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第 6 章 保守/増設 191

A.3 各機能の同時実行可否

• 空き容量がないなど、TPP内に平準化に使用できないRAIDグループが存在する場合、TPP内の そのほかのRAIDグループ間で物理割り当て容量の平準化が実行されます。この場合、平準化完 了後の平準化レベルが「High」にはならないことがあります。

• TPV平準化を実行すると、TPVが属するTPPに作業ボリューム(移動元と同容量の移動先TPV)

の領域が確保されます。この作業ボリュームを含めた全TPP内のTPVの総論理容量が装置の最 大プール容量を超える場合、TPV平準化を実行することができません。

また、平準化実行中にTPPが一時的にアラーム状態(「注意」または「警告」の閾値を超えた状 態)になる場合があります。平準化が正常に完了すると、アラーム状態は解消されます。

• TPV平準化実行中にそのTPVが属するTPPの容量を拡張すると、平準化前よりさらに平準化レ ベルが低くなる可能性があります。

2.3.1.3 TPV / FTV 容量最適化

TPV / FTV容量最適化では、データにすべて0が割り当てられている物理領域を未割り当て領域に変

更することで、プール(TPP / FTRP)の未割り当て領域を増やして機能効率を上げることができま す。

TPV / FTVでは、一度物理割り当てされると、その領域が自動的に解放されることはありません。

また、全領域が物理割り当てされた状態で運用を行うと、サーバから認識される使用済み領域と、実 際の物理割り当て済み領域とで、大きさが異なってしまう場合があります。

連続するデータがすべて0の物理割り当て領域は、例えば以下のような操作によって作成されます。

• RAWイメージバックアップのデータをリストア

• StandardボリュームからTPV / FTVへRAIDマイグレーション

• 全面書き込みが行われるファイルシステムの作成

TPV / FTV容量最適化は、シン・プロビジョニングに属する機能で、ETERNUS Web GUIまたは

ETERNUS CLIから対象のTPV / FTVを選択してこの機能を実行します。また、RAIDマイグレーショ

ンする際に、移動先がTPPおよびFTRPの場合にもこの機能を実行できます。

TPV / FTV容量最適化では、シン・プロビジョニング機能での割り当て領域ごとにデータを読み込ん

でチェックし、すべてのデータが0の領域があった場合に、物理割り当て領域から未割り当て領域に します。

図 2.23 TPV / FTV容量最適化

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TPV / FTV LBA0

TPV / FTV

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装置内や、対象のボリュームでほかの機能が動作中の場合、TPV / FTV容量最適化を実行できないこ とがあります。

同時に処理を実行可能な機能については、「A.3 各機能の同時実行可否」(200ページ)を参照してくだ さい。

2.3.2 Flexible Tier

Flexible Tierには、以下の機能があります。

• ストレージ自動階層制御

この機能は、データのアクセス頻度に応じて自動的にデータを再配置し、性能とコストを最適化しま す。

• FTRP平準化

プール内の物理割り当て状態を再配置し均等化することによって、ボリュームに対するI/O アクセス をプール内のRAID グループに分散できます。

• TPV / FTV容量最適化

物理割り当てされている領域のデータをブロックごとにチェックし、不要な領域(ブロック内のデー タにすべて0が割り当てられている領域)を未割り当て領域にします。

機能の詳細は、「2.3.1.3 TPV / FTV容量最適化」(52ページ)を参照してください。

• QoS自動化機能

ETERNUS SF Storage Cruiser QoS management optionを使用して、ボリュームごとのQoSを制御 できます。

QoS自動化機能については、ETERNUS SF Storage Cruiserのマニュアルを参照してください。

2.3.2.1 ストレージ自動階層制御

ETERNUS DXは、ETERNUS SF Storage Cruiserの自動階層制御機能を使用して、業務の状況変化に

応じて運用中に自動的にデータ配置を変更します。ETERNUS SF Storage Cruiserではモニタリング した性能情報を元にデータの再配置を決定します。ETERNUS DXはFlexible Tier機能を使用し、

ETERNUS SF Storage Cruiserの指示に応じて、装置内のデータを移動します。

Flexible Tier機能では、アクセス頻度に応じてETERNUS DX内のデータを自動的に再配置することに

よって性能とコストを最適化します。アクセス頻度の高いデータはSSDのような、より高速なドライ ブへ移動し、アクセス頻度が低いデータはより大容量で低価格なディスクへ移動して、ストレージの 階層化(SSD、SASディスク、ニアラインSASディスク)を実施します。データの移動はボリューム よりも小さいブロック単位(252MB)で行えます。

チャンクサイズに応じてデータの移動単位は変わります。チャンクサイズとデータの移動単位の関係 を以下の表に示します。

表 2.15 チャンクサイズとデータの移動単位

チャンクサイズ 移動単位

21MB 252MB

42MB 504MB

84MB 1,008MB

168MB 2,016MB

ストレージ自動階層制御を使用すると、性能を維持したままニアラインSASディスクを活用できるた め、導入コストの削減が可能です。

また、データは自動的に再配置されるため、管理者のストレージ性能設計の負荷を削減できます。

図 2.24 Flexible Tier

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ETERNUS SF Storage Cruiser

ETERNUS DX

Flexible Tierは、複数のRAIDグループから構成するプール(Flexible Tier Sub Pool:FTSP)と、そ

のプールを階層化してより大きなプール(Flexible Tier Pool:FTRP)を使用します。Flexible Tierで 使用されるボリュームは、Flexible Tier Volume(FTV)と呼びます。

Flexible Tier 機能を使用するための設定および運用管理は、ETERNUS SF Storage Cruiser から行いま す。詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization オプション編』を参照してくだ さい。

