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る。本解説(案)では地価関数は基本的には線形の重回帰モデルを中心に解説する。

ヘドニ ック ・アプ ロー チにお いて は、ま ずへ ドニッ ク価 格関 数 y( 本解説 (案 )では 地 価 関数) に対 応する 属性 を説明 変数 とし定 義す る。説 明変 数の中 には 、当該 事業 の実施 に よ り 変化す る環 境要因 が含 まれる 。(地 価関数 の説 明変数 の例 として は、地価に 影響 を及ぼ す 前 面 道路幅 員や 駅まで の距 離、等 が挙 げられ る。 詳細は 後述 )

) , , ,

( x

1

x

2

q

f

y = ・・・

・・・ ・・(1)

ただし 、

x

i:属性、 :環 境水準 や施 設整備 水準

q

我が国 では 地価デ ータ が充実 して いるこ とか ら、ほ とん どの事 例に おいて ヘド ニック 価 格 として 地価 (土地 の資 産価値 )を 採用し てお り、ヘ ドニ ック・ アプ ローチ とい えばヘ ド ニ ッ ク資産 価値 法をさ す場 合が多 い。

■地価 関数 の形状

ヘドニ ック ・アプ ロー チでの 地価 関数は 、被 説明変 数に 地価を 、説 明変数 に地 価を決 定 づ ける要 因を 用いた 、重 回帰モ デル で構成 され る。地 価関 数の一 般的 な形状 は、 式(1 ) の よ うにな る。

地価関 数の 型につ いて は、最 も単 純な線 形型 (足算 型) を用い るこ ともで きる 。

・・・・・

+ + + + +

= a bq cx

1

dx

2

ex

3

y

:説明変数

:偏回帰係数、

:定数項、

、 地価

:被説明変数

        y ( ) a b e x

1

x

3

q

:環境 水準や 施設 整備水 準

重回帰 分析 では被 説明 変数・説明 変数を 対数 に変換 して 行うと いう 方法も ある 。この 場合 、 説明式 は上 記のよ うな 線形型 (足 算型) では なく、 両対 数型( 掛算 型)の 形式 になる 。

しかし なが ら両対 数型 (掛算 型) は一般 に理 解しに くい 面があ り、 ここで は線 形型( 足 し 算型) の関 係式を 用い ること にし た。

( 出 典 : 市 街 地 再 開 発 事 業 の 費 用 便 益 分 析 マ ニ ュ ア ル 案 H11.3)

-1-2 ヘドニック・アプローチの手順

①評価対象の決定

①評価対象の決定

②データ収集整理

②データ収集整理

③地価関数の特定化

③地価関数の特定化

④地価の予測

④地価の予測

⑤便益の推計

⑤便益の推計

⑧結果の解析と報告

⑧結果の解析と報告

環境資源が地代や賃金に与える影響を測定 評価対象は限定的

クロスセクションデータの使用が基本

・他の手法に比べてデータ入手が容易

・地価データは、公示地価、取引実績等何種類かあるの  で入手可能なデータで分析してよいが、それぞれ性格  が異なるので混同して用いないこと

説明量とデータの利用可能性を考慮

・地価を決定する要因(説明変数)の決定を含め、試 行錯誤

・環境質のデータは多重共線性が発生しやすいので 取扱いに注意を要する。

事業完了後の姿を描く

・取引費用のない完全市場を仮定

・比較のために事業実施の場合と実施しない場合の 地価を予測する

対象としている効果が正しく抜き出されているか

・対象としている効果を含め一般に考えられる地価 形成要因が適切に入っているか

①評価対象の決定

①評価対象の決定

②データ収集整理

②データ収集整理

③地価関数の特定化

③地価関数の特定化

④地価の予測

④地価の予測

⑤便益の推計

⑤便益の推計

⑧結果の解析と報告

⑧結果の解析と報告

環境資源が地代や賃金に与える影響を測定 評価対象は限定的

クロスセクションデータの使用が基本

・他の手法に比べてデータ入手が容易

・地価データは、公示地価、取引実績等何種類かあるの  で入手可能なデータで分析してよいが、それぞれ性格  が異なるので混同して用いないこと

説明量とデータの利用可能性を考慮

・地価を決定する要因(説明変数)の決定を含め、試 行錯誤

・環境質のデータは多重共線性が発生しやすいので 取扱いに注意を要する。

事業完了後の姿を描く

・取引費用のない完全市場を仮定

・比較のために事業実施の場合と実施しない場合の 地価を予測する

対象としている効果が正しく抜き出されているか

・対象としている効果を含め一般に考えられる地価 形成要因が適切に入っているか

図 5 -1 ヘ ド ニ ッ ク ・ ア プ ロ ー チ の 実 施 手 順 と 留 意 点

-1-3 ヘドニック・アプローチの適用上の留意点

(1) 適用 可能な 範囲

ヘドニック・アプローチでは、事業の効果が地価に反映されるという仮説のもとに手法 が構築されているため、評価対象の変化と地価の変化(または他地区と比べた差異)の因 果関係が明らかな事業について適用が可能である。

