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オエネルギー、バイオ製造(バイオ関連製品の製造)、バイオ環境保護(バイオ技術を生か した環境保護)などを兼ね備えたバイオ産業を発展させるシステムを徐々に構築すること を目的としている55

2008年6月、湖南省長沙市にて第2回中国バイオ産業大会が開かれ、次節で述べる 中国「国家バイオ産業発展5カ年計画」で示された基本方針や関連アクションが再確認さ れた。中国政府がこれまで以上に積極的にバイオ産業に取り組む背景は、バイオが先進産 業・先端技術であり、国の産業競争力と技術力の向上に相当な貢献が見込まれることであ る。また、後述する5カ年計画は「バイオ産業が発展すれば、医薬面では感染症対策、環 境面ではバイオマス(生物資源)活用による環境汚染改善など、各種の社会的効果も期待 できる」としている。

この他、同計画が「世界のバイオ産業は成長段階にあり、まだ少数の多国籍企業による 寡占はみられない」と指摘している通り、今、注力すれば、世界の最先端に躍り出ること も可能である。従って、同計画は、全体的に国産自主技術・自主ブランド育成の色彩が強 くなっているとの指摘もある。このような背景で発足した国家バイオ産業基地は、各地の 優位性を生かしながら本格的な展開に入り始めている。

2008年8月5日、国家発展改革委員会は北京で「国家バイオ産業発展専門家諮詢委 員会設立大会」を開き、国家バイオ産業発展5カ年計画の効果的な実施、中国バイオ産業 に関連する重大な問題点についての研究強化、政策立案の科学的な信憑性の向上などに資 するよう同専門家諮詢委員会を発足させた。

第2節 関連政策

2007年4月、中国初の国家「バイオ産業発展5カ年計画」(中国国家発展改革委員会)

により、第11次5カ年計画期間(2006~2010年)中のバイオテクノロジー産業発展計画 が発表された。ワクチンと診断試薬、革新的な新薬、漢方薬の現代化、バイオ育種、バイ オエネルギーなど9大分野でブレークスルーを遂げ、中国バイオ産業の全体的な優位性と 競争力の向上を図ると言うものである。

同5カ年計画では、バイオ産業で次の4大目標の実現を図ることを目指している。

第1に、バイオ産業の発展にプラスとなる政策、法規、技術革新、技術標準、バイオ安 全保障、産業組織、産業サービスの各体系をほぼ構築する。

第2に、自主開発能力を著しく高め、産業生産額(付加価値ベース)に占める研究開発 費の割合を大幅に引き上げ、独自の知的財産権を持ち、年間売上10億元以上のバイオ技

55 東方ネット&浦東ネット(2006 年 6 月 20 日)。尚、国家級のバイオ産業基地ではないが、関連する動きとし て、以下の報道も関係者の関心を集めている。バイオ産業のインキュベータ基地としてはアジア最大となる「中国 バイオテクノロジー学術センター」が 2006 年 5 月 29 日、北京で着工した。同センターは、北京市西部の五輪広 場北側に位置し、市中心部を東西に走る長安街沿いにある。延床面積は 25 万㎡。北京国際信託投資有限公司 と科学技術部中国生物技術発展センターが共同で建設する(人民網日本語版」2006 年 5 月 30 日)。

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術製品を数多く打ち出す。

第3に、産業構造を最適化し、イノベーション力を持つ中小のバイオ企業を数多く育成 し、売上高100億元以上の大型バイオ企業を10社前後育成し、北京・天津・河北省、

長江デルタ、珠江デルタでの総合的バイオ産業基地の建設を重点的に進め、生産額500 億元以上のバイオ産業基地を8カ所形成する。

第4に、産業規模を急速に増大させ、2010年にバイオ産業の生産額(付加価値ベー ス)を5000億元以上とし、輸出額も顕著に増加させる。

これらを基礎とし、2020年には生産額(付加価値ベース)2兆元を突破するととも に、重要なバイオ技術で独自の知的財産権を保持し、バイオ産業をハイテク分野の基幹産 業、国民経済の主導産業とする。これは先進産業・先進技術の代表とも言えるバイオ、具 体的には、①バイオ医薬56、②バイオ農業、③バイオエネルギー、④バイオによる新素材の などの製造、及び⑤バイオ利用の環境保護を戦略的に育成することにより、産業の高度化 を図るとともに、同分野の技術において世界トップレベルの地位となることを狙う戦略で ある。

また、同5カ年計画は、バイオ産業の対国内総生産(GDP)比の目標を10年で2%、

20年で4%以上にすると設定し、国産ブランド育成の国策に沿って、中国自身が知的財 産権を持つバイオ製品の年間売上高を10億元超に高めるとともに、年間売上高が100 億元を超える大型バイオ企業を全国で10社育成し、バイオ産業基地を8カ所設けて開発 を重点的に推進するなど、同産業の発展に関していくつもの具体的数値目標や方針を掲げ た。