図 2.25 FTVの構成

SSD SAS SAS

FTSP High FTSP Middle FTSP Low

FTRP RAID Chunk

Chunk FTV

• Flexible Tier Pool(FTRP)

FTRPとは、階層化対象のFTSPの管理単位のことです。1つのFTRPにFTSPを最大3個登録でき ます。これは階層が最大3層であることを示します。

FTRP内のFTSPごとに優先順位を設定できます。頻繁にアクセスされるデータは、優先順位が高い FTSPに格納されます。FTSPはTPPとリソースを共有するため、TPPが作成されていると作成可 能な最大FTSP数は減少します。

データを暗号化する場合は、FTRP作成時にプールに暗号化指定するか、自己暗号化ドライブ(SED) を使用してFTSPを作成します。

• Flexible Tier Sub Pool(FTSP)

FTSPは1つ以上のRAIDグループで構成されます。FTSPの容量を拡張する場合は、RAIDグルー プ単位で追加できます。

装置に登録できるFTSPの最大数および最大容量を以下の表に示します。

表 2.16 FTSPの最大数および最大容量

項目 ETERNUS DX100 S4/DX100 S3 ETERNUS DX200 S4/DX200 S3

Flexible Tier Pool最大プール数 30 30

Flexible Tier Sub Pool最大プール数 72個(*1) 132個(*1)

Flexible Tier Sub Pool最大プール容量 2,048TB(*2)

Flexible Tierボリューム総容量 2,048TB

*1: シン・プロビジョニングプール数とFTSP数を合わせた数の最大値となります。

*2: 装置内のFTSPの容量とシン・プロビジョニングプールの容量を合わせた最大プール容量で す。また、FTRPの最大プール容量もFlexible Tier Sub Pool最大プール容量と同様になりま す。

FTSPに登録可能なRAIDレベルと構成はTPPと同様です。FTSPに登録可能なRAID構成を以下 の表に示します。

表 2.17 FTSPに登録可能なRAIDレベルと構成

RAIDレベル 設定可能ドライブ数 推奨構成

RAID0 4 (4D)

RAID1 2 (1D+1M) 2 (1D+1M)

RAID1+0 4 (2D+2M)、8 (4D+4M)、16 (8D+8M)、24 (12D+12M) 8 (4D+4M)

RAID5 4 (3D+1P)、5 (4D+1P)、8 (7D+1P)、9 (8D+1P)、13 (12D+1P) 4 (3D+1P)、8 (7D+1P)

RAID6 6 (4D+2P)、8 (6D+2P)、10 (8D+2P) 8 (6D+2P)

RAID6-FR 13 ((4D+2P) ´2+1HS)、17 ((6D+2P) ´2+1HS)、

31 ((8D+2P) ´3+1HS)、31 ((4D+2P) ´5+1HS)

17 ((6D+2P) ´2+1HS)

• Flexible Tier Volume(FTV)

FTVは、階層化対象のボリュームの管理単位です。FTVの最大容量は128TBです。ただし、FTVの 総容量がFTSPの最大容量を超えないようにしてください。

FTVの作成時に、Allocation方式を選択できます。

- Thin

ホストからFTVへの書き込みが発生した時点で、作成した仮想ボリュームへの物理領域の割り当 てを行います。ストレージ容量を仮想化して割り当てることで、ストレージの物理容量を削減でき ます。

- Thick

ボリューム作成時に、ボリュームの全領域に対して物理領域を割り当てます。システム域のボ リュームなどに使用し、運用中のプール枯渇によるシステム停止を防止できます。

通常は「Thin」を選択することを推奨します。Allocation方式は、FTV作成後に変更することもでき ます。

「Thick」を「Thin」に変更した場合は、TPV / FTV容量最適化を実施してください。容量を最適化す ることでFTVに割り当てられていた領域が解放され、FTVが使用できるようになります。TPV / FTV容量最適化を実施しなかった場合、Allocation方式を変更してもFTVの使用量は変わりません。

FTVは、作成後に容量を拡張できます。

作成可能なFTV数については、「2.1.4 ボリューム」(30ページ)を参照してください。

使用容量の閾値監視

FTRPおよびFTVの使用率が閾値に達した場合、ETERNUS SF Storage Cruiserからアラームを通知 できます。閾値には注意と警告の2 種類があり、それぞれで値を設定することが可能です。

必ずFTRP が枯渇する前にドライブを増設して、ETERNUS SF Storage CruiserからFTSPの容量を

拡張してください。

• FTRPの閾値

FTRP単位の閾値には、注意と警告の2段階の設定があります。

表 2.18 FTRPの閾値

閾値 設定範囲 初期状態 設定条件

注意 5(%)~80(%) 75(%) 注意£警告

• FTVの閾値

FTV単位の閾値は注意の1種類だけです。FTVの未割り当て領域の容量分が、プールの空き容量に ない場合にアラーム通知を行います。FTSPの空き容量と対象FTVの未割り当て容量との比率を閾 値として設定します。

表 2.19 FTVの閾値

閾値 設定範囲 初期状態

注意 1(%)~100(%) 80(%)

• Flexible Tier機能を有効にした時点で作業用ボリューム(物理容量は0MB)が32個作成されま

す。装置内の最大作成可能ボリューム数の上限は、この作業用ボリュームの数の分だけ少なくな ります。

• FTSPまたはFTRPに登録されたRAIDグループに、アドバンスト・フォーマットのドライブで構 成されたRAIDグループが1つでも存在する場合、アドバンスト・フォーマットに対応していな いOSやアプリケーションからその作成したFTVにアクセスすると、書き込み性能が低下するこ とがあります。

• VVOLとして使用可能なFTRPの容量は、シン・プロビジョニングの最大プール容量とは異なり ます。詳細は、「3.6.2.1 VMware VVOL」(135ページ)を参照してください。