ヘドニ ック ・アプ ロー チでは 、各 地点の 地価 がそこ の環 境条件 や公 共施設 の条 件等の 関 数 によっ て表 現され る( キャピ タリ ゼーシ ョン 仮説) もの とし、 評価 対象の 条件 の異な る 地 点 間の地 価の 差(ま たは 、変化 前後 での差 )か ら公共 施設 の便益 を計 測する もの である 。 し た がって 、キ ャピタ リゼ ーショ ン仮 説が成 立す る事業 であ れば、 適用 の範囲 は広 い。

■便益 の重 複計算 の排 除

公共事 業に は様々 な効 果があ るが 、ヘド ニッ ク・ア プロ ーチに 基づ いて考 える と、そ の す べては 最終 的に地 価に 帰着す るこ ととな る。 したが って 、仮に 、ヘ ドニッ ク・ アプロ ー チ 以 外によ って その効 果が 計測可 能で あった とし ても、 効果 を数値 化し た結果 とヘ ドニッ ク ・ ア プロー チの 結果を 合計 すれば 、ほ とんど が便 益の重 複計 算(ダ ブル カウン ト) となる こ と に 留意が 必要 となる 。

(2) クロ スセク ショ ンでの 評価

実際に評価を行う場面においては、同一時点における多地点(クロスセクション)の地 価データを用いて地価関数を推定する方法とする。時系列データは用いられないことに留 意する必要がある。

地価デ ータ は市場 デー タであ るた め、周 辺の 評価し よう とする 項目 以外に も様 々な影 響 を 受けて いる ものと 考え られる 。と くに、 地価 の市場 価格 の中に は景 気変動 等の マクロ 経 済 要 因は必 ず入 り込む こと となる が、これを 除去 して評 価す ること は簡 単では ない 。した がっ て 、 地価関 数を 構築す る際 のデー タに ついて も時 系列的 な分 析は行 わず 、マク ロ経 済的要 因 が 入 りにく い同 一時点 にお ける多 地点 の地価 のデ ータを 地域 特性に 応じ て比較 する 、クロ ス セ ク ション デー タが多 く使 用され てい る。

※クロ スセ クショ ン・ ・・あ る一 時点で 環境 等の悪 い地 点と環 境等 の良い 地点 の地価 を 比 較 し地価 関数 を推定 する 。

(3) その 他の留 意事 項

ヘドニック・アプローチは国内でも比較的適用事例の多い手法であると言われているが、

理論的な観点から以下の点に留意する必要がある。

1)ヘ ドニ ック・ アプ ローチ 適用 の留意 点

① 取引費 用が ゼロの 完全 市場を 前提 として いる こと

ヘドニ ック ・アプ ロー チでは 、被 説明変 数に 地価を 使用 してい る場 合には 引っ 越 し 代 金が、 また 、被説 明変 数に賃 金を 利用し てい る場合 には 職種変 更に 要する 費用 が、そ れ ぞれゼ ロに なるこ とを 仮定し てい る。支 払意 思額の 推定 にあた って 、この 前提 を置く こ とは必 ずし も現実 的で はない とい う考え 方も ある。 これ は、変 化し た評価 対象 の便益 を 享受す るに は、そ の土 地の購 入の みでは 達成 されず 、そ こに移 転す る必要 があ るとの 考 え方等 に由 来する もの であろ う。 しかし 、こ の場合 にお いても 、地 域全体 の中 で需要 側 にかか る入 居費用 と供 給側に かか る転出 費用 が同程 度で あると すれ ば、ク ロス セクシ ョ ンでの 地価 の相対 評価 につい ては 、近似 的に 評価対 象の 効果が 表現 できて いる ものと 考 えられ る。

