就労継続支援事業利用者のうち約7%にあたる5人が A 型を利用できることを目指します。
このため、市では、就労支援センターの機能強化を図るとともに、働く意欲と能力 を有する障がいのある 人ががその適性に応じ て働ける就労支援施設 を千鳥地区に整 備するとともに、障がい者福祉センターについては、平成23年度までに新体系へ移 行し、各種訓練事業の充実を図り、一般就労につなげるような取り組みを積極的に進 めていきます。
ドキュメント内
障がい者福祉計画(素案)
(ページ 119-124)