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くくなった」という否定的な意見もありました。

この背景には、主要な事項に関する決定機能が本庁に集約されたために、支所や 出 張 所 で は 住 民 か ら の 要 望 等 に 即 応 で き な く な っ た こ と が 理 由 の 一 つ に あ る よ う です。

このため、 本市では、 平成26年度をもって新市建設計画期間が終了したこと等 に伴い、総合支所が主体性を発揮し、迅速に業務を遂行できるように、佐土原・田 野・高岡・清武の各総合支所を地域振興部から分離独立させました。

併せて、 各総合支所に予算管理権を与えるとともに、総合支所長の専決範囲を広

げ 、一定の 事務 が総合支 所で完結 でき るように 機能を強 化し ました。 (平 成27年

4月1日から実施)

2 財政状況

いわゆる 「平成の大合併」 が進んだ理由の一つには、 国や地方の財政状況が厳しさ を増す中、 合併によって財政基盤が強化されるとともに、 国・県の財政支援による歳 入の増加や行政の効率化による歳出の減少など、財政面での効果があげられます。

本市の合併における新市建設計画でも、 この財政効果を前提として、 各種事業を実 施してきました。

ここでは、 合併によって本市の財政面にどのような影響があったのか、 その効果等 について整理します。

(1)財政推計との比較

合併後の財政状況について、平成17年度から平成26年度までの「歳出決算 額」 「歳 入決 算 額」 「人 件費 」 「物 件費 」に つい て、 新市 建 設計 画策 定時 の推 計値 と決算額とを比較しました。

※平成21年度以降は、全体決算額から清武町分を除いた額となっています。

(清武町分は、当該年度の予算の割合による按分で算出)

① 歳出決算額

合併した場合の推計では、平成19年度以降は1,200億円台に減少すると

想定していましたが、実績では、平成19年度以降全ての年度において推計を超

える決算額となりました。扶助費の大幅な増加が主な要因です。

【参考】扶助費の推移

合併した場合の推計では、 250億円前後で推移すると想定していましたが、

実績では、 平成17年度以降全ての年度において推計を超える決算額となりま

した。子育て関係経費、障がい福祉関係経費、生活保護費の大幅な増加が主な

要因です。

② 歳入決算額

合併した場合の推計では、平成19年度以降に1,200億円台に減少すると

想定していましたが、実績では、平成17年度以降全ての年度において推計を超

える決算額となりました。 地方交付税や経済対策による国庫支出金の増加が主な

要因です。

③ 人件費(積上)

合併した場合の推計では、合併しない場合と比較して、84億円減少すると想 定していましたが、実績では、適正な定員管理の取組による職員数の削減、議会 議員数の削減、首長等の特別職の削減により、職員給や議員報酬、特別職給与が 合併した場合の推計より減少したものの、 嘱託員の増や退職手当の増などにより、

合併しない場合と比較して48億円の減少に留まりました。

④ 物件費(積上)

合併した場合の推計では、合併しない場合と比較して、83億円減少すると想

定していましたが、実績では、民間委託や指定管理者制度に伴う委託料の増加な

どにより、合併しない場合の推計を超える決算額となりました。

(2)投資余力

新市建設計画実施計画では、合併した場合、合併しない場合と比較して、人件 費、物件費等の削減及び国・県からの財政支援による歳入の増加により、合併に 関連する投資余力が700億円増加すると推計していました。

実績としては、 人件費や物件費の増加など推計を達成できなかった項目はあっ たものの、維持補修費の減少や国・県支出金の増加、また、新市建設計画事業の 着実な実施により、 新市建設計画事業への投資実績については約767億円とな り、当初の推計を越える結果となりました。

★ 投 資 余 力 総 額 ( H 1 7 - H 2 6 ) の 推 計 値 ( A ) と 実 績 値 ( B )

市 民 税 市 民 税 臨 時

( 個 人 ) ( 法 人 ) 財 政 対 策 債

1,273,212 436,402 125,199 41,477 269,726 234,428 221,802 12,626 178,304 35,955 148,061 94,261 5,660 48,140 240,062

1,426,378 463,386 160,717 42,705 259,964 270,368 254,286 16,082 234,290 66,945 167,645 77,592 51,139 38,914 223,744