また、政策的な支援としては、バイオ産業を育成するために有効な法令、技術革新体系 及び技術標準体系の整備などを実施し、国家機関として、バイオ産業の専門家による諮問 委員会も設置した。資金面での支援については、新たなバイオ産業向け優遇税制の検討に 入る他、海外を含む株式市場や債券市場でのバイオ企業の資金調達を後押しし、金融機関 に対しても融資を積極的に行うよう求めている。

更に、研究開発と人材についても、大手企業によるバイオR&D機関設置の推進や、各 研究機関への支援、産学提携の推進などを謳っている。外国企業が中国本土内にR&Dセ ンターを設けることも奨励・支援するとした。

2007年6月26日、中国科学技術部部長・万鋼は「2007年国際バイオ経済会議」

(北京)の席上、「中国のバイオ経済振興戦略」は「三歩走(3段階を踏む)」になると述 べた(下図参照)。

56 例えば、2006 年 4 月現在、中国食品及び薬品監督管理局は 35 種の遺伝子組み換え蛋白、治療性抗体または 遺伝子治療用の医薬品の市場投入を承認し、2004 年末現在、50 種余りのバイオ新薬が臨床前の動物実験また は臨床試験の段階にある。胡顕文等「中国バイオ製薬産業概要」国家発展和改革委員会高技術産業司等編著

『中国バイオ産業発展報告』(2006 年)。

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図 5.2 中国におけるバイオ産業振興のための「3つのステップ戦略」

技術蓄積

産業振興

持続発展

Step1 → 2010年

Step2 → 2015年

Step3 → 2020年 中国科学技術部中国生物技術発展センター発表:

バイオ産業「三歩走」戦略

技術蓄積

産業振興

持続発展

Step1 → 2010年

Step2 → 2015年

Step3 → 2020年 中国科学技術部中国生物技術発展センター発表:

バイオ産業「三歩走」戦略

出典:張輝「中国バイオ産業の現状及び日中ビジネスのポイント」(2007 年 8 月 7 日)57

この「三歩走」=「3つのステップ」戦略は具体的に次のような段階を示した。第1段 階は「技術蓄積」の段階とし、2010年までに5000~8000億元規模のバイオ技 術産業を形成する。第2段階は「産業振興」または「産業確立」の段階とし、2015年 までにバイオ産業の生産高を約1兆6000億元にする。第3段階は「持続的発展」の段 階とし、2020年前後に達成させるものとして、バイオ産業の総生産高を2~3兆元に し、GDPの4%以上を占めるようにするとしている。

第3節 地域分布と現状

第1項 地域分布

2008年12月現在、22カ所に設けられている国家バイオ産業基地の地域的な分布 を下表に示す。

57 張輝「中国バイオ産業の現状及び日中ビジネスのポイント」(経済産業省北海道経済産業局主催セミナー講演 レジュメより、2007 年 8 月 7 日)。

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表 5.1 国家バイオ産業基地の地域分布

No 地域 名称 所在地

1 北京 北京国家バイオ産業基地 北京市 2 天津 天津国家バイオ産業基地 天津市 3 上海 上海国家バイオ産業基地 上海市 4 重慶 重慶国家バイオ産業基地 重慶市

5 長春国家バイオ産業基地 長春市

6 吉林

通化国家バイオ産業基地 通化市 7 河北 石家荘国家バイオ産業基地 石家荘市

8 青島国家バイオ産業基地 青島市

9 山東

徳州国家バイオ産業基地 徳州市 10 河南 鄭州国家バイオ産業基地 鄭州市 11 江蘇 泰州国家バイオ産業基地 泰州市 12 浙江 杭州国家バイオ産業基地 杭州市 13 江西 南昌国家バイオ産業基地 南昌市 14 湖北 武漢国家バイオ産業基地 武漢市 15 湖南 長沙国家バイオ産業基地 長沙市

16 広州国家バイオ産業基地 広州市

17 広東

深セン国家バイオ産業基地 深セン市 18 広西 南寧国家バイオ産業基地 南寧市 19 四川 成都国家バイオ産業基地 成都市 20 雲南 昆明国家バイオ産業基地 昆明市 21 陝西 西安国家バイオ産業基地 西安市 22 ハルピン ハルピン国家バイオ産業基地 ハルピン市

出典:中国第2回バイオ産業大会(2008 年 6 月)資料をもとに技術経営創研が作成

また、上表を図で示すと次頁のようになる。

第2項 事例

ここでは、上海張江国家バイオ医薬産業基地と広州国家バイオ産業基地について説明す る。

まず、上海張江国家バイオ医薬産業基地(国家上海生物医薬科技産業基地)は1996 年に中国科学技術部、中国衛生部、中国科学院、国家食品薬品監督管理局、上海市人民政 府の5者連合の「協力協定」の下で、張江国家ハイテク産業開発区内に設立された国家バ

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