同
︱ ︱ ︱ ︱
︲
︱ ︱ ︱ ︱ 賜 膠
一
脚
︱ ︱ ︱ ︱ ︱ 脚
∝
SD5300)長
屋 王 邸 の北 に は幅35mの
二 条大 路 が あ る。 この大 路 の両 側 に は幅 約3m、
長 さ130mと
約70mの
東 西 溝SD 5100と SD 5300が あ り、 こ こか ら膨 大 な遺 物 が 出土 した。 伴 った木 簡 に は天 平8〜
10年 (736〜738)の
紀 年 銘 、 墨 書 土器 に は天平12年 (740)の 紀年 銘 が あ り、 この頃 に投 棄 した ら しい。 こ こに報 告 す る木製 品 に は器物 の一部(6〜
8)、 木 製模 造 品(9〜
12)、 工 具 (13〜16)、容 器 (18〜20)、 曲物 (21〜24)、 そ の他
(26)な
どが あ る。器物 の一部
6は
琴柱。 琴 の弦 を張 り音程 を整 え る琴 柱 は、 長 屋 王邸 と周辺 か ら3点
が 出土 して いる。 これ は平面形 を六角形 に造 り、上底 には弦 を受 ける溝 をつ け、下底 は三角形 に切 り欠 く。 高 さ1.9cm、 最大 幅2.8cm。 小 さ く薄 い と ころか ら、模造 品 の可能性 もあ ろ う。 同 じSD5300か らは墨 書 の あ る琴 柱 が 出上 して お り、 これ と類似 す る。 同 じ琴 の部 品か。8は
帯 金 具 の鈍 尾 に似 た木 製 品。 長方 形 の板 の一端 を弧状 に削 り、表 の縁 は3辺
を面 ど りす る。 裏面 は長辺 の中央付近 で 段 をつ け る。 器物 の一部 で あ ろ うか。 表 に は墨 の痕 跡 が あ り、 裏 面 全 面 に は剥離 痕跡 が あ り、 また木 釘 が一 部残 る。 長 さ2.7cm、 幅2.4cm。7は
、 いわ ゆ る浮 袋 の 日に類似 した環状 の木製 品。 直径1,7cm、 高 さl cm。木製模 造 品 11・ 12は刀子形 で あ る。
9は
鳥形 な い し馬 形 の一 種 か。 現状 で は両 端 を欠 き、 上面 に 2カ 所、 下面 に 1カ 所 の切 り欠 きが あ り、 中心 部 の左 寄 りに は 穿孔 が あ る。10は、一 端 を直角 に裁 ち落 し、 他 端部 を茎 状 に削 り細 め た もの。 一 側辺 を刃状 に削 り出 して お り、 あ るい は一 種 の刀形 で あ ろ うか。工
具
箆 お よび刷毛 が あ る。15は刷毛 の完形 品。全長21.2cm、 最 大 幅
2.8cmの
刷毛。 先端 の側辺 に切 りこみを いれて毛 を狭 み、 紐 で結 縛 す る形。 紐 は現存 しないが、 その痕跡 が明瞭で、側辺 には紐 づれを防止 す る切 り欠 きを上下各 2カ 所 に いれて い る。 さ らに、毛 のずれを防 ぐために先端 に針穴 を穿 ち、 糸 で固定 して い る。針穴 の数 は 4カ 所。16は漆箆。 柄 の部 分 を欠 く。 最 大 幅
5.5cmを
測 り、 先 端 部 は片刃 に削 る。 全体 に漆 が厚 く付着 す る。容
器
曲物以外 の容器 に は、皿 お よび杯 が あ る。19は皿A。 破 損 が著 しいが、
日径29.8cm、 高 さ1.6cmに復原 で きる。底面 の中央 に は ロク ロの軸 部 に と りつ け
‑134‑
図81 SE4225・ SD5300出 土の漆器 ■木器
(1:3)
た鉄爪 の跡 が、 かすか に残 る。 これ は現状 で 6カ 所 を数 え るが、 爪形 の方 向 に は 規則性 が な く、 あ るい は軸部 に と りつ け る時 に、 打 ち直 しを した ので あ ろ うか。
18は杯A。 日径21.5cm、 高 さ6.2cm。 20は須恵器 の皿
Bと
同 じ器 種。 現 存 す るの は約半分。 国径35cm、 高 さ4.Ocm。 ロクロ爪 の痕跡 は不詳。 この3点
と もに白木 造 りで、 漆 を塗 った痕跡 はな い。 しか し、 いづ れ も同 じ器 種 の漆 器 が あ り、 類 例 の少 ない漆器 の大 きさな どを知 る上 に、貴重 な例 といえ よ う。 木取 りは3点