B - A 153,166 26,984 35,518 1,228 ▲ 9,762 35,940 32,484 3,456 55,986 30,990 19,584 ▲ 16,669 45,479 ▲ 9,226 ▲ 16,318

1,273,212 206,057 139,163 21,657 45,237 251,356 188,301 144,587 11,619 52,896 151,111 35,325 231,960 161,960 70,000

1,400,895 208,533 134,702 21,911 51,920 351,389 204,975 170,971 8,215 112,149 102,691 43,467 198,505 121,757 76,748

B - A 127,683 2,476 ▲ 4,461 254 6,683 100,033 16,674 26,384 ▲ 3,404 59,253 ▲ 48,420 8,142 ▲ 33,455 ▲ 40,203 6,748

※ 四 捨 五 入 の 関 係 で 合 計 が 一 致 し な い こ と が あ る 。

( 単 位 : 百 万 円 )

歳 入 総 額 地 方 税 地 方 交 付 税 国 庫 支 出 金 県 支 出 金 地 方 債 そ の 他

そ の 他 普 通 交 付 税 特 別 交 付 税 通 常 分 合 併 特 例 債

歳 出 総 額 人 件 費 扶 助 費 公 債 費 物 件 費 維 持 補 修 費 補 助 費 等 繰 出 金 そ の 他 投 資 余 力

職 員 給 退 職 手 当 そ の 他 通 常 分 合 併 分

【参考】 合併にかかる国・県の財政支援

合併にかかる財政支援として国・県から次の配分・支給がありました。

・地方交付税(普通交付税) 29.1億円

・地方交付税(特別交付税) 5.0億円

・市町村合併推進体制整備費補助金 7.5億円

・宮崎県市町村合併支援交付金 7.0億円

(3)財政健全化への取組

市では、真に必要な市民サービスを提供する上で、必要不可欠な健全財政を実 現するため、 財政健全化対策や財政目標をまとめた指針として中期財政計画を策 定し、市税の収納率向上や市債発行額の抑制、物件費等の削減や使用料・手数料 の適正化等に取り組んできました。

そのような中、学校や住宅、公民館などの公共施設、いわゆる 「ハコモノ」 は、

人口増加や市民ニーズの多様化等に伴って整備が進むとともに、合併によって、

さらにその保有数が増加しました。

また、平成22年度に中期財政計画を策定する過程で、普通会計のハコモノ関 連経費は、年間約150億円にのぼることも判明しました。

そこで、財政の健全化を図り、持続可能な宮崎市を実現するためには、このハ コモノ関連経費の削減が不可避であることから、 抜本的な見直しに着手すること としました。

現状の分析を進める中で、 老朽化したハコモノも多く、 その更新にはさらなる 費用が必要となるため、 全てのハコモノを将来にわたって保有し続けることは不 可能であることも明らかとなりました。

これらを踏まえ、平成24年3月に「公共施設経営基本方針」を策定し、将来 にわたって真に必要なサービスを提供するために、ハコモノの「総量の最適化」

と「質の向上」の実現を目指すこととしました。

平成25年度からは、各施設の定量的な要素(品質、供給、財務)と定性的な 要素(近隣施設・類似施設の有無や防災対策など)を勘案し、市民の意見を踏ま えて総合的に判断する「施設評価」を開始しました。

この結果、平成25年度は、評価対象とした341施設のうち合併によって増 えた類似施設を含む88施設が、また、平成26年度は、対象とした326施設 のうち163施設が、 「何らかの見直しを要する。 」という評価になりました。

一方、施設の見直しには、施設を普段利用している市民と、施設を普段は利用 していないが税金を負担している市民との合意形成も必要となるため、 平成25 年度に市民アンケートを実施しました。その結果、約75%の市民が、公共施設 の見直しが必要と感じていることが分かりました。

公共施設は、市民生活に欠かすことのできない財産でありますが、人口減少が 進行する中で、本市が過大な施設を保有し続けることは、将来世代に重荷を背負 わせることに他なりません。

このため、今後も公共施設の見直しを進め、一層の財政健全化を図っていきま

す。

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