② 環境変 数か らの多 重共 線性の 排除

地価関 数の 説明変 数と しては 環境 要因等 が用 いられ るが 、たと えば 、自動 車の 騒 音 が 出ると ころ では大 気汚 染も深 刻に なって いる など説 明変 数同士 が密 接な関 係を 持って し まう可 能性 が考え られ る。こ の場 合、重 回帰 分析な どに よって 計量 経済学 的に パラメ ー タを推 定し ようと する と、多 重共 線性が 発生 してし まい 推定し たパ ラメー タの 安定性 が なくな って しまう 。し たがっ て、 地価関 数の 説明変 数に は多重 共線 性が生 じな い要因 を 選定し なく てはな らな い。

③ 地価デ ータ は種類 の同 じもの を用 いる( 表 5-3 参 照 )

表 5-3 に 示 すと お り 、 我が 国 の 土 地・ 住 宅 市 場に お け る 価格 デ ー タ とし て は 比 較的 入手し やす い公示 地価 、基準 地価 等があ り、 これ以 外に も実際 の取 引を想 定し 土地所 有 者に希 望価 格をヒ アリ ングす ると いった 方法 等があ る。 同一地 点( クロス セク ション ) の地価 デー タは評 価者 や調査 方法 によっ て異 なる場 合が あるこ とか ら、地 価関 数を推 定 するた めの データ の種 類(出 典) は統一 して おく必 要が ある。

参考) 理論 面から みた 留意点

ヘドニック・アプローチは、以下の点で過大評価になると言われている。本解説(案)

で は 、 当 面 事 例 を 蓄 積 す る こ と に 主 眼 を 置 い て お り 、 今 後 、 あ る 程 度 事 例 が 蓄 積 さ れ た 時点で、他の評価結果とも比較を行いつつ、精度を確認していくものとする。

ヘドニ ック ・アプ ロー チにお いて は、市 場価 格が使 用さ れるこ とか ら「ヘ ドニ ック・ ア プ ローチ は市 場関数 を推 定する こと 」と認 識さ れるこ とが あるが 、本 来は評 価対 象の水 準 お よ び各属 性を もつ市 場財 に対し て最 大限支 払っ てもよ い価 格の関 数( 付け値 関数 )を推 定 す べ きであ る。

図 5-2 ヘドニ ック ・アプ ロー チに基 づく 便益の 定義

1999)

ー チ は 付 け 値 関 数 か ら 価 格 変 化 を み る も の で あ る た め 、 qAか ら qBの 変 化

)本 解説 (案) での 取扱い

の判 断は、 当面 は保留 して おくこ とと し、地 価関 数等に つ い て

b(q;I,u) p(q)

q

B

q

A

0 p

B

p

C

p

A

市場価格の 変化分

付け値の 変化分

財の価格p

環境水準q

b(q;I,u)と異なる個人の付け値関数

b(q;I,u) p(q)

q

B

q

A

0 p

B

p

C

p

A

市場価格の 変化分

付け値の 変化分

財の価格p

b(q;I,u) p(q)

q

B

q

A

0 p

B

p

C

p

A

市場価格の 変化分

付け値の 変化分

財の価格p

環境水準q

b(q;I,u)と異なる個人の付け値関数

出典:大野(

5-2 に おいて 、b(

q

;

I

,

u

)は付 け値関 数で あり 、所得

I

かつ 効用 水準

u

であ る家計 の環 境 水 準

q

に 対す る付け 値を 表現し てい る。ま た、

p

(

q

)は 市場 価格関 数で あり、b(

q

;

I

,

u

)の 上側 の 包 絡線で 定義 される 。

ヘ ド ニ ッ ク ・ ア プ ロ

に お い て 、 pAか ら pcに 変 化 し た 分 を そ の 変 化 分 と す べ き で あ る 。 し か し 、 実 際 に は 市 場 価 格 で 代 替 し て い る た め 、 qAか ら qBの 変 化 に お い て 、 pAか ら pBへ の 変 化 分 を そ の 対 象 と し て い る。図 から 明らか なよ うに後 者は 前者に 比べ て過大 にな る傾向 にあ る。両 者が 一致す るの は 、 すべて の家 計が同 質で ありか つ同 じ付け 値関 数をも って いる場 合に 限られ てい る。事 実 上 、 付け値 関数 を推定 する ための デー タ収集 が困 難であ るこ とから 、ヘ ドニッ ク・ アプロ ー チ に よる評 価は 過大で ある ことを 認識 する必 要が ある。

上記の よう な留意 点に ついて

事例 を蓄 積しな がら 、他の 評価 結果と も比 較を行 いつ つ、精 度を 確認し てい くもの とす る 。

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