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第 3 章 観測結果 22

3.1.4 地上磁場

なのかを確認するために、Burg法を用いて周波数スペクトルを求めた。

0.001 0.01 0.1

PSD [(log ((nT) /Hz))/div.]2

Frequency [Hz]

IMAGE 12/Feb/2002 XY-comp. FPE=12

0.001 0.01 0.1

Frequency [Hz]

NAL LYR HOR HOP BJN SOR TRO AND

KEV MAS KIL LEK ABK IVA MUO KIR LOZ SOD PEL RVK

NAL LYR HOR HOP BJN SOR TRO AND KEV MAS KIL LEK ABK IVA MUO KIR LOZ SOD PEL RVK

10

図3.26:次数10Burg法によって得られたIMAGE磁場観測チェーンの各観測点における磁場 のパワースペクトル。左がX成分、右がY成分となっている。時間幅は0440UTから 0510UTまでとなっている。灰色の帯はIceland East HFレーダーで得られたスペクトル

ピークの周波数である16.4mHz19.7mHzを表している。

図3.26は次数10のBurg法で算出した0440UT〜0510UTにおける周波数スペクトルである。高緯度から 低緯度までの観測点を上から順に並べてある。ここで、灰色の帯はIceland Eastレーダーで見ることのできた 16.4mHz19.7mHzの周波数帯を示している。この図から、Leknes(LEK)からBJNのX成分におよそ12mHz の明瞭なスペクトルピークが存在することがわかった。また、Y成分でも低緯度から高緯度までおよそ12mHz 付近のスペクトルピークが見られる。さらに、低緯度から高緯度までの観測点で、20mHzから25mHz付近の

Iceland East

で観測した脈動のスペクトルピーク(16.4mHz19.7mHz)において明瞭なピークは見られなかった。

以上のことから、IMAGEチェーンによる磁場観測では、電離圏において観測された電場脈動と同じ周波数 帯の脈動は観測されておらず、12mHz付近と20mHz〜25mHzにスペクトルピークを持つ脈動を観測していた ことがわかった。

3.1.4.2 SAMNET 磁場観測チェーン

図3.27はSAMNETで観測されたH成分、D成分の磁場変動を上から磁気緯度の高い観測点順に示したもの

である。縦軸は磁場強度、横軸は時間を示しており、0430UT〜0530UTの時間帯を表している。両成分におい

KIL HLL OUL NOR FAR HAN KVI GML BOR

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

D-Comp. 40 [nT/div]

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

SAMNET Magnetometer chain magnetic data

TIME [UT]

H-Comp. 40 [nT/div]

図3.27:20022120430UTから0530UTSAMET磁場観測チェーンによって得られた 地磁気H,D成分の時系列プロット。上から順に磁気緯度の高い観測点から低い観測点を 表している。縦軸は磁場強度、横軸は時間を表している。

てHella(HLL)の位相だけが逆になっているのがわかる。これは、スカンジナビア半島とアイスランドの間

を境にして、電離圏で逆向きの電流が流れていることを示している。IMAGEと同様に、高緯度側の観測点で は1分程度の周期的な変動が見える。そこで、IMAGEのデータと同様にBurg法によって周波数スペクトルを 算出した。

図3.28は、次数15のBurg法を用いて算出した、各ステーションの0440UT〜0510UTにおける磁場の周波数 スペクトルである。灰色の帯で示されているのはIceland Eastレーダーで見ることのできた16.4mHz19.7mHz のスペクトルピークである。この図のH成分において、Kilpisjarvi(KIL)、Faroes(FAR)、Borok(BOR)で

KIL

HLL

OUL

NOR

FAR HAN

KVI

GML

BOR

0.001 0.01 0.1

Frequency [Hz]

SAMNET 12/Feb/2002 X-comp. FPE=15

0.001 0.01 0.1

Frequency [Hz]

