第4章 国家大学サイエンスパークの現状
第4節 産学官連携、イノベーション、国際交流等の状況
16 江南大学国家大学科技園 45
17 重慶大学国家大学科技園 41
合 計 1,055
出典:中国タイマツハイテク産業開発センター
今日、中国における大学サイエンスパークは大きな注目を集めていると同時に、多様な 課題にも直面している。例えば、大学サイエンスパークの将来の位置づけや役割などの問 題や、国家ハイテク産業開発区や他のインキュベータとの横断的な関係の再整理などが挙 げられる。今日、中国教育部「21世紀に向けた教育振興アクションプラン」49や中国科学 技術部「タイマツ計画」などの展開は新たな段階に入っており、実務的なレベルでどのよ うに、また、どれ程統合していけるかと言う点にも大きな課題があり、活発な議論を呼ん でいる。
した説明会が日本で開催された。
清華大学サイエンスパークには大学直営の企業も多い。大学が出資して設立し、株式市 場に上場した企業として、北京大学の「方正集団」が有名であるが、一方、清華大学が生 んだ「清華同方有限公司」、「清華紫光集団」も有名である50。実際、清華大学サイエンスパ ークは外資系企業や中国の一般の企業にも開放されている。
図 4.2 国家大学サイエンスパークにおける産学官連携のイメージ
大学大学
ハ イ テ ク 企 業 の 孵 化
↑産学連携の基地として↓イノベーションの揺籃
ハ イ テ ク 企 業 の 孵 化
↑産学連携の基地として↓イノベーションの揺籃 産業界産業界 関連省庁、地方政府関連機関
関連省庁、地方政府関連機関関連官庁、地方政府関連機関
技術移転 経営協力
利益配当 業務提携
政策支援
実行支援
立案根拠
成果拡大
国家ハイテク産業開発ゾーン 国家ハイテク産業開発ゾーン
出典:技術経営創研51
ちなみに九州大学の「国際産学連携」は、法人化後の九州大学オリジナルプロジェクト の一つである。従来、大学が行う国際連携は大学間学術交流協定などが基本だったが、九 州大学はアジアに近い福岡に立地すると言う地域特性を生かし、産学連携を含むアジア連 携プロジェクトを強化・推進している。このような背景から、2002年12月、九州大 学は中国屈指の理工系名門大学である上海交通大学との「日中間技術連携の仲介」に関し 合意に至った。これは両校がそれぞれの国、地域の窓口となり、日中相互の企業間、企業
50 北京大学と清華大学とは、互いに設立した企業で株式公開を競っている感がある、とも言われており、また、
2002 年 9 月に、北京大学と中関村サイエンスパーク管理委員会は、帰国者の創業パークの設立に合意した。こ れについては後掲第 8 章に取りまとめた。
51 技術経営創研『中国におけるハイテク・スタートアップス調査報告書』(産業技術総合研究所発行、2007 年)。
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と大学間の技術連携を仲介するものである。
今日、中国における大学のハイテク産業化事業は、国家的で戦略的な教育研究事業の重 要な一環と位置づけられている52。そこで、大学サイエンスパークの基本的な法的性格や具 体的な役割をどのように再定義すべきか、国家ハイテク産業開発区などとの関係をどのよ うに再構築すべきか、中国の次世代教育やハイテク産業の振興に貢献し、また、大学発ベ ンチャーの創出や育成に資する効率的な行政サービスとしてどのようなものが必要かなど が、今中国において大きく問われているメインテーマの一つである53。
52 いわゆる「大学発ベンチャー」の育成に関する政府主導の改革モデルを考える際、中国のような改革の経験に 着目する意義は大きいと言う指摘がある(角南篤「「科教興国」中国から学ぶもの-注目される「大学発ベンチャ ー」-」 http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0010.html )。
53 中国における大学サイエンスパークを論ずる際に、国家ハイテク産業開発ゾーンや 21 世紀に向けた教育振興 アクションプラン、タイマツ計画の他、国家重点実験室や国家工程研究センター、国家技術移転センター、ハイ テク創業サービスセンター等も踏まえて行うのが有効である。
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