と も いわゆ る横木 ど りで あ る。25は容器 の把手。 いわ ゆ る槽 の類 か。 把手 に接 した縁 の上面 には鉄釘 がの こる曲
物
側板 を含 め完存 して い るの は22の 1例のみ。 他 は底板 のみ。22は 口径 が 16.4cm、 高 さ6.lcmの小型 の曲物。23は底板 のみ。底面 の中央 には大 き く「益人」
の刻字 があ る。 ただ し、新 しいキズな どがあ り、 刻字 の一部 は欠損 して い る。 こ の刻 み方 は、字 の輪郭 に沿 って刀子 の刀 をいれて ゆ く双鉤鎮 墨 の手 法 を とって い るが、 墨 は点 じていない。 この字 が底板 の内 (つ ま り底面
)に
あ るのか、 外側 に あ るのか は問題 で あ るが現状 で は不詳。 刻字 の周辺 に は刀 子 の切 り傷 が無 数 にの こる。 この東 西 溝SD5300の南 に は、 や は り時 代・ 性 格 と もSD 5300と 同 じ東 西 溝SD5100が あ り、 ここか らは「 奉身万歳福」、「 益 万 呂」、「 万 呂」 と刻字 が あ る曲物 が 出土 して い る。 本例 も、 これ らとと もに、 一 連 の あ る行 事 の中 で使 われ た ので あろ うか。
24は曲物 の底板。 直径18.2cm。
4箇
所 に側 板 を留 めた樺 と じの痕 が の こり、 内 側 に は側板 が接 して いた痕跡 が あ る。 これを もとに復 原 した側 板 の直径 は、17.4 cmと な る。底板 の外側 (こ の曲物 が蓋 にな るとす ると、 蓋 の上面)に
は、「建部建 部部 □」 の墨書 が あ る。 SD5100の 出土 品。
その他
八角形 の板がある。厚 さ
6mmか
ら7mmの
板材 (板 目板)を
、八角形 に切 断 した もの。 八 角形 の四辺 の中央 か ら「十字」 状 に墨 線 を ひ く。 これ は四辺 の中 央 に小 さな刻 み をいれ、 それを 目印 に して墨線 を ひ くが、 筆 で はな く、 墨 糸 で行 な った よ うで あ る。 この墨線 は一面 にのみあ り、他面 にはな い。 この板 の性格 に つ いて は不詳 で ある。‑136‑
L̲̲̲こ ここ :̲工● 司
隠
図82 SD5300・ 5100出上の木器
(1:3)
―‑137‑―
3
建 築 部 材奈 良 時代 の建 築 物 はそ の ほ とん どが滅 び、 そ の実態 は法 隆寺 な ど今 日に遺 る数 少 い建 築 と、 地 下 に残 る建 物遺構 と か ら復原 して い る。 稀 に は、 掘 立 柱 の礎板 や井戸枠、 暗渠 や排 水溝 の側 板 な どに建物 の部 材 を転 用 して い る ことが あ り、 古 代 建築 を復 原 す る上 に貴 重 な資料 とな って い る。 こ こで は礎 板 に転 用 した構造材 の一 部 と、井戸枠 に転用 して い た流板 とを紹介 して お く。
礎
板
(27)
一 端 に筏穴 が の こる1辺
が13cmの角柱 で、全長78cmを測 る。 もとは建物 の構 造 材 だ った よ うで、 一 面 に は当初材 の風化 した面 が の こる。 礎 板 に転 用 す る際 に、
材 の両 端 を斧 で切 断 し、 三 面 を手 斧 削 り して い る。 手 斧 の 刃 の あた りは7.5cmと 大 きい。 この手 斧 削 りの後 に「 大」
字 を刻 印 して い る。 印 の直径 は約 3.3cm。 刻 印 は4カ 所 に
図83 SB5250の礎板 に転用 した構造材 (実測図
1:5,拓
本1:2)
あ る。 建 物
SB
5250出 土 。
SB
5250は 二 条 大 路 の北 、 左 京 二 条 二 坊 五 坪 の東 辺 に あ る二 面 庇 の 長 大 な南 北 棟 建 物 。 桁 行 は確 認 した範 囲 で20間 あ る。 藤 原 麻 呂 の時 代 の建 物 と 推 定 して い る。
(金子 裕 之)
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