KIL HLL

OUL

NOR

FAR

HAN

KVI GML

BOR

PSD [(log ((nT) /Hz))/div.]2 10

図3.28:次数15Burg法によって得られたSAMET磁場観測チェーンの各観測点における磁場 のパワースペクトル。左がH成分、右がD成分となっている。時間幅は0440UTから 0510UTまでとなっている。灰色の帯はIceland East HFレーダーで得られたスペクトル

ピークの周波数である16.4mHz19.7mHzを表している。

はIceland Eastレーダーで得られた電離圏の電場脈動の周波数とは違う12mHz〜13mHzのスペクトルピークを

見ることができる。また、ほかの観測点ではband-limitedなパワーを見ることはできるが、スペクトルピーク として認められるものではなかった。一方、D成分においてもHLL、Hankasalmi(HAN)、BORで電離圏電場 脈動の周波数とは異なる14mHz付近のスペクトルピークを見ることができたが、ほかの観測点でははっきり としたスペクトルピークは確認できなかった。

以上のことから、SAMNETによる磁場観測では、電離圏において観測された電場脈動と同じ周波数の脈動 は観測されておらず、12mHz〜13mHzにスペクトルピークを持つ脈動をいくつかの観測点で観測していたこと がわかった。

3.1.4.3 Jan Mayen

Jan Mayenは磁気緯度69.61、磁気経度83.05に位置するため、Iceland Eastレーダーのビーム8レンジ17 の真下に位置し、16.4mHz〜19.7mHzのPc3-4脈動が見られたエコー領域の直下に近い。そのためIceland East レーダーによって観測されたPc3-4脈動と同じスペクトルピークをもった明瞭な磁場変動が得られていると期 待される。

図3.29はJan MayenにおけるH成分とD成分の磁場変動を表したものである。縦軸が磁場強度、横軸が時

10980 11020 11060 11100 11140

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

-13.7 -13.6 -13.5 -13.4 -13.3

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

Jan Mayen Magnetometer

Feb. 12, 2002

H [nT]D [nT]

TIME [UT]

図3.29:20022120430UTから0530UTJan Mayen磁場観測点で得られた地磁気HD 成分の時系列プロット。上がH成分、下がD成分を表している。横軸は時間、縦軸は磁 場強度を表している。

間となっており、0430UT〜0530UTの時間帯を表している。ここで、H成分とD成分ではダイナミックレンジ が大きく違い、H成分がD成分に比べて非常に大きいことに注意してもらいたい。この図から両成分で10分 程度の周期を持つ長周期の変動と、1分程度の周期をもつ変動があることがわかる。そこで、Burg法を用いて 周波数スペクトルを計算した。図3.30は次数10のBurgによる磁場の周波数スペクトルである。灰色の帯で示 されているのはIceland Eastレーダーで見ることのできた16.4mHz19.7mHzのスペクトルピークである。X 成分とY成分ではダイナミックレンジの違いが大きいため、Y成分のパワーを104倍してあることに注意して もらいたい。X成分で1.3mHz11mHzの明瞭なスペクトルピークを、Y成分では1.4mHz12mHzの明瞭 なスペクトルピークを見ることができる。この11mHz〜12mHzのスペクトルピークはIMAGEやSAMNETで も見ることができたスペクトルピークに近い。一方、Iceland Eastレーダーで観測されたPc3-4脈動のスペクト ルピークである16.4mHz〜19.7mHzには明瞭なスペクトルピークは見られない。

100 101 102 103 104 105 106 107

0.001 0.01 0.1

Jan Mayen magnetomet Power Spectrum PFE=10

X-comp.

Y-comp.

