3−1 土地利用の課題
① 豊かな自然環境・農地と調和したまちづくり
常陸太田市の都市計画区域は、北側に山地が広がり、久慈川や里川などの清 流が流れる自然に恵まれた場所にあります。この豊かな自然を後世に伝えてい くため、土地の有効利用に努め、自然環境と都市環境とが調和するまちづくり を目指していく必要があります。
また、南側の平地部や丘陵部に広がる農地は、周囲の豊かな自然とともに美 しい景観を形成する重要な要素であり、農業としての常陸太田市の産業を支え る大きな役割を担っています。特に梨やぶどう栽培は観光としての役割も含め てまちづくりでの活用が期待されています。
② 快適な居住環境の提供
常陸太田市街地は住宅地の割合が高く、「住宅市街地」としての側面が比較的 強い都市です。本市の住宅地は、土地区画整理事業により都市基盤が整備され た地区もありますが、たとえば鯨ヶ丘地区周辺のように木造家屋が密集し、道 路が狭く、公園・広場等が少ない地域もあります。今後の高齢社会では安心し て歩くことができ、豊かな暮らしを実現できる質の高い居住環境の実現を図る ことが必要となっています。
③ 商業・業務、工業などの産業振興
常陸太田市の用途地域は、商業系・工業系用途地域の割合が比較的低い状況 にあります。アンケート調査によれば、買い物の場、働く場の不足をあげる声 が多く、若者の定着を進めるためには産業の振興は必要不可欠です。
特に商業地については、古くから常陸太田の中心的商業地である鯨ヶ丘地区 と、広域的な商業が展開されている国道 349 号沿道地区は、地域の特色を活か して相互の活性化を図る必要があります。また、広域的な商業、もしくは工業、
研究開発施設などが期待される国道 349 号沿道地区については、既存ストック の活用と共に市街化調整区域を含めた地区計画を活用し、周辺の環境に配慮し ながら産業振興を図る拠点の拡大が必要となっています。
3−2 土地利用方針
土地利用に関する課題や、将来都市構造等を踏まえ、次のような土地利用方針 を設定します。
【広域商業・業務地】
国道 349 号沿道地区は、合併により拡大した市域に対応した公共施設や大規 模商業施設などが集積する都市サービスの拠点的な役割を果たす地区です。
また、国道 349 号沿道は、大型沿道商業施設の立地が進む地区として、広域 的に人を集める快適で利便性の高い商業地区の形成を図るとともに、用途地域 が準工業地域に指定されている地区については、沿道型の商業地という地域の 現状にあった用途地域へと変更し、適正な土地利用の誘導を図ります。
さらに、今後の広域的な商業などが期待される区域への用地需要に対しての 適正な立地誘導を図るために、既存ストックの活用と、周辺環境へ配慮した市 街化調整区域を含めた地区計画等の制度などの活用により、産業振興拠点の拡 大を図ります。
【近隣商業・観光商業・業務地】
駅周辺地区や鯨ケ丘地区は、歴史的市街地と生活市街地が共存する地区です。
駅周辺地区は、鉄道駅を含めた周辺市街地の面的整備事業を推進することで、
鉄道やバスなどの交通利便性を高めると共に、交流施設や観光案内を含む情報 発信機能等の充実を図り、市内周遊の出発点、市の玄関口にふさわしい都市機 能の向上を目指します。
鯨ケ丘地区は、近隣型の商業地であると共に、常陸太田の歴史・文化を色濃 く残す観光資源がたくさん残されていることから、歴史的街なみを活かした景 観の形成に努めるとともに、より多くの観光客を呼び込むことのできる店舗の 立地を促進します。
【工業地】
常陸太田工業団地、大森町周辺を対象とします。この地区は企業誘致の推進 を図る地区です。
常陸太田工業団地については、今後とも引き続き、常陸太田市の工業拠点と して位置づけ、周辺環境との調和、生産環境の向上等に努めます。
大森町の工業地域では、工業地や住宅地としての開発が進まず、地形上から 考えて工業開発は難しい状況です。そのため、現在指定されている工業地域に ついて用途地域の変更を検討していきます。
補完的な区域として、工業、研究開発施設などの立地を周辺環境へ配慮した市 街化調整区域を含めた地区計画等の制度などの活用により検討し、産業振興拠 点の拡大を図ります。
【住宅地】
現在、住宅を中心として建物立地が進んでいる地区を対象とします。
街路や公園など都市基盤が整備された大規模開発団地や土地区画整理事業整 備済み地区等においては、現在の良好な居住環境の維持・保全を図ります。こ のような良好な居住環境を将来にわたっても確保していくために、地区計画制 度や、法的制度によるまちづくりルールの活用を図ります。また住宅団地とし て開発されたものの、現在市街化調整区域に指定されているはたそめ住宅地、
真弓ヶ丘ニュータウンは、市街化区域への編入を検討します。
既成市街地の住宅地は、道路や公園などの都市基盤整備、公共施設のバリア フリー化、緑化推進等を図りながら快適な居住空間の形成を進めます。また一 部の建物密集地区では、面的整備事業や道路・公園整備等による手法を検討し ながら地域の防災機能向上を目指します。
市街地の幹線道路の沿道は、用途地域の変更を行うことにより、より高度な 土地利用促進を図ります。特に県道常陸太田烏山線の馬場町交差点から誉田小 入口交差点まで、都市計画道路停車場増井西線の誉田小入口交差点から国道 293 号宮本町交差点までの道路沿道は、第一種住居地域への用途地域変更を進めま す。
都市計画区域外の金砂郷地区の一部の区域については、市街化区域のような 積極的な整備や開発は行いませんが、農地を転用した小規模な宅地開発による 住宅が増加しているため、土地利用の整序のみを行う目的で準都市計画区域を 指定し、開発の適切な誘導を図ります。
【地区計画等の制度活用により市街化を図る区域】
市街化区域に隣接する国道 349 号(バイパス)西側、及び佐竹高校東側につ いては、現状では農用地区域に指定されていますが、将来的に市街化への条件 が整った段階で、商業・業務・工業・研究開発施設・住宅などの必要な地区計 画等の制度を活用し市街化を図ります。
【農業集落地】
農業集落地は、主に南側平地の河川沿岸に広がる農地・集落を対象とします。
農地はおおむね農用地区域に設定されており、今後とも農地の維持・保全を図 る地域です。また地域の特産品である梨やぶどうは、観光農園などによりまち づくりの中での活用を図っていきます。
農地周辺にある樹林や河川等の自然環境については、農地と一体となって良 好な景観を形成している要素であり、保全を図ります。
集落地については、周辺環境と調和した集落の形成を図るとともに、居住環 境の改善を進めます。
【丘陵地】
丘陵地は、本区域北側の丘陵地上に広がる樹林地、農地や集落等を対象とし ます。一部の地域には、県を代表する風景地である「太田県立自然公園」や「高 鈴県立自然公園」、保安林が指定されており、樹林、河川等の自然環境の保全・
育成を図る地域です。
地域内に存する集落地については自然環境と調和した集落形成を図るととも に、居住環境の改善を進めます。
丘陵地には瑞竜山や西山荘、佐竹寺等の史跡・文化財等が立地しており、観 光・レクリエーションの拠点となっています。観光・レクリエーションの利便 性向上に資する道路や歩道、ハイキングロード、公園等の公共施設整備や駐車 場、案内標識等の観光関連施設整備を進めます。
図3- 1常陸太田市都市計画区域土地利用計画図