第 4 章 喫煙による交絡の原因
4.3 喫煙を始めとする交絡因子調整の重要性
以下の図4-4に示すとおり、日本において日常的に喫煙している者の割合は減少傾向 にある 57)。また、表4-1に示すとおり、相対的に欧米ではアジアに比べて喫煙割合が低 い傾向が見られている58)。
平成 29 年国民健康栄養調査:厚生労働省(2018) 図4-4 習慣的に喫煙している者の割合(年齢調整後)
表4-1 国別喫煙割合(2016年、男性)
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これらの結果からは、過去と比べた最近の日本、あるいはアジアと比べた欧米において は喫煙調整の必要性が小さいようにも見える。しかしながら喫煙割合は集団全体の傾向を 示すものであり、喫煙を交絡としている要因は累積線量との相関である。これまでに 3 度 実施された生活習慣等アンケート調査の集計結果からは、集団全体の喫煙率は減少傾向に あるものの、累積線量と喫煙率との正の相関は依然として残っていることがわかる(図4
-5:アンケート回答者全体の傾向を見るために、第1次、第2次の集計対象者には「3.1 人年計算」で示した解析適合条件に合致しない者を含めた。第3回の結果は2017年2月ま でのデータを集計した暫定値)59)。このため喫煙率が減少した最近の日本においても喫煙調 整が重要であり、また、喫煙率の低い諸外国においても先に述べた被ばく線量の高い職種 において喫煙率が高い傾向が示唆された場合には、やはり喫煙調整が重要であるといえる。
図4-5 アンケート調査毎の累積線量と喫煙率
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以下の図4-6は日本人男性におけるがんの要因を示したものである 60)。これらの要因 は全て交絡因子となり得る。
図4-6 日本人男性におけるがんの要因
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喫煙、飲酒はもとより野菜摂取不足等の悪い食習慣や運動不足も(寄与は小さいものの)
がんの要因となっている。第 3 回生活習慣等アンケート調査の結果からは、これらについ ても累積線量との正の相関が見られている59)(図4-7)。
図4-7 累積線量と野菜摂取不足、運動不足との関連
以上見たように、高線量群には喫煙者、教育年数の短い者、野菜の摂取が少ない者、運 動不足の者が高い割合で含まれ、放射線リスクがないとしても高線量群は低線量群と比べ て、高い死亡率を示す集団の構成となっている。このため「3.4 交絡因子の確認1:項目 別リスク推定」で示したように、喫煙等と比べて小さいと思われる放射線リスクを検討す る際には、交絡因子の調整が重要といえる。
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