[*104]

PSD [(nT) /Hz]2

Frequency [Hz]

図3.30:次数10Burg法によって求められたJan Mayen磁場観測点における磁場のパワースペ クトル。時間幅は0440UTから0510UTまでとなっている。灰色の帯はIceland East HF レーダーで得られたスペクトルピークの周波数である16.4mHz19.7mHzを表している。

このことから、Iceland Eastレーダーで観測された電離圏電場脈動のエコー領域に近いJan Mayenでも、IMAGE

やSAMNETと同様に、電離圏の電場脈動と同じ周波数の脈動は観測されておらず、11mHz〜12mHzに周波数

にスペクトルピークを持つ脈動を観測していたことがわかった。

3.1.4.4 Iceland

Icelandにおける磁場観測は2002年1月から4月の期間、観測機器の故障によりH成分のみの観測となって

いる。また、2月12日における観測では、Husafell、Aedeyでの磁場は観測されていない。

図3.31はIcelandのTjornesにおけるH成分の磁場変動を表したものである。縦軸は磁場強度、横軸は時間

で0430UT〜0530UTの時間帯を表している。サンプリング時間は3秒で再サンプリングしている。この図か

ら、約10分程度と約1分程度の周期をもつ変動が見られる。そこで、Burg法を用いて周波数スペクトルを算 出した。図3.32は次数20のBurg法による0440UT〜0510UTの周波数スペクトルを表したものである。灰色 の帯で示されているのはIceland Eastレーダーで見ることのできた16.4mHz19.7mHzのスペクトルピークで ある。この図から、Iceland Eastレーダーで得られた16.4mHz19.7mHzとは違う、15.7mHzのスペクトルピー クを見ることができる。

このことから、Icelandでは、他の磁場観測点と同じように、Iceland East

周波数とは違う15.7mHzの脈動をTjornesで観測していたことがわかった。

Iceland Tjornes Magnetometer

Feb. 12, 2002

-70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

H [nT]

TIME [UT]

図3.31:20022120430UTから0530UTIceland Tjornes磁場観測点で得られた磁場H 成分の時系列プロット。横軸は時間、縦軸は磁場強度となっている。

10-1 100 101 102 103 104 10 106 107

0.001 0.01 0.1

PSD[(nT)2/Hz]

Iceland magnetometer Power spectrum FPE=20

Tjornes 10

Frequency [Hz]

図3.32:次数20Burg法によって得られたIceland Tjornes磁場観測点における磁場のパワース ペクトル。時間幅は0440UTから0510UTまでとなっている。

3.1.4.5 Davis

南極Davis基地はIceland EastレーダーでPc3-4脈動が観測されたエコー領域付近と磁気共役の関係にある。

図3.33はDavis基地のインダクション磁力計で観測された磁場のH成分、D成分を表したものである。

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

dH/dt (10 nT/sec)/div

Davis station Induction Magnetometer Data

04:30 04:40 04:50 05:00 05:10 05:20 05:30

TIME [UT]

dD/dt (10 nT/sec)/div

図3.33:20022120430UTから0530UTに南極Davis基地で得られた地磁気H,D成分の 時系列データ。横軸は時間、縦軸は磁場強度を表している。

10-2 10-1 100 101 102 103 104 105

0.001 0.01 0.1

PSD [(nT/sec)2 /Hz]

H D

10-2 10-1 100 101 102 103 104 105

0.001 0.01 0.1

Davis station Induction Magnetometer Data

Frequency [Hz]

図3.34:次数20Burg法によって求められた、南極Davis基地における磁場のパワースペクト ル。時間幅は0440UTから0510UTまでとなっている。

縦軸は磁場強度変動分、横軸は時間となっており、0430UT〜0530UTを表している。サンプリング時間は3 秒で再サンプリングしている。この図から明瞭な周期的変動を見ることはできない。図3.34は次数20のBurg

法による0440UT〜0510UTの周波数スペクトルを表したものである。灰色の帯で示されているのはIceland East

レーダーで見ることのできた16.4mHz〜19.7mHzのスペクトルピークである。この図から、16.4mHz〜19.7mHz を含む全ての周波数帯において、スペクトルピークを見ることができない。

このことから、Iceland Eastレーダーで観測された電離圏電場脈動は、南半球のDavis基地磁場データでは観 測されていなかったことがわかった。